渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

日本刀鍛錬と方位

2022年12月12日 | open


斬鉄剣小林康宏の沸かし炉。
フイゴの右側にはオープン炉が
ある。テコ鉄使用での鍛造では
そのホドを使う。在来工法では。
斬鉄剣工法では玉潰しの段階か
らハシ(巨大やっとこ型の火バシ)
を使い、テコ鉄は使用しない。

斬鉄剣藤安将平刀工。
オープン型のホド。


この火床(ほど)が女性器に似て
いる為、女性器の事がホトとも
呼ばれるようになった。
また、そこに刀身を差し込む
形態が男女の行為に似ている為
に、製鉄や鉄器鍛造は子作りと
出産とに関連づけられた。
神奈川県川崎市のかなまら祭り
は、なにも男根祭りのセックス
神社の祭りなのではない。
馬鹿な外人たちは大はしゃぎし
て巨大造形物に跨ったりしてい
るが。
あれは、製鉄と鉄器鍛造の神を
祀る神事なのである。






日本の製鉄史と向かい合わない無知
蒙昧の大衆は、川崎市の金山神社の
意味さえ考えない。
ただのデカチンわっしょいかと思っ
ている。
また、男根像を卑猥なる物として
嫌悪する向きも日本人としての心
が無いエセ日本人の馬鹿無知だ。
金山神は製鉄、鉄器鍛造の神なの
である。金屋子神と同神ともいわ
れている。
かなまら祭りに出てくる「ひょっ
とこ」は「火男」の訛ったもので
あり、あの口の形は竹筒での送風
意味している。
炭火がはぜるので片目を瞑るが、
これは一つ目の製鉄神天目一箇神
(あめのまひとつのかみ)を模した
姿ともいわれている。



何故、どじょうすくいにもヒョッ
トコ面が登場するのか。
ヒョットコはおどけた道化師では
ないのだ。
どじょう掬いは土砂掬いであり、
比重差を利用した砂鉄の大粒、
つまり鉄鉱石掬いであるのだ。

金山神社の金床(かねしき)の上に
象徴。
冶金の神である事を表現している。
この象徴さえもホトから産まれる。
神聖なる物事なのだ。


私が作ったキャンプ炉。
鉄器鍛造炉と構造は同じ。


別な炉。




日本刀鍛錬の際、刀身の向きを
北に向けるか否かで、内部の組織
の形成具合が変わる秘密をどれ程
の刀鍛冶が知っているのだろうか。
それは、目に見えないところで、
刀身の強靭性にも影響して来る。

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