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223588 世界を覆う危険な金融保護主義“二番底”という我々の未来~ジョージ・ソロス氏~①

2010年01月07日 | 経済破局か?市場の軟着陸は可能か?
223588 世界を覆う危険な金融保護主義“二番底”という我々の未来~ジョージ・ソロス氏~①
  猛獣王S ( 30代 営業 ) 10/01/06 PM10


『世界を覆う危険な金融保護主義 “二番底”という我々の未来』(ジョージ・ソロス 特別寄稿)リンクより転載します。
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著名な投資家であるジョージ・ソロス氏は、現在の危機は、過去のいずれとも違うと喝破する。国家という枠を超えたグローバル金融市場の混乱を鎮めるには、まったく新しい規制メカニズムの創造が必要と説く。

今日、グローバル経済が直面する不確実性は、尋常でないほど広い範囲に及んでいる。われわれはちょうど、第二次世界大戦後最悪の金融危機を切り抜けたばかりである。これに比肩しうる危機といえば、1991年に弾けた日本の不動産バブル(日本はまだそこから回復していない)、それに1930年代の大恐慌くらいである。ただし今回の危機は、これらに比べて数字の面でははるかに大規模であり、質的にも異なっている。

日本の体験と異なり、今回の危機は単独の国にとどまらず、世界全体を巻き込んだ。また大恐慌とは異なり、今回は金融システムが崩壊するままに任せるのではなく、人為的な生命維持装置をあてがわれた。

事実、今日の問題の規模は、大恐慌の頃のそれさえ上回っている。1929年、米国における貸付残高はGDPの160%相当であり、1932年には250%にふくらんだ。2008年の場合は、最初から365%という数字だった。そしてこの計算では、広範に利用されているデリバティブ(1930年代には存在しなかった)は除外されている。

それにもかかわらず、人為的な生命維持装置はうまく機能した。リーマン・ブラザーズの倒産から1年足らずのあいだに金融市場は安定し、株式市場も反騰に転じた。経済は回復の兆候を示している。人びとは普段どおりのビジネスに戻りたいと考え、2008年の崩壊は悪い夢だったのだと考えたがっている。

残念ながら、この景気回復は息切れしがちであり、この先、(2010年なのか2011年なのかは確言できないが)第二の景気後退が待ち構えている可能性さえある。

■割れた卵は戻らない

私の見解は決して突飛なものではないが、しかし現在主流となっている雰囲気とは対立している。景気の回復が長く続けば続くほど、それが今後も続いていくと信じる人が増えてくる。だが私の見るところでは、これが平衡とはほど遠い状況の特徴なのであり、そのような状況では、認識が現実に追いつけなくなる傾向が表れる。

厄介なことに、この「遅れ」は双方向に働く。ほとんどの人は、今回の危機が過去の危機とは異なるものだということ、つまりわれわれが一つの時代の終わりにいるのだということをまだ理解していない。それ以外の人は(私も含めてだが)、景気回復がどこまで進むかを予想できていない。

全体として見れば、各国の金融当局は、今回、過去の危機を処理したときと同じ方法で対応した。すなわち、破綻した金融機関の救済と、金融・財政両面での刺激策である。

だが今回の危機は規模がはるかに大きかったため、同じ手法ではうまくいかなかった。リーマン・ブラザーズの救済が失敗となったのが一つのヤマ場となった──金融市場は現実に、その機能を停止してしまったのである。

これはつまり、各国政府が、「これ以上、システムの危機につながりかねない金融機関の破綻は認めない」と実質的に保障しなければならなくなった、という意味である。こうして、危機は世界経済の周縁部にまで広がっていった。というのも、この部分に相当する諸国は、主要国に比べて信用性の高い保障を与えることができなかったからだ。
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続く

 

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