これからロシア文学を本格的に読んでみよう、と思っている人向けに書きます(いるのか?)。想定年齢はだいたい18歳前後。そうではない年齢の人でも、ロシア文学に不案内だったら、ぜひ参考にしてみてください。ただ、小学生にはちょっと難しいかも…
まず何から読むべきか、と迷ってしまう人は多いはずです。知っている名前はドストエフスキーとかトルストイとかで、二人ともものすごい大長編を書いているから、どうしよう…
そこで、試しにドストエフスキー『罪と罰』を読んでみることをお薦めします。まず、ロシア文学の空気に慣れることが肝心です。この小説はたしかに長いですが、一般の人がロシア文学に対して抱くイメージをほぼ完全に備えており(長さの点でも)、「ロシア文学を読んだ」という気にさせてくれるので、これからどっぷりロシア文学につかる準備になるのです。
次へのステップは、実は二つあります。
まず、『罪と罰』にすっかりはまってしまって、ドストエフスキーの小説をもっと読みたい、という人のためのステップ。そういう人は、もうどんどんドストエフスキーを読んじゃって下さい。ただし、どうせ読むのなら、順番にこだわった方がいいでしょう。最初に『貧しき人々』を読みます。それから『二重人格』、『死の家の記録』、『地下室の手記』を読みます。そして『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』を、なるべくこの順番通りに読みます。もっとも、『未成年』は入手しづらい場合があるので、そのときは飛ばして構いません。『虐げられた人々』『永遠の夫』『賭博者』は、『貧しき人々』と『カラマーゾフの兄弟』の間だったらいつ読んでもいいでしょう。もっともっと読みたい人は、福武文庫の『ドストエフスキー短編集』(上下)を読みます。それでも足りない人は、全集を読みます。そこには「作家の日記」が収められています。なお、『白夜』はコーヒーブレイク程度とみなし、いつ読んでもいいでしょう。
念のために言っておきますが、この順番で読まなくてはいけない、という規則はありません。上記はあくまでぼくのお勧めの順序です。
さて、『罪と罰』にピンと来なかったという人のためのステップ。ドストエフスキーを読み終えた人のためのステップでもあります。プーシキンはいかがでしょう。ロシア最高の文豪です。とりあえず『オネーギン』を皮切りに、『スペードの女王・ベールキン物語』『ボリス・ゴドゥノフ』『大尉の娘』と読み進めていきます(いずれも岩波文庫)。新潮文庫の『スペードの女王』はあまりお薦めできません。というのも、「スペードの女王」以外の収録作品は、物語としてそれほどおもしろくないからです(おまけに未完)。また、岩波文庫の『プーシキン詩集』が入手できれば、それを読んでおくのもいいと思います。更に、群像社から出ている『青銅の騎士』はぜひ読んでおきたい本です。「青銅の騎士」はプーシキンの代表作だから、というのもありますが、ここで群像社という出版社を知っておくことも大事だからです。早く知るに越したことはないでしょう。群像社は、ロシア文学専門の出版社で、これからロシア文学を本格的に読んでいくのなら、いずれとてもお世話になるところです。
さあ、プーシキンを読んだ後は――
でも、これ以上書くと長くなりすぎてしまうので、また次の機会に。今度はトルストイとチェーホフ、ゴーゴリについて書くと思います。
最後に蛇足で付け加えておきますが、一人の作家をこんなに読み込むのは、彼らがロシア文学において非常に重要な作家だからです。また、この記事はロシア文学を「本格的に」読んでいくことを目指している読者を想定して書いているので、ちょいちょいロシア文学を齧る、という読者を念頭には置いていないからです。でもそういう読者向けのロシア文学案内があってもいいですけどね…
まず何から読むべきか、と迷ってしまう人は多いはずです。知っている名前はドストエフスキーとかトルストイとかで、二人ともものすごい大長編を書いているから、どうしよう…
そこで、試しにドストエフスキー『罪と罰』を読んでみることをお薦めします。まず、ロシア文学の空気に慣れることが肝心です。この小説はたしかに長いですが、一般の人がロシア文学に対して抱くイメージをほぼ完全に備えており(長さの点でも)、「ロシア文学を読んだ」という気にさせてくれるので、これからどっぷりロシア文学につかる準備になるのです。
次へのステップは、実は二つあります。
まず、『罪と罰』にすっかりはまってしまって、ドストエフスキーの小説をもっと読みたい、という人のためのステップ。そういう人は、もうどんどんドストエフスキーを読んじゃって下さい。ただし、どうせ読むのなら、順番にこだわった方がいいでしょう。最初に『貧しき人々』を読みます。それから『二重人格』、『死の家の記録』、『地下室の手記』を読みます。そして『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』を、なるべくこの順番通りに読みます。もっとも、『未成年』は入手しづらい場合があるので、そのときは飛ばして構いません。『虐げられた人々』『永遠の夫』『賭博者』は、『貧しき人々』と『カラマーゾフの兄弟』の間だったらいつ読んでもいいでしょう。もっともっと読みたい人は、福武文庫の『ドストエフスキー短編集』(上下)を読みます。それでも足りない人は、全集を読みます。そこには「作家の日記」が収められています。なお、『白夜』はコーヒーブレイク程度とみなし、いつ読んでもいいでしょう。
念のために言っておきますが、この順番で読まなくてはいけない、という規則はありません。上記はあくまでぼくのお勧めの順序です。
さて、『罪と罰』にピンと来なかったという人のためのステップ。ドストエフスキーを読み終えた人のためのステップでもあります。プーシキンはいかがでしょう。ロシア最高の文豪です。とりあえず『オネーギン』を皮切りに、『スペードの女王・ベールキン物語』『ボリス・ゴドゥノフ』『大尉の娘』と読み進めていきます(いずれも岩波文庫)。新潮文庫の『スペードの女王』はあまりお薦めできません。というのも、「スペードの女王」以外の収録作品は、物語としてそれほどおもしろくないからです(おまけに未完)。また、岩波文庫の『プーシキン詩集』が入手できれば、それを読んでおくのもいいと思います。更に、群像社から出ている『青銅の騎士』はぜひ読んでおきたい本です。「青銅の騎士」はプーシキンの代表作だから、というのもありますが、ここで群像社という出版社を知っておくことも大事だからです。早く知るに越したことはないでしょう。群像社は、ロシア文学専門の出版社で、これからロシア文学を本格的に読んでいくのなら、いずれとてもお世話になるところです。
さあ、プーシキンを読んだ後は――
でも、これ以上書くと長くなりすぎてしまうので、また次の機会に。今度はトルストイとチェーホフ、ゴーゴリについて書くと思います。
最後に蛇足で付け加えておきますが、一人の作家をこんなに読み込むのは、彼らがロシア文学において非常に重要な作家だからです。また、この記事はロシア文学を「本格的に」読んでいくことを目指している読者を想定して書いているので、ちょいちょいロシア文学を齧る、という読者を念頭には置いていないからです。でもそういう読者向けのロシア文学案内があってもいいですけどね…
というわけで、すみません、単なるグチです…。今後、新潮文庫を読むときは裏表紙を見ないように注意しようと思います(´Д`;)
とりあえず『悪霊』読了おめでとう。でもそうか、新潮文庫の裏表紙には、ネタバレが書いてあったっけ・・・。自分が読んだときは、先に裏表紙を見ていたかどうか既に記憶がないんですが、でもときどき裏表紙には結末が書いてあることがあるので、読む際に注意するときもあります。たぶん、ドストエフスキーとか古典作家の場合は、平気でネタバレを書いてしまうのかもしれませんね。
しかし、古典だからと言って皆が読んでいるわけじゃないし、というか皆その本を最初に手に取るときは未読なわけだから、確かに結末を書いてしまうのはいかがなものか、という気がしますね。
でもこれに懲りずに、ぜひぜひどんどん読んでいって下さい!
そしてカラマーゾフ読了おめでとう!!随分長い小説だけれども、生きている間に読んでおきたい本ですよね。感想はいずれ是非聞かせて下さい。読書に関してこのブログが少しでもお役に立てたのなら、自分としてもうれしいです。