渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

JR東海 シンデレラエクスプレスCM

2020年11月21日 | open


私が20代だった頃、JR東海の
CMで良い
ミニドラマ物があっ
た。
若い男女の遠距離恋愛で年末
に東京駅で
再会するシーンを
描いたものだった。
出演している女優さんたちは、
全員まだ
売れていない新人だ
った。
 
この爆発的人気のCMの影響で、
12月は
山下達郎の曲、という
空気ができた。
しかし、それは東日本だけの
ことだった
のかも知れない。
なぜならば、大阪以西にその
10年後に転住
してみて驚いた
からだ。
このCMは放送されていない。
JR東海が存在しないのだから、
当たり前
といえばそうなのだ
が、このCMの存在を
知らない
人たちしかいない。話しても
それ?と言われるのがオチ
なのだ。
うわあ、現実はこうなんだな
あ、と感じ
た。
このJR東海のCMは関東東京-
関西大阪間
の地区でしか放
送されていなかったのだ。
 
89年牧瀬里穂の編が私は好き
だ。
まだ10代の牧瀬里穂がとても
可愛い。
実はこれは名古屋駅。柱はセット。

こうした物語は絵空事ではなく、
東京では
ごく普通に現実世界の
中で起きていた。
いや、ほんと
に。
嘘かと思ったら、って今更試せ
ないが、
週末の東京駅のホーム
に立つとすぐわか
る。
ホームのあちこちで涙と笑顔
の若者たちが
ピュアな時間の
中にいることが見られた。
この秀逸なJR東海のCMは、決
して荒唐
無稽な作り物ではなく、
現実に世の中で
起きていた物語
だったのだ。
 
まだ携帯電話も普及せず、イ
ンターネット
も地球上に存在
していない時代。
人はそれでも今よりも濃密に
繋がってい
た。心が。
お手軽さは、人の関係性の希
薄さを生む。
そして、上っ面だけの人付き
合いが人の
世に蔓延する。
人は人の大切な何かを忘れて
しまう。


 

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