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読めますか?當歸四逆加呉茱萸生姜湯

2007-08-07 16:13:08 | 婦人科系疾患
今回はまた、上質の材料が手に入ったので、9種類の生薬を調剤してこの漢方薬を作りました。
題は「とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう」と読みます。
これは婦人科系の大変重要な薬です。体質とお体のアンバランスの様子がこの薬方と合致した場合に効果のある病名を並べてみます。
手足の冷え、しもやけ、冷房病、冷えによる腰痛、月経痛や生理不順、産後の下痢、月経時の下痢、などです。

少し専門的な言い方をすると、肝の蔵(伝統医学では「臓」よりも広い意味でこの字を使います)とそれとつながっている足の厥陰肝経という経絡のなかの氣と血、特に血が虚(減ってしまって)して体が冷え切っている状態。あるいは全身が冷えてしまうまえに、最後の砦として胸を中心に頭にも熱気が残り、手足は非常に冷えているのに胸が熱かったり、顔がほてっている状態です。肝虚陽虚寒証といいます。

こういった方々がこの漢方薬を服用すると、先ずは足腰が程よく温まって、大変気持ちよくなり、寝つきも良くなります。そして、上述の愁訴が改善されてゆきます。

この「とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう」はこれらのほかに、上記のような背景があるからこそ起こりやすい、女性の性行為の不具合に適応する重要な漢方薬であります。冷えや倦怠感から、その行為自体に興味がなくなっていたり、血液、体液の不足から疼痛があるとかの症状が主になります。

日本の患者さんはこういう話題が苦手で、脈診や腹診を行った結果でそれとなくわかったり、こういった症状があった方から、うまく治った後に「実はこうだったのです、、、」とうつむき加減に教えてもらうことが多いです。

米国に来たばかりのときは、日本よりははるかに大胆というか、私達治療家を信じての、非常に素直な米国女性のご返答に内心戸惑ったものです。

次回は同じくこういった分野の女性の漢方薬についてお話をしたいと思います。一気に書き綴ってしまいましょう。

Japanese Acupuncture & Herb
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