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当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 血虚による婦人科疾患と腎臓の治療など。。

2012-05-21 07:41:21 | 婦人科系疾患
本来この当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)はご婦人とくに血虚(けっきょ)体質の方に使います。

前回は瘀血(おけつ)のお話をしました。これは血の巡りが悪くなっている、血がどこかに充満して動きにくくなっているなどを指します。

虚血(きょけつ)は貧血とほぼ同義でありますが、東洋的な説明をしますと、人体に流れる重要な成分で、お互いに影響しあって働いている、「気」「血」「津液(しんえき)」のうちの津液と血の関係の乱れと考えます。

多くの場合は、虚血か瘀血、或は虚血と瘀血の両方の体質の方の3種類に分類できます。この体質をマイルドにカバーして、病気の元を断つのが東洋医学です。

体の中の水である「津液」は五臓の気を受けて、水から血に変ると解釈されています。体質的にこの水がだぶついている方は、この水が血に変りにくいので、貧血があったり立ちくらみがおきやすいといえます。
こういう方は水が多いので熱がりで寒がりの方が多いようです。

また、この漢方方剤は、腎臓疾患の方にも仕えます。
以前にも触れましたが、メキシコ人の患者さんの姪っ子さんで19歳くらいの方が、腎臓疾患を起し、人工透析を行わなければいけなくなりました。
ご本人はメキシコ在住ゆえ、電話問診をいたしました。

「何とかならないか。」とのご相談に対し、彼女の体質はまさに当帰芍薬散の証でありましたので、これを処方いたしましたところ、人工透析を免れることができました。

当帰芍薬散は血を増やし、体を温め、腎臓にもマイルドな癒しを提供します。

冷え性が中心となる治療は、この当帰芍薬散をお湯に溶かしたときに、ショウガの絞り汁と1-2滴入れて服用しますと、いっそうからだが温まります。

そして、お酒の飲める方は、寝る前などに服用するときに、この当帰芍薬散の粉を直接口に含み、お猪口1-2杯のお酒がワインでこれを飲み下すということもよい方法です。とても体が温まります。

これらの方法も伝統的で安全な服用方法です。

漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。

私の記事が載っている月刊誌「はつらつ元気」です。ご参考になさってください。

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