Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

修士論文って

2011-11-25 22:55:09 | お仕事・勉強など
今朝の新聞に小さく小さく記事が出ていたんですが、来年度から、博士課程進学者は修士論文を書かなくてもいいことになるそうです。その代わりに筆記試験と面接試験を課されるらしい。記事によれば、早くから専門分野だけに特化してしまうことを避け、幅広い知識を習得させるためらしい。まあ、従来だって筆記試験と面接試験はあったわけですから、修士論文がそこから抜け落ちた形ですね。もっとも、ぼくの通う大学では内部進学者は筆記試験は免除されていましたが。というのも、修士課程に入学するときに筆記試験を課されるからで、それに通っているので博士で改めて試験を行う必要性はないとみなされているからでしょう(ぼくはそのように認識していました)。

理系も文系も一緒くたに制度が改正されるのでしょうか。あまりに記事が小さかったために何も書かれていませんでしたが、気になります。

修士までは知識を広めて、博士になってから専門を深く勉強するのがよい、という考えには確かに一理あり、ぼくの経験はまさにその典型例なので、いわば時代が追いついてきた、といった感慨もなくはないほどなのですが、でも、弊害も大きい。

修士までぼくは色んな国の文学を読んだり、批評理論を勉強したりしていましたけれども、専門が定まっていなかったために当然専門知識は一切ありませんでした。だから今、とても苦労しています。もちろん、ばりばりのやる気まんまんマンだったら平気なのでしょうけれども、人間はそういつも気力が充実しているわけではないので、気力が落ち込んでいるときに専門性を磨くというのは大変なことなのです。また、外国文学を研究する場合、修士論文を書くために色々な文献を調査するにあたって「やむをえず」外国語の文献を多く読むという体験をすることが一般的だと思うので、論文を書かないとなると、外国語を読む訓練をする機会が奪われるのではないかなあと心配です。これも、やる気まんまんマンだったら自ら進んで原書を読むのでしょうけれども、人間というのはそう一様にできる人ばかりではない。

博士課程に合格できなかった人は(修士論文を提出していないのに)修士号を得られるのか、といった初歩的な疑問点も解消されていない記事だったので、気にかかることは多いですけれど、想像するに、博士課程に進学すると、その分野だけを何年も勉強している人といきなり同じ土壌に立たされることになるので、専門性がない一年生や二年生はかなり苦難を強いられることになると思います。まるで自分のように。だから心配だ・・・

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。