Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

トーポリの降る街

2013-06-04 02:16:34 | 本一般
トーポリというのはポプラの一種だそうで、この時期になると白い綿毛を飛ばします。今日は街中をこの綿毛が舞い、まるで雪のように地面に積もっていました。顔にくっついたりするとむず痒いのですが、見ている分にはなかなか幻想的で綺麗。

モスクワの中心部を書店を探して彷徨っていたぼくは、トーポリの降りしきる中、最近聞いたこんな話を思い出していました。「トーポリの綿毛を掴まえられたら願いが叶う」。なんとも乙女チックな都市伝説ですねえ。綿毛はふわふわと舞い飛び、なかなか掌に収まってくれないことから生まれた話なのでしょう。でも今日くらい中空を飛び交っていれば、容易く掴まえられそうな気もしました。「6月の雪」とも言われるほど、それは街を白く染め上げる。

さて、本日は「ヒュペリオン」という書店へ。やや分かりづらいところに位置していましたが(というより周囲の雰囲気がスラムみたいでちょっと怖かった)、非常にユニークなお店で、行った甲斐がありました。『祖国アニメーション百科事典』(つまりロシア・アニメーション百科事典)、『出来事と出来事性』、『記号学の旅』という本を購入。ぞれぞれアニメーション、哲学、文学のジャンルに属する本。このことから分かる通り、『ヒュペリオン』はとても幅広いジャンルの本を扱っており、しかもその一冊一冊が大変おもしろい。他所ではちょっとお目にかかれないような本を何冊も目にしました。思いがけない本の数々に、久々に書店で興奮してしまった。

ただ、ぼくの購入した本の合計金額は1070ルーブルだったのに、なぜか1670ルーブル取られました。おかしいなあとは思いつつ、自分の勘違いかなと思って言われたとおりの金額を払ってしまいましたが、寮に戻って改めて本の裏に書かれた金額を合計してみると、やはり1070ルーブル。600ルーブルも多く支払ってしまった!レシートをもらえなかったので、今更文句を言う訳にもいかず、悔しいまま。2000円ほど間違えたことになって、日本では考えられません(ロシアでも考えられない?)。たぶんお店の人は「170」を「770」と見間違えたのだと思いますが、う~む、けっこう分かりやすく記入してあったんだけどなあ。

そんなわけでちょっと後味は悪かったのですが、でも品揃えはいいですね。


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