HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

カラタチ(枸橘)

2022-03-05 | 木本 冬芽・葉痕

カラタチの茎上の刺は以前は茎(枝)の変形とされていたが
最近では葉が変形したもの(葉針)とされている。

そう書いたのは、去年三月のこの場所で撮った新葉展開の頃のページ。
この場所で冬芽・葉痕を楽しみにしていたカラスザンショウの枝は無残に伐られてしまっていた。
危険だから、そういう理由もあるのだろうか。
奇妙なのは一番棘の多い主幹部分はそのまま残されていることだ。
新しい枝を伸ばそうとしているのだろう。
片方で、鋭い棘だらけのカラタチはそのままになっている。

蝶が卵を産み付ける木を植え、幼虫をその場所で育て
蛹になる前に無粋なネットをかけて同じ場所で羽化させる…手法は、それなりに大事なことだ。
それでもここは植物園の一面を持っているはずでどこかに相入れないものがある。




▲ 棘の間に見える白い部分、そこから新しい芽吹き。▼









(2022.02.04 須磨離宮公園)




▲ 白い部分が葉痕、盛り上がって見えるのが冬芽。▼





(2022.02.15 明石公園)










カラタチ(枸橘) ミカン科カラタチ属 Poncirus trifoliata
(2022.02.28 須磨離宮公園)

 
▲ カラタチの花  カラタチの果実 ▲
【刺の起源の幾つか】
① 茎や枝が変形。茎針(ケイシン)と呼ぶ。サイカチ、ハリエニシダ、ナワシログミなど。
② 茎上の突起物で表皮が変形。バラ、サンショウ類、ハリギリ、などで
サルトリイバラ、ママコノシリヌグイも表皮の変形したものだが、他のものに絡みついたりする鉤になっている。
③ 葉が針及び刺に変化。サボテン類が代表的なもので、メギも葉と托葉が変化したものであり、
ヒイラギも鋸歯の変化してもの、ウコギは葉柄が変化したものと言われている。
④ カラタチの茎上の刺は、以前は茎(枝)の変形とされていたが、最近では葉が変形したもの(葉針)とされている。
植物の葉腋からは普通は枝が伸び出してくるのだが、柑橘類ではこの枝につく最初の葉が変化して刺になっている。
ハリエンジュのトゲは托葉が変化したもの。
⑤ 葉が変形したもの(葉針)には、マツ、カヤなど。クリの毬は総苞片が針状に変化したもの。
またアザミ類の刺も同じように総苞片の変形と言われている。
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冬芽 白い花 秋の実 冬芽・葉痕 2019-2020



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