最近のニュースに高齢の女性に高額の最新医療を施し、成功したのですがその数か月後に亡くなり、どこまで治療すべきかが問題となっているようです。
この事例を詳しく説明しますと西日本のある病院に、90代後半の重症心不全の女性が運び込まれました。心臓から血液を全身に送るための弁が固くなり、呼吸困難となっていました。本来なら胸を切って人工弁を埋める外科手術が必要だが、高齢過ぎて体力的に耐えられません。
そこで、太ももの血管から細い管を通して人工心臓弁を届ける「径カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)」という治療が行われました。身体の負担が少ない最先端の技術で費用は700万円ほどかかるようです。保険が適用されていますので患者負担は少ないのですが、保険料や税金の負担は大きくなります。
治療は成功して女性は無事に退院しましたが、その後数か月後肺炎で亡くなりました。治療を担当した医師は、「患者のもう一度元気になりたいという思いにこたえたが、高齢になるほど肺炎や脳梗塞のリスクは高くなるが、発症するかどうかの予測は難しい」と振り返っています。
このTAVIの費用対効果は高いとされていますが、合併症を起こす可能性が大きい高齢者には費用対効果が低いという海外の研究もあるようです。この関連学会協議会の事務局長は、手術できない患者にとって福音となる技術だが、高齢者にどこまで適応するかは、医療費の観点も含めて議論する必要があるとしています。
私はこの記事を読んで非常におかしいと感じました。すぐに他の病気で死んだこともありますが、基本的に高齢者に多額の費用をかけて治療する必要はないと思っています。
ただ一口に高齢者といっても、60代でも弱っている人もいれば80代でも元気な人もいますので、何歳以上という区切りは難しいような気もします。しかしこういった問題は、どんなに議論しても結論が出るものではありません。14年度の医療費(約41兆円)の3分の1以上に当たる約14兆円が75歳以上に使われている現状は、何とかしないといけない部分と思っています。
しかし現状はかなり厳しく、2008年4月に政府は医師が延命治療などの相談を受けると報酬を加算する仕組みを導入しましたが、これでさえ「高齢者は早く死ねということか」という批判を受け3か月後に凍結、10年4月に廃止したという経緯もあります。
私は60歳の誕生日に、延命治療についての態度を表明する制度をと思っていますが、まあ難しそうな気がします。まずに医師の教育からはじめ、どんな後遺症が残ろうとも命だけは助けるといった部分から変えていく必要があるのかもしれません。
この事例を詳しく説明しますと西日本のある病院に、90代後半の重症心不全の女性が運び込まれました。心臓から血液を全身に送るための弁が固くなり、呼吸困難となっていました。本来なら胸を切って人工弁を埋める外科手術が必要だが、高齢過ぎて体力的に耐えられません。
そこで、太ももの血管から細い管を通して人工心臓弁を届ける「径カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)」という治療が行われました。身体の負担が少ない最先端の技術で費用は700万円ほどかかるようです。保険が適用されていますので患者負担は少ないのですが、保険料や税金の負担は大きくなります。
治療は成功して女性は無事に退院しましたが、その後数か月後肺炎で亡くなりました。治療を担当した医師は、「患者のもう一度元気になりたいという思いにこたえたが、高齢になるほど肺炎や脳梗塞のリスクは高くなるが、発症するかどうかの予測は難しい」と振り返っています。
このTAVIの費用対効果は高いとされていますが、合併症を起こす可能性が大きい高齢者には費用対効果が低いという海外の研究もあるようです。この関連学会協議会の事務局長は、手術できない患者にとって福音となる技術だが、高齢者にどこまで適応するかは、医療費の観点も含めて議論する必要があるとしています。
私はこの記事を読んで非常におかしいと感じました。すぐに他の病気で死んだこともありますが、基本的に高齢者に多額の費用をかけて治療する必要はないと思っています。
ただ一口に高齢者といっても、60代でも弱っている人もいれば80代でも元気な人もいますので、何歳以上という区切りは難しいような気もします。しかしこういった問題は、どんなに議論しても結論が出るものではありません。14年度の医療費(約41兆円)の3分の1以上に当たる約14兆円が75歳以上に使われている現状は、何とかしないといけない部分と思っています。
しかし現状はかなり厳しく、2008年4月に政府は医師が延命治療などの相談を受けると報酬を加算する仕組みを導入しましたが、これでさえ「高齢者は早く死ねということか」という批判を受け3か月後に凍結、10年4月に廃止したという経緯もあります。
私は60歳の誕生日に、延命治療についての態度を表明する制度をと思っていますが、まあ難しそうな気がします。まずに医師の教育からはじめ、どんな後遺症が残ろうとも命だけは助けるといった部分から変えていく必要があるのかもしれません。