渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

金床

2020年06月23日 | open


プーッコの故郷フィンランドの陸軍軍事
教育センターの旗の紋章は、アンビルの
上に剣を持った獅子があしらわれている。

アンビルとは金床(かなしき)のこと。
鍛冶職には絶対に必要なものだ。


日本の刀鍛冶だけでなく、あらゆる鍛冶
職には金床が絶対に必要だ。

鍛冶仕事に必ず要る物。
・炉
・金床
・鎚
・鍛冶箸
この四点のみは絶対に揃えないと鍛冶は
できない。
数は鎚だけで何個も用意し、箸も数十程
用意する。
中には、炉も沸かし用と焼き入れ用で複数
用意する刀鍛冶もいる。
(小林康宏の場合、工程による使い分けで
炉は三つある。動力ハンマーは3機据えて
いる)

日本刀の刀鍛冶の金床は鏡のように表面
が磨かれている。
そうでないと、日本刀は出来ない。
作業途中で錆が浮いては来るが、素延と
火造の前には金床の上面の面磨りをして
整える。

町の鉄工所のアンビルは結構凸凹になって
いたりするが、刀鍛冶の金床は命なので、
刀鍛冶は金床の表面をツルピカに磨き上
げている。
そして、鍛冶場は、煤で汚れてはいても、
刀鍛冶の仕事場は整理整頓され、綺麗に
片付けられている。


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