映画『用心棒』(1961/黒澤明
監督作品)でのS&Wモデルナン
バー2。
これは多分古式銃実銃が撮影に
使われていたのだろうと思われ
る。
アイボリーグリップが装着され
ている。グリップの小ささがよ
く分かる。
今から半世紀以上昔の時代、映
画の撮影の為に警視庁が実銃拳
銃を貸し出していたという歴史
事実は、今から考えるとかなり
戦後は緩かった事が伺える。
いくら敗戦で武装解除になった
とはいえ、少し前の戦時中戦前
では、日本はアメリカと同じよう
に誰でも町の銃砲店でピストルが
購入できたのだ。日本刀にも登録
制度などはもちろん無い。
日本の銃器取り締まりが厳しく
なったのは1958年に銃刀法が
制定されてからだ。
私が生まれる2年前。
そして1965年に法律名が改正さ
れて(所持等と「等」が加え
られて広範に取り締まれるよ
うに改訂した)、けん銃の密
輸罪が新設された。
日本のけん銃取り締まりがガッ
チガチに厳罰化されたのは東京
オリンピックの後だ。
それでも、芸能人やスポーツ
選手たちの間には武器として
でなく趣味でけん銃を所持し
ている人たちが何人もいて、
60年代には軒並み検挙されて
いた。
まだ、従前感覚で、けん銃に
対しての厳罰意識が薄かった
からだろう。
その後、世界初のモデルガン
を日本人が作り、映像作品で
もプロップガンとして安全な
発火により作品製作に貢献し
た。
一時期はハリウッドでも日本
製モデルガンが大量に使用さ
れたりしていた。