渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

自動車業界の流れ 〜中国へ集中〜

2021年12月10日 | open


スズキは1993年から中華人民共和国
の大長江集団有限公司と提携し二輪
のOEM生産をしてきたが、2007年
にはさらに中国の系列2社と合弁で
新会社を設立して強力な生産拠点と
販売母体を構築した。

今世紀に入って10年目あたりまで
世界の工業生産物の多くは中国
に集中してシフトする事が行なわ
れた。
米軍のブラックベレー (現在廃止)
日本の自衛隊の服も中国製が採用
されていた。
他にもナイフなどの日用品から工具
類に至るまで、中国の工業力の発達
は、その人件費の安さから全世界の
生産物が中国に集中することで成し
得た。
中国でF1が開催されるなどという
のは1980年代頃までは夢の夢、永遠
に来ないのではなかろうかとさえ思
えていた。
だって、労働者は全員人民服を着て
自転車で通勤していたのだから。
中国国内では自動車などはごく一部
の党幹部しか乗っていない。
ジーンズにTシャツなどは別世界の
物だった。
今の北朝鮮にも似ているが、北朝鮮
というよりも、敗戦直後の日本のよ
うな感じが大陸中国だった。
台湾は西側なので日米と全く風俗は
変わらない。
韓国は軍政で民主主義が存在しなか
ったので、今の韓国とはまるで異なる。

そして、中国は果てしない「後進国」
だった。
だが、21世紀に入り、世界第2位の
経済大国日本を抜く2位に踊り出て、
更なる躍進を続けている。
軍用小銃ひとつ自国では一から作り
出す事も出来なかった国が。

品質は戦後の日本がかつてそうだった
ように安かろう悪かろうの製品だった
のが、今や西欧の技術投入により確か
な品質規格が徹底されるようになって
来た。
中国人のその柔軟性と吸収力には驚愕
する。

で、企業合併の発表会(2007)での
コンパニオンの中国のおねーちゃん
たちは、もう日本のちゃんねーと
何ら変わらない。
怖いですねー、中国の対応力。
それとね、世界一「ダサくない」
軍隊の着装のやり方は、今中国が
リードしている。
ちょい前まではクッソださのダメダメ
だったのだが、一気に変身した。
女性兵士のベレーや軍服の着こなし
はまるでミリタリーショーかという
程に中国兵士は決まっている。
これ、相当西側(主として英国)を研究
して解析したに違いない。
ベレーに関しては米軍が意外とど素人
で、一般兵士などは頭が悪すぎてコツ
がいるベレーを全く被れない。
結果として一般の兵卒のベレーは米軍
では廃止になり、簡単な野球帽になっ
た。
米兵は野球帽がお似合いかも知れない。
北朝鮮などは論外だ。話の外。
サッと何でもこなす中国、恐るべし。
北朝鮮とは大きく異なる。

中国兵士


北朝鮮


中国


だが、日本人の中には日本の侵略
統治時代の中国のイメージを未だ
に根強く持っている無知から来る
おバカな見下しをしている連中も
多い。シナ、シナと呼びたがる族
はその類だ。
それは、大いなる視野狭窄の田舎
もん根性だ。
中国都市部は日本などよりずっと
近代化されているのに世の中を知
らない。
日本は今や中国に抜かれてしまっ
た中国の次席に落ちた先進国だと
いう自覚が無い。

中国重慶


だが、国防の任に就く自衛官など
は、公正妥当な見識を軍事実態か
ら理解しているグローバルな広い
視野を有している人が多いようだ。
中国をかつてのシナと見下す人は
自衛官にはいない。特に将校以上
の高官には。
そんな世迷言のネトウヨのような
低レベルの思考水準だと、国際的
な行動はとれないからだ。

大昔、突撃銃のチャイナ製AKは
品質安定性がイマイチだったが、
火薬の国だからかアモ(弾薬)は
非常に良かった。
だが、今や中国は旧西側もまっつ
ぁおの武器、兵器を自力で生産す
るようになった。
世界各国の国力の一つのバロメー
ターとして、国防組織の制式小銃
自国製のオリジナル物の生産が
できるかどうかというのがある。
ピストルやランチャーは火器の中
でも輸入物でもかまわない。
軍用小銃のみは自国産である事が
国防の要となる。
国力が無い国への武器輸出は、
第二次大戦後にそうした世界情勢
の中で行なわれた。
結果として、世界の図式は東側の
AK小銃と西側はベルギーのFN FAL
小銃で二分化された。
だが、西側でも先進国は自国産の
独自の小銃にこだわった。
それが国力の幹として存在する構造
があるからだ。
その構造は今も変わっていない。
日本の自衛隊にしても、いくら性能
が良いからとAR15系やAKやFNC
を制式に採用する訳にはいかない
のだ。
この軍事的な側面は「国力」を
観的に見る一つのモノサシとなる。
国産自動車(四輪も二輪も)と自国の
軍用小銃。
実は底流で地下水脈のように繋がっ
ているのだ。国力の水準を示す物
として。

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