Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

ナイフランプカバンに詰め込んで

2009-05-21 01:51:27 | 文学
暇だったので自転車でぶらぶら。
ナイフやランプはカバンに詰め込みませんでしたが、ちょっくら旅に、という気分で。

古本屋を開拓してきました。といっても、見つけたのは2件だけ。以前に立ち寄ったことのある古本屋は見つからず、それがあったと思しき場所には何やら異臭を放つラーメン屋が建っていました。

一軒目ではレム『ソラリスの陽のもとに』が100円で売られていました。しかも初版です。これは安いなあ、買いだなあ、と思いましたが、どうせ新訳が出てるし、この文庫で読むことはないだろうと自らを納得させ、買いませんでした。こういう読まないであろう本を買っていると、本当に本の置き場所がなくなってくるのです。ああでも、どうなんだろう、100円というのは珍しいんだろうか。もし貴重な本なら手元に置いておきたいけれども、ありふれているのならいらないな…
ここでは、外山滋比古『異本論』を買いました。コピー論(たぶんドゥルーズのシミュラークル称揚と問題意識を共有している)がこの中で展開されていたので。著者は有名な人ですが、専門がよく分かりません。アカデミックな論文で引用できる人なのか。余談ですが、そういう論文で言及されるもの(人・作品)って、だいたい相場が決まっていてつまらないんですよね。「真面目な論文」では、プルーストは大いに引用していいけれど、宮部みゆきなんてちょっと躊躇われます。またタルコフスキーなら引用OKですが、『耳をすませば』はたぶん先生方に眉をひそめられるでしょうね。こういう暗黙の了解ってぼくは嫌いですよ。
ちなみにこの古本屋、硬派な文学からアダルト関係の本・DVD、漫画、アニメ関係の本、美術書、民俗学の本、実用書、というふうに、かなり広いジャンルの書籍が置かれていました。もともと硬派なお店がアダルト関連の本を置くと潰れる、というのがぼくの観察ですが、このお店はその途上にあるのか、それとも最初からこういう路線なのか。

さて二軒目の古本屋では、フォークナー『響きと怒り』が300円で売られていました。安い。でももう読んだことのある小説なので、買いませんでした。手元に置いていてもいい作品ですが、こういうのを買っていると本棚が。ここでは『まさかの結末』という、ドイツ人の書いたショートショート集を買いました(100円)。でもこれも引用できない作品かもしれないです。結局、研究で取り上げるべきものっていうのは、カノンかカノンになりうるものだけで、そうではない作品を扱ったら途端にサブカルチャー研究になっちゃうんですよね。変なの。

ところでテレビが壊れてしまいました。ずっと前から調子がおかしかったのですが。とりあえず今は通常通りの画面ですが、また駄目になるかもしれないです。だから近いうちにテレビを買い換えることになりそうです。


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