渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

曲がっているナイフ

2023年06月11日 | open


このナイフ、曲がってるん
だよね(笑



棟から見て左曲がり。




日本刀にはよくあるが、ステン
レスのナイフでこれが起きる時
は、削りを表裏で少しずつ同じ
ように削らずに一気に削った時
に起きる。
残留応力の差異により焼入れの
時に捻じ曲がる為だ。
日本刀の場合は多少歪みが出る
のはその後の鍛打による補正で
ビシッと真っ直ぐになるが、
特殊合金のステンレス鋼の場合、
補正は難しい。矯め木も利かな
い。


ここまで曲がると日本刀では
正確な切りが不可能になる。
ナイフの場合、特にこのような
小型のナイフでは刃先=エッヂ
での切開が主となるので使用上
問題はない。プロの料理には使
えないが。刃先で切る道具では
多少曲がっていても大丈夫。
日本刀の場合は振る事で切開や
割断を発生せしめる目的の刃物
の武器なので、刀身が真っ直ぐ
でないとどんなに達人が精密な
刀法を駆使しても正確な「切り」
はできない。


ナイフを作る時、ストックアンド
リムーバルであっても、片側のみ
をザーッと削ったりするのはダメ。
両面を均等に少しずつ少しずつ
削るようにする。
これ、ヤスリ仕立てのナイフの
製作でも同じで、昔はヤスリがけ
職人というヤスリ専門の職業が
あった程に技術と神経を使う。

一気はよくないすね。
何でも。


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