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稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

生駒市武道館 往馬玄武会(2020年12月19日午前中)

2020年12月20日 | 剣道・剣術
いつもどうり仕事を片付けて生駒に向かう。
9時30分頃に到着。寒いが稽古するにはちょうど良い寒さ。
私を入れて6人。七段2名、実力六段1名、五段1名、四段1名、中学生1名。

切返しのあと、基本稽古の途中から参加。
2分間の回り稽古を一巡して休憩。
後半は、申し合わせの基本稽古。私は面を打つのに専念。
最後は1分間の回り稽古一巡。切返しで終了。



一番手前。私は左。お相手はN岳五段。
自分ではもう少し背筋が伸びているイメージだったが実際は少し猫背になっている。
最近、少し構え方が悪くなってきたように思う。
トシのせいだとは思いたくないが。



一番手前。私は右。お相手はK川実力六段。
こちらの構えは良いと思う。
自分的には、もうほんの少し、前傾しつつ左足に力が加わって構えに勢いが欲しいところ。



私は一番奥の右側。お相手はベテランのA藤七段。
初太刀は面と決めていたのに、A藤七段の面に対して本能的に反応して出小手と出た。
両足が空中に浮いている。あまり恰好は良くない。
跳んでる自分の姿が可笑しくてキャプチャして貼り付けた。


【感想・反省点】

前半の回り稽古の動画も撮ったが操作ミスで消してしまった。
稽古をしてると、途中で「あれ?いまどうやったんだ?」という場面がある。
それを確認するため、出来るだけ動画を撮るように心がけている。

往馬玄武会では無いが、他所では古い先生の中に撮影を嫌がる方もおられるので気を使うこともある。
その点、アクションカメラは「動画を撮ってるぞ!」の雰囲気が無いので便利だ。
お金に余裕があれば高級機種のGoPro(ゴープロ)が欲しい。

稽古では攻めきれていないところで迷ってしまって自爆することがあった。
「こうすりゃ相手はこう出てくるだろう」が外れた場合など・・・
そこを迷わず打てば良いのだが「あれ?返されるかな?」と迷ってしまうわけだ。

持田盛二範士の言葉
----------------------------------------------
一、打たずに打たれなさい。
二、受けずに打たれなさい。
三、避けずに打たれなさい。
四、力を抜いて柔らかく。
五、相手と仲良くおだやかに。
六、姿、構えは美しく。
七、匂うが如き残心を。
----------------------------------------------

なかなかこのようにはなれないものだ。
まさに剣道は心の修行であると思うところだ。
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なんば養正会(2020年12月14日)

2020年12月15日 | 剣道・剣術

(行ったら回り稽古の最中だった)

コロナ禍でもここだけは稽古を休まない。(でも少し人数が少ないかな?)
こういうスポーツ施設は別格なので助かるのである。
学校施設を借りている長正館などは何かあったら多方面に迷惑をかけてしまう。
おのずとから自粛の方向に舵を向け勝ちになるのである。

失敗した。

いつも稽古に使っている呼吸が楽なウレタンマスクを忘れた。
ズボンのポケットには手作りの厚めのマスクしかない。
これで稽古は出来るのか? やってみるしかないけど・・・


(これが問題の手拭いから作った手作りマスク)



地稽古から参加。
本日は七段4名が元立ち。
時間まで合計10人と稽古。




【感想・反省点】

マスクが分厚いと息が苦しい。
苦しいので省エネ剣道をしてしまった。
動画で確認しても手と腕だけで何とかしようという場面もある。
こういうのが身につくと「爺さん剣道」になってしまうのだろうな。

一人、立ち上がって右に回っていくクセのF谷さんには注意した。
無意識に右に行く者はけっこう多いが、ずっとずっと右に回ってしまうのは良くは無い。
気持ちで負けていたとしても、最初は「負けるものかと前に出る」と意識して欲しい。
けっこう、これって難しいんだけどね。
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生駒市武道館 宝剣会(2020年12月12日夜)

2020年12月14日 | 剣道・剣術
生駒市武道館にて。本日、剣道2部錬。
七段3名、六段1名。五段1名、合計5名。A山七段はお休み。

ストレッチ、準備運動、素振り。
礼のあと切返し、基本打ち。あと地稽古。


(左、石丸師範-O畑六段、右、私-N村五段)


(左、石丸師範-H田七段、右、私-O畑六段)

私の面は相変わらず姿勢が崩れている。自分でもイヤになる。


(左、石丸師範-N村五段、右、私-H田七段)



H田七段の面は素晴らしい。残念なのはいつも間合いが遠く面金にしか当たらない。
私は上半身が立ち過ぎている気がする。そのため勢いのある面に乗られてしまうことがある。



H田七段の面は私の面金に当たり、遅れた(不細工な)私の面が当たる。
当たるが甚だ不満が残るわけである。当たれば良いというわけでは無いのだ。


(左、石丸師範-私、右、H田七段-O畑六段)

だいたい初太刀も中間も、私が面に行って、このように胴に返されることが多い。


(左、石丸師範-私、右、H田七段-N村五段)

稽古のあとは打ち込みと切返し。
宝剣会の稽古でいちばん苦しい内容である。

今回は、このように、打ったあと、後ろから手(あるいは竹刀で)で強く押された。
疲れている時など、足がもつれて転倒しそうになることもある。
正直言って、もう若くは無いのだから、このようなスパルタ式はご免こうむりたいところだ。
鍛えたいという気持ちより「怪我だけはしたくない」と思っている。



本日は宝剣会の稽古納めである。
今年は忘年会も無く、稽古始めも1月後半になる。
終礼では「家で素振りなどしておくように」と言われた。

そういや、稽古の無い時は素振りをしていたのに、
いちど体調を崩した時から中断していた。
心を入れ替えて素振りだけはやっておこう。
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生駒市武道館 往馬玄武会(2020年12月12日)

2020年12月13日 | 剣道・剣術
仕事を片付けて生駒に向かう。
9時20分頃に到着。そこそこ寒いが稽古するにはちょうど良い。
私を入れて6人。七段2名、五段2名、四段1名、実力六段1名。

切返しのあと、基本稽古の途中から参加。
2分間の回り稽古を一巡して休憩。
後半は、気を合わせての相面稽古。これは勉強になった。
最後、時間まで地稽古。3人と稽古して終了。


(基本稽古)



(2分間の回り稽古)

動画を録画してyoutubeに限定公開でUPする。
往馬玄武会の会員用のLINEで紹介しそれぞれの参考にしてもらっている。
URLはブログで公開しないが、そこに書いた文章を下に紹介する。

【動画に載せた説明文・一部加筆訂正】

昇段審査を控えたKさんとHさんに向けてのコメントです。
ご参考まで。

①Kさん-Hさん
共通・・地稽古であっても、打ったら打ち切る事。打ち切って残心まできちんとする事。
決して剣先は開かない事。そして仕切り直したら遠間から始める事。
審査では、遠間、触刃を特に意識して下さい。
Kさん・・打ったあと足が止まっています。勢いが感じられません。

②Hさん-Nさん
Hさん・・Nさんの勢いに負けてます。いつでも打てる状態では無く待っているように見えます。
相手が間合いに入ったらすかさず打つ、もしくは兆しを察して出小手でしょう。

②A先生-Kさん
Kさん・・打つ前に中心を取って無いように見えます。
①と同じく、打ってからの勢いがありません。小手を見せての小手面はもう一工夫が必要です。(また教えます)

③粕井-Hさん
Hさん・・気迫はありました。その分、力が入り過ぎていたような感じがします。
後半の面打ちは良かったです。どの状態、どの間合いからでも「いつでも打てる」ように意識してください。

③Kさん-Nさん
Kさん・・打ち込み稽古のようになりましたが、やはり打ったあとが駄目です。当たって終りではありません。
打たせるほうも、ぎりぎりまで真剣勝負で対峙するようお願いします。

④Kさん-粕井
Kさん・・初太刀ですが「足を出しながら打ってくれるかな?」と期待していました。
いきなり打って当たるものではありません。(打つ速度が速いのなら別ですが)
面の物見が合って無いです。姿勢を正してください。
交刃の間での心の動揺が剣先、身体、両方に如実に表れるのも気にかかります。

④K川さん-Hさん
Hさん・・初太刀で前に出ながら待ってるように見えました。
初太刀の相面は特に、ぎりぎりの間(間境)では特に「相手が打とうとした瞬間」を見極めて、それを越えて打ち勝たなくてはなりません。

⑤K川さん-Kさん
Kさん・・一本一本を大切に稽古してください。
発声ですが、面を打っても小手を打っても胴を打っても「でぃあ~!」としか聞こえません。
これは審査では不利だと思います。

⑤A先生-Hさん
Hさん・・最初に姿勢を正したのは良かったです。あの修正した姿勢を常に意識してください。
打ってから振り向いて構え直す時のモーションが(昔のクセで)ワンモーション多い時があります。
一度で剣先が相手の向くよう常に意識してください。

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【感想・反省点】

指導しながら自分自身のクセを直す場として使わせてもらっている。
自分の動画を見ても反省しなければいけない場面がいくつかある。
疲れてくると雑になる点、不得手な技をもっと意識して稽古すべき点・・・
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生駒市武道館 往馬玄武会(2020年12月5日)

2020年12月06日 | 剣道・剣術
先週と同じく仕事を片付けてから生駒に向かう。
9時30分頃に到着。そこそこ寒いが稽古するにはちょうど良いぐらい。
私を入れて5人で先週と同じだがメンバーは1人異なる。



基本稽古の途中から参加。
指導を頼まれたので、気攻め体攻め剣攻めからの面打ち、
あとは自分から間合いに入って、自分が信じたところで打つ稽古。
うまく出来る者もいるし出来ない者もいる。
基本の稽古の中で、出来る限り実戦的な稽古をして欲しい。

先週と同じく、動画を録画してyoutubeに限定公開でUPする。
往馬玄武会の会員用のLINEで紹介しそれぞれの参考にしてもらっている。
URLはブログで公開しないが、そこに書いた文章を下に紹介する。



【動画に載せた説明文・一部加筆訂正】

対峙した時は遠間、触刃の間を特に意識して気構え身構えを充実させる。安易に交刃の間合いに入らないこと。
打った打たれたよりも、構えた時の姿勢、気勢(気の勢い)、右足を出しての攻めと溜めを意識しましょう。
打ったあとは打ち損じても残心まできっちり行うことも大切です。

剣先が低過ぎる場面が時々見受けられる人がいますが、構えた時の剣先の延長線上は相手の左眼が基本で、外れても顔面、咽喉から外さないことも大切です。
ただ、打つ前の動作として、相手を釣ったり押さえたりしますし、下段(相手の左拳あるいは下丹田を攻める)からの打突もありますので、何が何でも「正眼に構えろ」と言っているのではありません。いつも構えが低過ぎるのは是正したほうが良いでしょう。

面金の物見から相手を見ていない人は、まずは自分の立ち姿を見直してください。
背中が曲がっていたり、首が前に傾いてうつむき加減になっていないか注意してください。
一度身についた姿勢はなかなか直すことが出来ませんが、普段の生活で背筋を伸ばし、あごを引き、胸を張って背筋を伸ばすように努力してください。
最初は苦しいですが必ず直せます。

地稽古は審査稽古ではありませんので、自分の得意な技を磨くのも大事ですが、不得手な技、身につけたい技、打てるが姿勢が崩れたり残心がうまく行かない技を積極的にやってみることも大事です。どんどん試してみましょう。失敗するのも稽古のうちです。

繰り返しますが、立ち上がり(振り返り)構えて、の、遠間、触刃の間での「気の勢い」を身につけましょう。
交刃の間からは「いつでも打てる・いつでも返せる」という身構えと気構えを作ってください。


------------------------------

【感想・反省点】

ここでは指導しながら自分自身の悪いクセを直す場として使わせてもらっている。
人に指導するには、まず自分が出来ないと伝わらない。
そういう意味でまだまだ未熟だが、指導出来る場がありがたい。

大阪府の非常事態宣言を受け、夜の長正館の一刀流の稽古は中止。
井上館長が12月5日、94歳のお誕生日なのでお祝いのメッセージを送っておいた。



井上館長からのお返事は、

誕生のメッセージありがとー😉👍🎶
コロナなに負けない94くよくよしないで日々楽しく過ごす所存です、ご支援宜しく願います、
先ほど天神橋の今昔館青朝会展覧会に来ております写メール送りますご笑覧あれ。井上
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木曜会定例稽古(2020年12月3日)

2020年12月04日 | 剣道・剣術
先週は仕事で休んだ。休みと剣風が乱れる。
まだまだ正しい剣道が身についていないせいである。

四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時30分まで。今年26回目(かな?)。参加人数20人ほど。

今回、アクションカメラをビデオ代わりにして、初めて移動させて撮影した。
あとで、動画をトリミングして、
①袴の着用
②気攻め剣攻め体攻めからの打ち-1
③気攻め剣攻め体攻めからの打ち-2
④「鎬(しのぎ)の間」+「自信を持った入り」
の4つに分けてyoutubeにUPし、木曜会会員に配信した。

移動して撮影したので詳細まで良くわかる。
自分独りで見るのは勿体ない・・と思ったのだ。

編集しながら何回も動画を見た。


(袴の着用方法伝授)

自分では出来ているたつもりだが、胴着を後ろで詰めることまではやっていなかった。
正しい袴の着け方は毎回気をつけていこうと思う。



自分の打ちを見るとまったく安定しない。
打ちにも冴えと強度が無い。

結局わかったのは、安定した強度と冴えのある打ちは、思っているより近間まで入る必要があるということだ。
入りが中途半端なので、届かなかったり返されたり、姿勢が崩れてしまうというわけだ。



終礼にて

右足の使い方、体の移動の仕方、合気の感じ方など稽古したが、自分の道場で使わないと身につかない。
右足をす~と出したら相手は必ず出てくるのだという確信を持つ。
右足を出して相手が動かなければそのまま打つ。
相手が打ってきたら出頭の技か返し技。


【感想・反省点】

私がうまく打てないのは疑心暗鬼のまま足を出しているからかも知れない。
打たれるのが怖くてどこかに中途半端さが出ているのだろう。
だから打っても「防ぎ打ち」のようになって姿勢が崩れてしまうのかも知れない。
打たれても良し・・・としなければ上達はしないと反省しよう。
本日の稽古は(も)とても良かった。
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長正館剣道定例稽古(2020年12月2日)

2020年12月03日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。
----------------------------------------
【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
----------------------------------------

本日、初心者も入れて12名。
寒いがまだマシ。扉は5つのうち2つを閉める。
いつもどおり準備運動と素振りのあと、初心者が分かれてF六段の指導。
残りはK芦五段の号令で基本稽古。あとは自由稽古。

本日、アクションカメラ(SJ-6)と、メモカメラ(RX-100M2)の動画からのキャプチャー。


(基本稽古)







私の悪いクセ。地稽古の中で面を打つと姿勢が崩れる。
右からの捻り打ちのようになるのと、打つ時の左足、左腰の引きつけが不充分なのだ。
夢中になるとどうしても出てしまう悪いクセである。



Tちゃんには胴打ちの指導。



K芦五段。この間合いで「K芦さん、右足を出して!」と思うが待たれちゃうわけだ。



仕方が無いので、こちらが右足をすっと出すと反応する。つまり打つか返そうとする。
「相手の動くの“う”」を狙っているのだろうが、往々にして「相手が動いたら」になって遅れてしまう。
やはり自分から攻める気持ちが無ければ待ち剣からは抜け出せないと思う。



久々に井上館長と稽古。12月5日に94才を迎えられる。
コロナ禍での剣道稽古は心配なのだが元気で稽古されている。



稽古終了。





誠先生の剣道教室(佐藤誠八段)から教わった呼吸法をカードに印刷しておいた。
終礼時に配ったが、ぜひ役立てて欲しいと思う。

① 口から息を吐ききって、2秒止める。
② 止めたら、3秒かけて鼻から息を吸い込む。
③ 吸い込んだら、2秒止める。
④ 止めたら、15秒かけて口から息を吐く。

本当は座禅を組んで半眼で呼吸法を行えば良いのだが、
通勤時間の移動中でも、寝る前でも、ちょっと心を落ち着かせたい時は有効である。
私も七段審査の時は行きの電車の中や歩きながら呼吸法を何回もしていた。
息を吐ききってしまうところが大事なのだと思う。
自律神経の正常化。

いつでも気軽に出来るようになれば過度な緊張感は取り除ける。
剣道人として身につけておきたい呼吸法である。
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生駒市武道館 宝剣会(2020年11月28日夜)

2020年11月30日 | 剣道・剣術
生駒市武道館にて。
本日の出席者、七段4名、六段1名。N村五段はお休み。

行ったらO畑さんがするすると近づいてきて「先日の審査で六段受かりました」と報告された。

いやはやスゴイ!一発合格である。
70才を越えても足の動きには素晴らしいものがあり、ややクセはあるものの実力は充分にある。
形審査も特訓のお陰で特に問題は無かったそうな。いやあ、見たかったなあ。

来年はN村五段が六段の審査を迎える。
宝剣会もますますレベルの高い稽古会に育ちつつある。


(最初の礼)

遅れて行ったので基本打ちから参加した。
あとは地稽古。全員と稽古して終了。剣道形は無し。


(基本稽古、待っているのは私)

広角レンズのせいで、画面の端は曲がって見える。
以前、「構えてる姿勢が悪いよ」と言われたことがあるが誤解である。


(石丸師範との稽古)

打って振りむいたらほぼこの間合いになる。
この間は完全な打ち間。「あ、どうしよう」と思った瞬間に打ち込まれてしまう。
打ったあと、遠くまで飛び抜けるのも手だが長丁場の稽古では息が続かない。
振り向き残心などしたら「打ったら真っすぐ抜けていけ」と言われる。

いろいろ手は考えられるが出来るだけ正剣で立ち向かいたい。



本日のメイン、というか良きライバルのH田七段。
立ち上がって構えた時は「面に行く」と決めていたが・・・



小手もしくは相小手面に来るのを察知して、無意識に出小手に出てしまった。
おそらく「面に行こう」としたのを読まれて出小手か相小手面に出て来たのだと思う。
それを察知して、面に行こうとしたのを「小手に対する出小手」で制しようとしたのは無意識。
幸い、相小手面の面が不十分だったので、こちらの出小手が決まった形になる。

しかし、この姿勢は何とかならないものか・・・

いつも気持ちで押されるので、きょうはあれこれ考えるのは止めて、がむしゃらに攻めていこうと思った。
H田七段が前に出ようとしたら、普段あまりしない牽制の小手を打ったり、
剣先を合わさないH田七段に対して、こちらも剣先を合わさないで打ちに出たり、
ともかく先(せん)を大切にやってみた。(私には珍しい・・・)



最後の一本勝負は下段から打った面が決まった。
きょうのH田七段の小手はほぼ全部逸れていた。
先(せん)の気位なのか、H田七段の調子が悪かったのか・・・



O畑六段と。本日、唯一、キレイに胴を打たせてもらった。
他の胴は、下がって打ったり、体捌きが不十分だったり・・・

このあと竹刀が割れてしまったのを確認して稽古中止。
胴打ちは竹刀破損の率が高い。



A山七段と。A山七段との稽古は、いつも遠間触刃から始められるのが嬉しい。
写真で右の私の背中が曲がっているように見えるのは広角レンズのせいである。(柱も曲がっている)
このあと面を攻めて、手元が上がったところを小手に行き、不十分だったので面を打った。



動画で見ると、イヤになるぐらい不格好である。
高段者相手で、恰好の良い打ちは100本に1本程度では無いだろうか・・・

まあ、しかし、きょうのテーマ―は「先の気位と勢い」だったので恰好は二の次で「良し」としよう。


(終了後に審査の様子など詳しく聞いている場面)

ここでの稽古は高段者ばかりなので指導をすることはほとんど無く、
思いっきり遠慮なく懸かっていけて、自分の課題を試せるのが嬉しく楽しいのだ。
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生駒市武道館 往馬玄武会(2020年11月28日午前)

2020年11月29日 | 剣道・剣術
いつも通り、急ぎの仕事を片付けてから生駒に向かう。
そこそこ寒いが稽古するにはちょうど良いぐらい。
9時30分頃に到着。私を入れて5人。

ここでの稽古は動画を録画してyoutubeに限定公開でUPし、
往馬玄武会の会員用のLINEで紹介している。
動画はブログではお見せ出来ないが、そこに書いた文章を下に紹介する。

実はこれ、木曜会(誠先生の剣道教室)でのおさらいである。
私の剣道は元々、どうしようも無い自己流で、佐藤誠先生に出会ってからまともになってきたのだ。
もちろん、まだまだ未熟なのだが「迷ったら基本に戻れるところ」があるということは素晴らしいと思う。


(私は奥の左、お相手はベテランのA藤七段)
(手前左は同門のK芦五段、お相手はH名四段)
(右手前で待機しているのは昇段審査を受けない実力六段のK川初段)

【説明文・一部加筆訂正しました】

昇段審査を意識するならば、一回一回の地稽古においても意識しましょう。
打った打たれたでは無く、その内容を磨きましょう。まずは立派な立ち振る舞いです。
礼をして蹲踞して立ち上がった時の堂々たる構え、勢いのある構え、相手を威圧する発声が大事です。

発声は遠間、触刃の間、せいぜい先革が交わる部分までとします。
交刃の間で「イヤ~」など声を上げるものではありません。
この間は相手に呼吸を読まれないことが大事なのです。
この間で声を出すと息を吸い込むタイミングで打ち込まれます。

相手の状態にもよりますし、面を打つか小手を打つか胴を打つかでも変わりますが、
自分の打ち間までいかに入るかが大切なところです。安易に交刃の間に入ってはなりません。
「いつでも打てる気勢と体勢」を保つことが「攻め」に繋がります。
交刃の間で相手の左眼に自分の竹刀の剣先が向いていることが基本です。
この時、中心を取ろうと右手で相手の竹刀を押さえてしまうと墓穴を掘って相手に小手など打たれてしまいます。

間合いに関わらず、構えた時に左拳が上下に動いていないかどうかも大切です。
左拳は動かさないことが鉄則です。動画を見て自分の左拳が上下していないか確認してください。

打ち間がわからず、触刃の間、先革が交わったぐらいから、足を継いで勢いで打つのはよくありません。
勢いがあるように思えますが、相手から見たら打ってくるのが丸わかりで対処のし易い打ち方です。
たまにうまく打てたとしても、それは意表を突いた・・・というだけで常には通用しません。
攻めも無しに打ち間に入ってしまうのと同じように「足継ぎの遠間からの面打ち」は慎みたいものです。

基本打ち稽古の場合でも、交刃の間から始めるのでは無く、遠間か触刃の間から丁寧に始めましょう。
そして元に立つ人も安易に空けて打たせるのではなく、打つ(打たれる)寸前まで自分も打とうとする合気の稽古をしましょう。
(面を打とうと手元が上がった小手を打つ・・・みたいな)きっと剣風が変わるはずです。
(初心者には空けて打たせますが往馬玄武会では不要です)

打ったあとは振り返って構え直すまでが残心です。
たとえ打ちが不十分、いや当らなくても「俺は自信を持って打ったんだ」という気持ちで残心までやってみましょう。
昇段審査では大切なことです。

打ったあと剣先を開くクセのある人は長丁場の稽古ではツライですがなるべく止めましょう。
審査では減点となります。

相手の打ちを避けたり、避けながら打つのもよくありません。(実はこれは私の今の課題です)
打たれても返されても良いから姿勢を崩さずに打ち切ることが大切です。

常に課題を持って稽古に挑みましょう。一回一回の稽古の積み重ねが実を結びます。
身体を動かしているだけではただ運動をしているだけと同じです。
自分の欠点を一つずつ潰しましょう。そして良いところを伸ばしましょう。

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【感想・反省点】

回り稽古の最初でA藤七段から見事な面摺り上げ面を打たれた。
実は私は面摺り上げ面が苦手で、たまにやっても失敗ばかりする。
自分の苦手な技で打たれると「参りました!」という気持ちになる。
もちろん「参った」という表情や仕草は出さないが・・・

同門のK芦五段も参加しているが、面を打つ時に右足を蹴り出すようなクセが出る。(上の写真も同様)



本人は勢いも距離も出ているような気がしているが、実は足が出ていても身体は出ていない。
だから打ったあとは身体が止まって勢いも無くなってしまうのだ。
実は私も、昔、同じようなクセを持っていた。

右足は「床を滑らすように」前に出すのが正解。
最後の最後に、最低限足を上げ、床をポンと踏みしめるのだ。

本人もわかっている右足を上げる悪いクセ。
実はこのクセ、一度身につくとなかなか抜けないクセの一つでもある。
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長正館剣道定例稽古(2020年11月25日)

2020年11月26日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。

【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
----------------------------------------

本日、初心者も入れて13名。
K君が3級合格、A君兄弟が揃って4級合格。
実はA弟君は4級は難しいかな?と思っていただけに嬉しかった。

子供中心の稽古となった。
子供相手だと萎縮しないように打たせてあげる。
少し上達してきたら打つべき機会に打てるように仕向ける。
小さい子にはかがんであげる。けっこう気を使うものである。



Tちゃん。2回かかってきたので2回目は出小手の稽古中心。
まだ難しいが、出小手は相手が打つのを引き出すことを教えた。



手前は井上館長。かかるのはTちゃん。
私はA兄君。A兄君は油断するとお喋りが多くなる。
あそこが痛いだとか、ここが痛いだとか、よくわからない・・とか。



A弟君。私が怖いのかあまりかかって来ない。
ともかく打たせることにした。



K川五段への私の出小手。
きょうのテーマは「姿勢を崩さないこと」だったが、夢中になると崩れが多発する。
打たれても良いから崩れない剣道をしたいものだ。



K芦五段。
本人は前に出てるつもりなのだが、動画で確認すると右足だけが前に出ている。



この間合いでもまだ攻めが出来ていない。
K芦五段、実は剣先は中心から少し逸れているのだ。
竹刀も残念ながら横から握っているように見える。

自分で打ち間に入っておきながら相手に中心を取られている状態である。



よって面をたやすく打たれてしまう。



終了。

残念ながら初心者の一人が本日まで。
ようやく打ち込みらしきものが出来るようになったのに勿体ないことである。

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実は無茶苦茶に忙しい。
印刷会社とのデーターのやり取りで、思うような色が出ないのだ。
稽古後も事務所に寄ってデータを作った。
そのデータを使って自宅のパソコンで作業をするのである。

家に帰って大急ぎで食事をして作業したが夜中の1時までかかってしまった。
明日も奈良の自宅と東大阪の事務所でデータと格闘する予定である。

ともかく眼が疲れて大変。
印刷会社に渡すデータ、キーホルダーのメーカーに渡すデータ。
少しでも色が変わると台無しになってしまう。作業が長引くと納期も心配だ。
明日は稽古(木曜会)に行けないかも知れない。
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道後温泉(2020年11月21日)

2020年11月22日 | 剣道・剣術
朝5時半に骨董車デリカスターワゴンで自宅出発。
コンビニに寄ってコーヒーとサンドイッチを購入。
第二阪奈道路、阪神高速、明石海峡を通って四国上陸。
トイレ休憩2回。愛媛県松山市の道後温泉に10時半に到着した。


明石大橋


ホテル到着


ホテルの前で




道後温泉の前で


松山城


天守閣


お城の前の紅葉




正岡子規の記念館「子規記念博物館」


子規と漱石(左が夏目漱石)


子規の上京


ホテルの大浴場




夕食の献立


伊予牛

朝早く出たので渋滞にも会わず早めに着いて松山を堪能した。
正岡子規の「子規記念博物館」は以前から行きたかったので時間をかけて見てまわった。
正岡子規の生まれた時代はわが曽祖父(岡本秋五郎)の世代なのだ。
曽祖父は武家に生まれ、維新後、萩から大阪に出てきたという。

明日は、呉を経由して広島へ行く予定。
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木曜会定例稽古(2020年11月19日)

2020年11月20日 | 剣道・剣術
四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時30分近くまで。今年25回目。参加人数30人ほど。



最初は座学。昇段審査の話あれこれ。

一足一刀の間で一挙動で正確に打突するには「ここからなら正しく打てる」ということがわかっていなければならない。
ゆっくりとした近い間合いでの打突稽古は体幹を使った正しい打ちを学ぶために行っている。
勇剣会の池田勇治先生は、六段なら六段の基本、七段なら七段の基本、八段は八段の基本を見てもらうのが審査なんだと言われた。
まずは着装。面の着け方、面の形、紐の結び目の位置。面は富士の裾野のごとく。
構えた時の重心は真ん中。配力は左に7もしくは8。打とうとした時には配力は9になる。
間合いは左足で決まる。鎬で相手を感じ、自分が信じたところまで入り、そこから身を捨てて打つ。
日頃の稽古の中で、いろんな経験を通して自分の間合いまで入る。そこからスイッチなど使って打つ。その積み重ね。
誰しも悪いクセを持っている。それを克服していくこと。
相手を知るには礼法作法の時の相手のしぐさを良く見て判断する。剣を交えてから慌てないこと。
柄頭の位置一つでも相手の技量はわかってしまう。
遠間触刃でしっかり構えが出来ていること。いつでも打てるという状態。
右足で行う攻め。左足で行う攻め。自分から攻め入ることが大事。
剣道の究極は「相打ちの勝ち」。相手の打ち気を感じる。打とうとした瞬間を狙う。
いつでも打てることは大事だが、なかなか打てるものでもない。相手の打とうとする兆候を読み取る。
(例:火山の噴火を押さえる話、火山性微動の話、だんじりの話)
相手以上の「押さえ」が無ければ相手は動かない。相手以上の気迫気勢。
一本一本の技(たとえ空振りであったとしても)有効打突の「要素・要件・残心」を追及する稽古の積み重ね。
打つには打つ理由があり、それを最後にまとめるのが残心である。
自分の技には責任がある。中途半端に出さない。途中で諦めない。一本一本を大事にする稽古。

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素振りのあと面を着けて3人一組。
切返し、基本の面打ち各種、あと、出頭面、出小手、相面から胴の体当たり、相面、相小手面、切返しで終了。
最後に、着装の点検あり。



【感想・反省点】

座学が良かった。
もっと一回一回の稽古を大切にしなければと思った。
そのあとの稽古は「相手に勝る気迫」を意識してみた。
気迫気勢で技が冴えるのがわかる。

着装では面を結ぶ位置が少し低いと指摘された。
次回から気をつけて結んでみよう。
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長正館剣道定例稽古(2020年11月18日)

2020年11月19日 | 剣道・剣術


大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。

【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
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阪神高速の工事の影響を見込んでバイクで来て大正解。
車で来ていたら、途中の大渋滞で大幅に遅刻していただろう。



思えば昔は一刀流の稽古はバイクで来ていた。
剣道は仕事を終えてからだから電車だったかな?
真冬の稽古の帰りに凍った道で転倒したこともあった。
そうか、独立してから車で来るようになったんだなあ。

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初心者も入れて総勢14名。少しづつだが長正館も成長しつつある。
来年の3月の小学校中学校の公式戦には何とか出場だけでも成しとげたいと思っている。

22日は昇級審査。3級が1名、4級が2名受ける予定。
3級受審者は木刀による剣道基本法があるので稽古の前後に特訓し、
4級受審者は切返しと面、小手面の打ち込みの特訓。
来年1月の2級受審者には少し厳しく互角稽古をさせてみた。

F六段が肉離れで稽古が出来ないので初心者指導に専念してもらった。
かろうじて打ち込みらしき動きが出来るようになってきた。
ここまでくれば防具着用の目安もついてきたと言える。

稽古は11月とは思えないぐらい暑くてバテた。

久々に、長正館の建物があった時代の子供が青年になって訪ねてきた。
兄弟で兄は防具を持ってきた。弟は稽古着も防具も持っていないと言う。
盛況だった昔の長正館の子供が大きくなって来てくれるのは嬉しいものだ。


(準備運動と素振り)


(基本稽古)


(初心者指導)


(後半は自由稽古)


(終礼)

昔は誰がいたっけ?
そう思って、長正館の建物が閉館になる前の名札の写真を探し出す。


(全体)


(左半分)


(右半分)

剣道を辞めてしまった者もいるし他の団体に移った者もいる。
3年間はあっという間だったが、ずいぶん昔の事だったような気もする。
稽古場所が変わっても人が入れ替わりつつも稽古を続けていきたいものだ。
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なんば養正会(2020年11月16日)

2020年11月17日 | 剣道・剣術


充分間に合うと思ったが阪神高速が工事のため肝心要の環状線が通行止め。
大阪城近くの森ノ宮出口で出ようと思ったが出口が渋滞していたので先へ。。

想定していた場所に出口は無く、結局、九条で下りて難波まで戻った。
道がわからず途中で遠回り。到着して着替えたら基本稽古は終わりかけ。
19時45分からの自由稽古から約30分の稽古となった。



8人と稽古。指導的な稽古が多かった。

それにしてもまったく掛かって来ない者はどうなんだろう?
確かに自分自身を振りかえってみても合わない先生とは稽古は避けたものだ。
しかし、たま~に稽古をお願いし、それなりに何かしら得ることもあった。
まったく稽古をお願いしなかった・・・ということはまず無かった。
(嫌われたのか、並んでいたら「あっちへ行け」と言われたことはある)

何回も五段受審に落ちている者など「懸かってくればアドバイス出来るのに・・・」と思う。
こちらは、五段六段審査で、それぞれ30回以上は落ち続けた経験がある。
五段は無我夢中で合格したが、六段は「間違った剣道を正したら」すぐ合格出来た。
ながいなが~い間、トンでも無い間違いをしていた・・というわけだ。
間違った稽古をいくら続けても合格しないということは身に染みてわかっているつもりだ。

審査では相手を選べない。

どのようなタイプと立合いをしても、しっかり対処出来なければならない。
「今回は相手が悪かった」が(大げさだが)永遠に続く場合もあるのだ。
苦手なタイプを減らすことも審査では重要な要素だと思うのだ。


(稽古終了・太田師範は右端で画面から切れてしまった)

20年ほど前は師範として古谷範士八段がおられ、常駐七段が数名、六段も数名で、
「五段ばかりがやたら多いよなあ・・・」という記憶がある。

最近になって七段合格者が2名出たし、六段以上の常駐高段者も増えている。
場所も大阪の中心地、難波(なんば)駅近くで勤め人には嬉しい稽古場所である。
出稽古も可能だし、置き場所が空いていれば防具や竹刀も置ける。
もっともっと盛況になって欲しいものだ。

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大阪、難波の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)。
なんば養正会。大人の稽古は19時~20時15分(夜間の場合)まで。
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なんば養正会のホームページ。(管理人は私です)
http://doujyou.net/youseikai/
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日本剣道形の下段についての私的考察

2020年11月16日 | 剣道・剣術
永年、剣道をやっていて「下段の構え」に疑問を持っていた。
中段(正眼)、左右の上段、脇構え、八相のいずれも、相手に備える構えであることは間違いが無い。
しかし、剣道形の下段は、そこから打ち込むのも守るのも「やりづらいなあ」と思っていた。

「下段は守りの構え」と聞いたこともあったが「んなアホな」とも思っていた。

最近、一刀流の構えのマニュアルを長正館の館員用のために作ったが、
ついでに日本剣道形の下段も撮影して、一刀流の構えの差を見比べて考察することにした。



日本剣道形の下段で、一足一刀の間で相対してみる。(写真は合成)
上の写真の「下段で剣先を触れ合う間」は剣先を上げて中段になると一足一刀の間になる。

ここが日本剣道形で唯一違和感のあるところ。



剣先の先を延長すると、相手の足元に剣先を向けている。
命のやり取りをしている状況で、この構えは非常に危ない。
上から簡単に押さえられ、一刀流大太刀の「巻霞」のように身動き出来なくなってしまう。


(昭和40年発行 笹森順造著「一刀流極意」153頁より)

これはどこかの時点で、下段の構えの解釈に大きな勘違いがあったのでは無いだろうか?

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次に一刀流の下段の構えを紹介する。
一刀流の下段は「切先を剣先よりやや下げる」と教えられる。
これは一足一刀の間で相対した時に、相手の下丹田に切先を向けるとされる。

 ※ただし、下丹田は臍下一寸という説と臍下三寸という説がある。



一刀流の下段で、一足一刀の間で相対してみる。(写真は合成)



剣先は相手の下丹田を向いている。
(下丹田を臍下一寸とするならば剣先はもう少し高く地面に平行に近くなる)

この構えは、剣道においてもよく使われる。
打込もうと前に出ようとした時に、この高さで構えられると、安易に出れなくなる。

打つ前の攻めで「相手の拳を狙え」というのも似ているのかも知れない。
つまり、この一刀流の下段は、攻防一致の構えなのである。

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全日本剣道連盟発行の「日本剣道形解説書」には、
大日本帝国剣道形 増補加註 大正元年十月制定 大正六年九月加註 昭和八年五月加註増補 として、
3頁に「右自然体トナルヲ度トシテ立上リ剣尖ヲ下ケ」の註として、

 (註) 此際剣尖ハ自然ニ相手ノ左膝頭ヨリ一二寸下(下段ノ程度)左斜ニ下ゲ刃ハ稍々左斜下方ニ向ク

とある。後にも先にも下段の構えに関する記述はここのみである。
そして、この記述は、大正六年九月加註には無い。昭和八年五月に書き加えられたのだ。



全日本剣道連盟が公開している、中山博道-高野佐三郎の剣道形は、昭和15年に撮影されたものだが、
両者の三本目の下段の構えを見ると、中山博道は若干低いが、高野佐三郎は明らかに一刀流の下段である。

この両者の構えが正しいとなると、昭和八年五月加註増補 の記述が間違っていることとなる。

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ここからは私見なのだが、

一足一刀の間での「剣先の向きを下丹田に付ける」を正しいとするならば、
「此際剣尖ハ自然ニ相手ノ左膝頭ヨリ一二寸下(下段ノ程度)」の、
(下段ノ程度)が間違っているような気がしてならない。

構えを解いた高さの構えは、攻めるにも不向きだし守るにも不向きである。
剣道で大切な、懸待一致の精神とは相容れないと思うのだがどうだろうか。

 ※実は、構えを解く場合の剣先の高さも、先の、中山博道-高野佐三郎の剣道形、
  そして斉村五郎-持田誠二の剣道形も、一刀流の下段の高さである。(中山博道はもっと高いが・・・)



一刀流の下段の構えのまま、立会の間合(およそ9歩)で相対してみる。(写真は合成)



先ほどの、一刀流の下段の構えで相対し、その剣先を相手に延長させてみる。
すると、剣先の向きは、相手の左膝頭より1~2寸ほど下を向くのである。
まさしく、昭和八年五月加註増補の「左膝頭ヨリ一二寸下(下段ノ程度)」と合致してしまうのである。

どこかで勘違いがあったのでは無いだろうか?
勘違いで、(下段ノ程度)を書き加えてしまったのでは無いだろうか?
もしくは、構えを解く高さが、当時はずっと高かったのでは無いだろうか?
それか、立合いの間と、構えを解く間合い(お互いの切先が重なる間合い)を混同したのかも知れない。

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【2020年11月17日追記】

国際武道大学教授 大矢稔氏の論文をネットで見つけた。
これは日本剣道形が生まれた経緯を詳細に分析している論文である。

「日本剣道形の由来と解釈: 大日本帝国剣道形の草案・原案・成文の比較対照」35-52頁
https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo1968/35/1/35_35/_pdf

論文の49頁には「相下段の構えの刀尖の着け処は(中略)剣先を膝下一寸乃至二寸の処につけるのは定論である」と書いてある。
大正元年(1912年)10月16日の剣道形調査委員会の内容だ。



つまり、9歩の間合いで下段に構えた時、剣先は相手の膝下1~2寸下を向いているのが正解というわけだ。
やはり、どこかの時点で勘違いがあって、間違えた解釈のまま定着してしまったのだろう。

【2020年11月18日追記】

さらに別の資料があった。
大正4年3月10日発行の、高野佐三郎著「剣道」の54頁と55頁の間にある第六図である。



説明は53頁。「剣尖を敵の膝下約二寸の部分に着けて構ふ」とある。
ここでの「構ふ」は、9歩の間合いにおいての「構ふ」では無いだろうか?
この図では剣先の向きが中途半端であり、どちらともつかない曖昧な構えに思える。


(大正4年3月10日発行、高野佐三郎著「剣道」の52頁と53頁の間にある第五図)

52頁の説明には「剣尖を敵の両眼の中間に着け」とある。
ところがこの第五図は、剣先が相手の頭上を向いている。

この説明はどの間合いを説明しているものだろうか?
一足一刀の間であるならば、下段の時の説明もそうなのだろうか?

この第五図も第六図も説明文とは違っていて違和感がある。
文献から真実を考察するのは無理があるのかも知れない。

ただし、はっきりしているのは「膝下2寸は高さでは無く剣先の向き」であるということだ。
あとは「どの間合いにおいての剣先の向きなのか?」ということだけである。
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