この棒、本当に不思議なんだよ。
色んな事できちゃうんだもの。
鉄砲とかって、弾を命中させる
だけでしょう?
中らない事も多いけど。
弓矢は矢で射抜くだけ。
尤も、それが目的なのだからそれ
でいいんだけどさ。
でも、この玉撞き棒は、いろんな
事ができちゃう。
そらもうね、面白いのなんのって。
ある程度自在に扱えるようになる
と、これはハマります。
そこまで行くのに、結構簡単では
ないから、なかなか普及しないの
どろうけど。
正確に撞き出したら、殆どの場合
は手玉と的玉の分離角度はほぼ90
度なので玉を入れるのは容易いの
だけど、それだけだと行き当たり
ばったりなので、的玉を入れなが
ら手玉を次の所に任意に持って行
く。
そのために、白い手玉のいろんな
場所(撞点)を撞いて的玉入れて手
玉を自在に動かすのだけど、それ
が難しい。
プロでも1万回撞いて1万回入れ
られないのは、それは手玉をどう
するかでの読み間違い。
湿度で即、台のコンディションが
変わるし。試合中でも変化する。
ビリヤードは、簡単ではないから
面白いし、奥が深い。
技術力と適正な判断が無いとプレー
にならない。
あと、試合とかでは精神性ね。
人と人の対決なんだから。
泰然とした気構えで臨むのだけど、
気構えという構えさえ無くすよう
にする。構えあって構え無しの
剣術者と全く心境は同じ。
而して相手の動作はきちんと見る。
私はそうしている。
これは、撞球の師にあたる人から
きつく教え込まれた。
目を逸らすのは弱い人間がやる。
弱い人間は自分なりに目を逸らし
たりソワソワしたりすればよい。
それで常態が保てるならば、それ
もまた手だろう。無理して敵の
動向を見据えず、明後日のほうを
向いて現実から目を逸らすのも、
その人なりの手だ。
人はそれぞれ。
私は対戦者が自分より練達だろう
と、自分より稚拙だろうと、相手
の玉撞きを見逃さずに見る。射抜
くように見る。見て見抜き、見切
る。
見抜きと見切り。これ撞球では
とても大切。
一番、技術の発達を阻害するのは、
「的確で適切で適正たる判断が
できない事」に尽きる。
これは、自分に対しても。
間違った判断や操作をしているの
に「俺が正しい」とする人は、
ある程度そこそこ玉撞きができる
ようにはなっても、そこ止まり。
そこからさらに発達する道理が
ないから。自分が常に正しい、
という人は。
これは技術系はどのジャンルで
もそうだろう。
それと、人のアドバイスをよく
咀嚼する事も大切。
しかし、それは大切だが、その
人が言う事が適正、的確かどうか
を識別判断できる知力も無いと
玉撞きは上手くはならない。
結構、大嘘出鱈目並べる人は多い
から。
とにかく、ビリヤード上達は識別
力如何ですね。
考察する撞球知力。
それが一番大切。