248261 「命はほんとうに輝いている」~元GE技術者・菊地洋一さん講演④ 2011年03月30日 | 肉体破壊・環境破壊・精神破壊問題 248261 「命はほんとうに輝いている」~元GE技術者・菊地洋一さん講演④ 猛獣王S HP ( 不惑 営業 ) 11/03/30 AM00 【印刷用へ】 248259の続きです。『元GE技術者・菊地洋一さん講演』(2003年3月31日 三重県海山町)リンクより転載します。----------------------------------------------------------------●原発でみんなが幸せになれるのか?いやぁ、僕も本当に最近新しいPR館3つ見ました。これは一般の人が見たら、うちの町にも欲しいと思うだろうと思いますよ。でもあれだけの巨費を投じてね、安全宣伝を何十年やってきているか。そんな必要のある発電の方法、なぜなんだと。おかしいじゃないですか。本当におかしいことばっかりやっている。僕は今串間というところに住んでいますけれども、串間の誘致派が商工会議所、漁業組合、珍しく漁業組合が誘致派でですね。とにかく原発きてくれと、ずーっとこの10 年間いってきました。推進派の人間の無知ほど恐ろしいものはないと。今原発ここにもってきて、金をこの串間市にぶちこまなかったら、串間市はもうどうしようもない町になってしまうと。勿論、串間市というのは赤字財政の市で有名で、週刊誌でもう市が潰れるという報道までされた市ですから、だから金がほしいのは分かります。だけど原発を持ってきたら町が本当に豊かになって、みんな幸せになるかといったら、これはまた別問題です。市の財政が少し豊かになったから、みんなが幸せになれるかといったらそうはいかない、人間がみんな仲良く助け合ってやっていくべきです。地方にあっては。ところがそれがぶち壊されてなかなか元に戻らない。女川原発というのも僕が福島第一原発6号機の建設が終わった後に、今度は女川の原子力発電所をIHIなんかが造った訳ですけれども、東芝と一緒になって。 その時にIHIの所長が現地を見に行ってきて、僕の所にきて、「菊地さん、あんなところに原発造っちゃいかん」と、あんなきれいなところに原発を造っちゃいかんといっていましたけれど、自分が所長で行く番になっとるわけです。長年かけて自分の手下を育ててきて、その連中を女川原発へ連れていこうとしたら、 みんな嫌だという。なぜかと聞くと、辞めるという。それでじゃあ辞めてどうするのだといったら、田舎に帰ってペンションでもやるって、その所長はいってましたよ。「菊地さん、そういわれたらその方が正しいもんなあ」って。●技術者は生命がけ。そしてぼろぼろに。中で働いている人間は、原発のことは本当によく分かります。ほんとうに安全なものを造るためには生命がけですよ、造っている人間は。僕もほんとうに頭が下がるくらい。でも実際死んだ人もいますよ。立ち上げて終わったその日の晩に、安心して死んだ所長いますよ。僕と最終検査を一緒にやった人で。それくらい死に物狂いで安全になるためにやります。だから僕は原発推進の技術者たち、推進というよりも造っている技術者たちを批判する気持ちは全然ありません。持てる力の総てで安全なものを造ろうとして4年、5年闘いますよ。だから建設が終わって、第一格納容器と呼ばれる原子炉まわりに人が入れなくなるとき、大きな荷物を搬入するためのアクセスハッチという大きな円形の扉がありますが、それが閉まったらもう運転に入りますので人は一切入れなくなります。そのハッチが閉まるまでに4年くらいかかるのですね。関係者はみんなそのハッチの前に集まってですね。もう涙をボロボロ流して、じーっとその閉まっていくのを見ます。 ですから、その建設の4年間は家族ともあまり時間を持てない。東芝、日立なんかだったら、もう週末の休みもないというくらいです。残業時間が 200時間越したら残業手当がつかない。でもそれ以上やってるんです。それで、じゃそんなに働いてどうするんだといったら、もう安全なもんを造ろうと労力を使い切って、ぼろぼろになっているんですね。だからもう1銭も残らんといっていました。みんな飲んでしまうといっていました。もう飲まずにいられんといって。下請けも思うようにやってくれない。あすこミスった、ここミスったといったら、やり直さにゃいかん、その工程を取り戻さなければいかんということでですね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もうそれは、本当に現場の技術者たちと自分も主になって働いて、僕は監督のまた監督という立場であっても毎日現場で図をみて働いていましたから、その苦労はよくわかります。だから建設の人達を責める気は一切ないのですけれども。まして、僕は原発の全部に係わるまとめ役していましたので、そういう立場で原発を押し進めてきた人間として本当は反対派に回りたくないんですよ。ぼくの青春のすべてをかけたのが原発ですから。でも、今度は生命がけで、それに反対せにゃいかんぐらい大変なものなんだと。本当に技術的な事はめんどうくさいし、いうのも大変ですからいいませんけれど、一般論としてですね、原発はやっちゃいかんと思います。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・----------------------------------------------------------------続く « 248259 「命はほんとうに輝い... | トップ | 248300 「命はほんとうに輝い... »
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