Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

リペッリーノ?

2010-10-24 23:12:13 | 文学
『マヤコフスキーとロシヤ・アヴァンギャルド演劇』という大変おもしろい研究書がありますが、それを書いたリペッリーノは、しばしばリッペリーノと間違われる・・・

と、思って試しにネットで検索をかけてみたら、確かにリッペリーノと書いている人がいるいる・・・あれ、中にはすごい人までいるぞ・・・で、手元にある某本の参考文献一覧を見てみたら、そこでもリッペリーノと書かれている・・・

最初に挙げた本の作者は確かにリペッリーノとありますが、それが間違い・・・?なんてことはないよね・・・

というか、リペッリーノでもリッペリーノでも大して違わないじゃんか、とも思うのですが、イタリア語的にはどうなんでしょうね・・・
例えば昔はレーガンがリーガンだったとか、ペテルブルグでもペテルブルクでもどっちでもいいとか(後者で発音されますが)、固有名詞ってのは案外難しい・・・

リペッリーノというのは日本人にはちょっと発音が難しく、リッペリーノと言った方が発音しやすいのですが、イタリア人が発音するとどうなんだろう・・・

それにしてもこのリペッリーノの書いた本はすばらしくて、しょっぱなの文章からしてぼくはやられました。何年か前に一度通読しているのですが、今回改めて読み直してみて、その文体の見事さに特に惹かれます。

「批評の仕事を善行の証明書にひきさげることに汲々として、近代芸術の本質にまで踏みこむことのできない、これら風紀取締官どもは、衒学的な気の抜けたマヤコフスキー像をわれわれに提供し、その世間を騒がせた言行、青年時代の奇行については口をつぐんでいる。」

この饒舌な調子でマヤコフスキーの人となりやその時代を活写してゆきます。中でも、次の比喩は悶絶もの。「つるつるの禿頭のように荒涼とした、クルチョーヌイッフの詩全体に通ずることではあったが」。つるつるの禿頭のように荒涼とした!う~む、すごい。小平武の訳も見事ってことですよね。こんな文章が書けたらいいなあ。


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