渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

スティッフというよりソリッド

2022年02月23日 | open
 
半世紀以上前のキューというのは、
撞いてみると非常にソリッドだ。
腰がとても強い。
かといって、ただの硬い棒のよう
ではなく、反発力も充分にあって
玉離れが早く、入れが堅くて
キュー切れも鋭い。手玉は自在
にどこにでも運べる。打球音は
キン
コンと鳴る。接着剤の発達
していなかった時代にどうして
こういう物が作れるのだろう・・・。
メイプルの色は思いっきり赤い。
フォアアームなどは染めてないのに
経年変化でステインのようだし、
シャフトなどは欅のようだ。
ハギの紫、オレンジ、緑のベニアは
褪色している。
 
タイムトラベルをしてみて明確に
解った。
とにかく、シャフトが頗る良い。
重さは137グラムもある。
私が使うシャフトは125グラムの
シャフトが多いが、極細ロング
仕様のシャフトでも112グラムある。
130グラム超えはかなり重いが、
シャフトが太い訳ではない。
木目は重量には関係ない。重い材は
木の組織の密度が密なのだ。
その赤く硬く粘りあるメイプルの
良材のシャフトがとても良い。
分かっていたが、再確認した。
最新の科学的な解析で作られた
最新のハイテクシャフトが最良
ではない事を。最新=最良という
謳い文句は実は虚像である、とい
う事を。
時代の真実は時空を越える。
このストラディバリの棒の秘密は、
「削り」にあるだろう。

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