渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

タボール21

2021年01月28日 | open


もう26年前の古い小銃だが、これはかなり
良さげな気がする。
内部機構は不朽の名作AR-18を参考にして
いる。日本自衛隊89式や英軍L85にも採用
されたアーマライト社の傑作機構だ。
日本製のAR-18が世界最高の加工精度と
品質を持っていたが、日本製AR-18をアイ
ルランド共和国軍の都市ゲリラ戦士が使用
していたとのことで、IRAと殺し合いを
していた英国から日本に圧力がかかり、
武器輸出原則に抵触とされて日本での輸出
用自動小銃の製造は全て打ち切られた。
それ以前のM1カービンにしても、日本の
ミロク製のM1カービンは精度が高いため、
現在、米国では超高値で取引されている。

タボールはイスラエルが何を思ったか、
米国との政治的な取引により、優れた
自国製軍用小銃のガリルを捨てて、米軍
の中古品M16を大量に購入して配備した
その後継軍用銃だ。
イスラエルは米軍で廃棄処分の旧式M16
を1丁500円で購入した。
そして、優秀なガリルを輸出専用に切り
替えた。
古今東西、そんな国はきいた事がない。
明らかに政治的な何らかの取引が背景に
あった筈だ。

このタボールは新NATO弾のSS109弾用
のツイスト銃身を装備している。
旧式M193の5.56ミリは米国の黒い国際
独善により登場した銃弾だったが、苦渋
を飲まされたベルギーによって新弾薬の
SS109が登場したのは1977年の事だ。
やがて、ベルギーSS109弾はNATO弾と
なり、米国独自の5.56ミリ弾を駆逐した。
米軍はやむなく、全軍の膨大な小銃を新型
NATO弾専用銃にオールチェンジせざるを
得なかった。
日本は最初からSS109弾用の小銃を採用
したが、配備して海外で使うと欠点が噴出
した。ボルトが後退しきらずにジャミング
マシンだったのが89式であったのだ。
この実態は、日米共同訓練の動画でも多出
する。濡れ砂が少しでも噛むとやたら回転
不良を起こすので、隊員はチャージングハ
ンドルを何度も引いている。海兵作戦や
砂漠では全く使えない御座敷小銃だった
のだ。アウトすね、それ。AKや米軍M4
の優秀な作動性確保の努力を見習うべき。
世界最悪のダメ銃はL85だったが。
そして、昨年、自衛隊は新式小銃制式化の
予定を発表した。89式を改良した新作だ。
しかし、64式がトップオープンのために
砂や土が降って来る場所では全く使えない
小銃であったように、どうやら日本は大戦
中から軍用小銃に関しては優秀な設計力や
思考回路は有してはいないようだ。指示を
出すほうが合理性を重視しない決めつけ頭
の役人根性だからでしょうね。
良い銃など、その日本人頭では出来る道理
がない。
この先も、銃に関しては、日本人は世界
最高クラスのオリジナル銃器を作るのは
無理だろうと思う。認可でOK出す連中が
頭弱いから。
「ベンチがアホやから野球がでけへん」と
いうやつだ。
現場の隊員は動かない銃を持たされて任務
を完遂せよとか、たまったもんじゃない。

オートバイは世界最高の突き抜けた製品を
作るのに、こと銃に関しては日本はトホホ
過ぎる。警察などは順次海外製品のOEM物
にけん銃配備を切り替えている。国産銃
などでは仕事にならないからだ。
日本警察の手管はあざとい。
海外メーカーに日本専用のモデルを作らせ
ていることだ。これはけん銃でもサブマシ
ンガンでも。
自衛隊も、いっそ制式小銃はM4カービンか
ドイツかスイス製の優秀な小銃に全面的に
交換すれば用兵的にもスッキリするのだ
が、「小銃自国産は国力の示し」とかいう
古い決めつけ俺ツエエエ中2病の勘違いの
ままだから、いつまで経ってもろくな小銃
が出来やしない。
オラオラいってて動かない小銃作ってりゃ
世話ないんだよね。
英軍のL85の大失敗を教訓化すればいいの
だが、上意下達を旨とする体質だから良い
物などは出来っこない。
警察の銃器選択意思決定部門は、もっと
リアルに捉えて柔軟に行動を実行してい
る。

国などどうでもいい。
良い物が良いのだ。
ニューナンブよりもS&Wが優れているし、
日本製9ミリ機関短銃よりもドイツMP5の
ほうが遥かに優れている。
中身で勝負、実力で勝負が銃の世界の本質
なので、日本警察の新銃器採用の視点は
極めて正い。

遠距離射撃に優れる旧NATO.308弾を
使うタボール7。2018年発表。
近年、5.56ミリよりも7.62ミリが見直さ
れている。それでもアサルトライフルだ。
7.62ミリ小銃を「バトルライフル」などと
言う口径分けの米国産業の造語に乗せられ
ている日本人の玩具銃オンリーのネット
素人衆は、さぞ混乱するのではなかろう
か。メーカーが「アサルトライフル」と
明言しているのだから。
口径に関係なく突撃銃は突撃銃であると
いう本質を理解していないと、このことは
意味不明だろう。
戦争のリアルさから遊離するとそうなる。
IWI TAVOR 7 Assault Rifle 7.62X51mm


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