けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
Twitter(X)リンク @kkclinic

乳腺炎の特効薬、牛蒡子(ごぼうし)をアップしました。

2012-11-25 12:46:59 | 漢方アメリカOnline
漢方アメリカOnlineに牛蒡子(ごぼうし)をアップいたしました。
どうぞご覧ください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

乳腺炎の救世主 牛蒡子(ごぼうし)

2012-11-14 23:42:32 | 漢方アメリカOnline
最近、全米各地にお住まいのご婦人方から、「牛蒡子(ごぼうし)はありませんか?」というお問い合わせが相次いでおります。先月だけでも60件以上のお問い合わせがありました。

牛蒡子は「乳腺炎」に大変よく効く漢方薬です。これは名の如く、ゴボウの種です。
先日も私の診療所の患者さんと、HPをご覧になっている多数の方々からお問い合わせがあったので、「こりゃあ至急対応させていただかねば!」と思い、このブログを書きました。


牛蒡子は柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)や消風散(しょうふうさん、こちらは漢方アメリカでも扱っております。)を作る際に入れる漢方薬の一つです。

牛蒡子自体は、辛苦寒肺胃 疏散風熱、解毒透疹、利咽散腫という漢方的な作用を有しています。「辛味と苦味で発散させ落ち着かせ、熱を冷まし、肺と胃に作用する。熱毒を輩出し皮膚のかゆみを抜く、のどを潤し腫れを引かせる。」

これだけを見ると、「乳腺炎と関係ないじゃん!」と思えます。
しかし、前回「なぜ治らないのか、、、病理」の時にお話をしましたように、経絡の流れを見るとその理由がわかります。肺と連なる手の太陰肺経と足の陽明胃経はどれも乳房を通るのです。この流れの熱をとってスムーズに流れるようになるのが牛蒡子の作用です。結果的に乳腺炎に大変よく効きます。

先日こちらでもFDAの許可を通った牛蒡子を入手いたしました。
近日中にこの「牛蒡子」を漢方アメリカOnlineにアップしますので、乞うご期待です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

詠春拳の道場に入門したはなし。。。。

2012-11-13 19:24:50 | 圓功禅拳、古武術
先日、天下一武道大会のお話をいたしましたが、私は今、詠春拳(えいしゅんけん)という武術にはまっています。

この武術には実のところ18歳の頃から興味があったのです。

あれから32年、紆余曲折の浅い武道暦を経て、いきなり新規入門をいたしました。

入門のきっかけは、常連の患者さんだった60歳代の広東系2世のチュン氏とお話をしていたときの事です。

「中国武術を教えている弟がけい先生の処方する漢方薬に興味があるといっていたよ。打ち身や捻挫に効くいい漢方薬はないの?」との質問に「そうですね、、、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがありますが、、、どんな武術ですか?」と話題が発展してゆきました。
すると「詠春拳(えいしゅんけん)だが」、、、とのこと。。。

なんと!詠春拳は18歳の頃、香港で当時の詠春拳の使い手の方に昼ごはんをおごってもらってから、ずっと因縁を感じていた拳法です。
しかし、今までずっとこれといった縁がなかったのです。渡米してきた13年前にも、正式に始めようと思ったことがあるのですが、オークランドにあったその道場(練習生が軟弱なヒモ系のチンピラみたいなのが多く、かなり怪しかった、)の先生がが急に逃げるようにいなくなってしまい、道場が崩壊してしまったりなどのことがあり、ちゃんとした道場に入門する事はありませんでした。

今回は、このチュン氏が善は急げだとばかりに、その場で道場主である弟さんに連絡を取ってくれたので、いきなり入門する事になりました。人は生きていると、いろいろな節目みたいなものがありますが、そのときの「勢い」を大切にしたいと思ったのです。

面白いことに、中華料理店でひと悶着あった時に一役かってくれた例の助手さんも「あたしもやる!若い頃、千葉真一の主催するジャパンアクションクラブに入りたいと思ったことあるからね!」と入門を決意いたしました。

道場主のチュン先生は私たちの入門を快く受け入れてくれました。
先生はその実兄である私の患者さんとも似ていて、温厚で且つ厳しさも漂う紳士でした。

あれから3ヶ月余り、道場での1回3時間近くの練習を週3回、更に毎朝1時間は基本訓練と、これまでの円功禅拳の足腰の鍛錬法をやり、だんだん基礎の基礎が練れてきたような気がします。
道場の諸先輩方とも仲良くなりました。

師匠や先輩方は皆、大会の前後や練習の後の私の鍼灸治療を喜んでくれて、ゴツい先輩も「ドクターK!何でも聞いてくれ!何でも教えるぜ!」と頼もしい限りです。

さて、さて、また面白いことになってきたぞ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)をアップしました。

2012-11-12 22:23:34 | 漢方アメリカOnline
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)をアップいたしました。

本方は、汗かきの、いわゆる水太りタイプの肥満の方に使う漢方方剤です。

1.健康固太りタイプの方の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん。
2.いつも食欲が強く、太っている方の大柴胡湯(だいさいことう)
とともに、ふくよかな方のためのダイエット漢方方剤です。

本方剤は、本来はダイエットのための漢方方剤というだけでなく、膝関節炎、腎炎などの治療にも使われてきました。

人の体は常に陰陽の気が巡っていて、特に陽の気(温かい気)はその体表部を巡り、いつも外に向かって発散をしています。この陽の気の発散が体表からの水分の発散を促しています。

この体の表面の陽の気の発散が悪くなっていると、体内の水分の自然な発散を妨げるため、体表に本来は外に発散してゆかなければならない水分が溜ってしまいます。

この発散できない水分が皮膚にたまると、いつも汗が出やすい体質の、いわゆる水太りタイプの肥満となります。夕方に膝より下が腫れむくむのもこのタイプの方の特徴です。

この発散できない水分は、関節に停滞しやすく、節々の痛み、膝関節炎、結果的に腎炎などを引き起こします。

このようなタイプの体質、病症を治療するのが、防己黄耆湯です。


コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜ治らないのか、、、、病理を観る(全体を見渡すように観る、診る)

2012-11-05 07:34:40 | 東洋医学全般
前回は病症(実際に起きている病気)の虚実とその治療のお話をしました。
これは、西洋医学の医師とほぼ同じ概念の、病名治療を施すわけです。

頭痛だったらどのツボ、腹痛だったらどのツボ、眠れなかったらこのツボ、、、、という具合にツボを選んで治療をします。或は痛いところを探って、その場所に鍼灸をしても、効果が期待できます。
まあ、それで治ってしまうことも多いのですが、だったら下痢だから正露丸、頭痛だからノーシン、眠れないから睡眠薬を飲めばよいということになります。

今回はその病気の背景である病理についてのお話です。病理、、、その病気になった背景、理由です。

東洋医学では、人体の気(ここ病理の項ではざっくりとエネルギーと意識の混合体とでも理解しておきましょう。)と血(けつ)、津液(しんえき、体内の液体のこと)とその陰陽という意味合いの寒熱(冷えや熱)が影響しあって、その割合の変化が虚実を生み出して病気の背景となります。

これらを一行で書くと、「寒熱と気、血、津液の虚実の変化が病気の背景となる。」

たとえばセキが出ているとしましょう。セキは肺やその一部でもある気管支のあたりの、熱や冷え、あるいは乾きやその反対に水分が多すぎるということも考えられます。あるいはこれらの要素が微妙に絡み合っていることも考えられます。

肺がらみだから、肺のツボをつかってセキを治しましょう。。。そしてツボの本を見て、セキのツボを探して治療をするのが素人さんです。免許を取り立てなのに修行もせずにいきなり開業をする米人治療家にありがちです。
彼らは学校の成績がとても優秀で自信に満ちているのですが、患者さんが来なくて、半年ほどで休業するかアムウェイNUSKINなどのディストリビュータになって患者さんを入会させたり、鍼灸はやめて、手かざしレイキ治療などを始める輩です。

しかし、よくその意味を考えて勉強や修行をしてきた治療家は、肺を通る経絡はどれくらいあるだろうと考えて、そこを通る経絡のなかで一番その患者さんのセキの状態と関連するものを選んでその経絡にアプローチをするでしょう。。。。これが少しプロ。。。

経絡はツボの本にをみると体にたくさんの縦線が書いてあって、たとえば「手の太陰肺経」のように、各々に臓器の名前がついているあれです。あの線が経絡と呼ばれます。ほとんどのツボはそのどれかの経絡の上にのっています。
セキだから必ず「手の太陰肺経」だ!と決めつけずに、肺を通る経絡をもじっくりと選んでせめると、より効果的です。

経絡という線は便宜上細い線で描かれています。多くの学生は「細い線だ」と思い込んでいますが、そうではありません。経絡は幅があって、厚さ(深さ)もあって、川の水ように気が流れています。本だけを読んでツボを探さずに、経絡を観て触って活きているツボを探すと、治療に厚みが出てきます。

この経絡の上にあるツボの性質をつかんで、上記の「寒熱と気、血、津液の虚実の変化」を調節すると、病気が治ってゆくのです。病理的なアンバランスがなくなるので病気でいられなくなってくるということです。

整理しますと:
セキだったら肺からきているようです。
そこで、肺や気管支を通る経絡を探しだします。
その中で一番患者さんのせきの症状に関係している経絡を使って調整します。

肺に熱があったら、熱は陽的ですので、これを発散させる方向で経絡を調整します。

でも、この熱が、体が虚している。。「たとえば足腰は冷えていて、胸に熱がある、体の液体が減っている。」のであれば、まずその虚を補って足腰を温めてから、次に熱の発散をするように調整します。

しかし、この熱が急性の熱病などで、パンパンに熱気が充満している場合は、迷わず先に熱を抜くような治療となります。夕立でぬれねずみになった直後にいきなり高熱を出しているような場合です。

要は経絡をうまく使うこと、経絡を意識してツボや漢方方剤を選ぶことです。
漢方方剤の方剤とは、たとえばウコンとか紫根(しこん)など単品の漢方薬ではなく、いくつかの漢方薬がうまくブレンドされたものをさします。

特に女性に多いのですが、朝起きたときに顔がむくんでいる方がいらっしゃいますね。
まぶたが「土偶」とか「妖怪油すまし」のようになっている状態です。


このような時は、足の甲にある、「足の陽明胃経」という経絡の第42番目のツボである「衝陽(しょうよう)」に刺激を加えると、この顔のむくみが可及的速やかに引いてゆきます。

「足の陽明胃経」の主な体表の流れは、顔の周りと鼻、そして下まぶたのあたりから、下に向って、あご、首、バストトップを下り、太ももと下腿の前外側をさらに下って、足の甲を通り、足の人差指まで下りてきています。

「衝陽(しょうよう)」に刺激を加えると、足の陽明胃経の本来の上から下に下げてゆく機能と、陽に属する経絡の発散作用が活発になって、結果的にお顔のむくみが取れてゆくのです。

心当りのある女性の皆様!朝方、お隣でぐっすり寝ている方のお目覚めの前に試してみましょう!

以上が東洋医学における病理の虚実を治療する考えの基礎です。
実はお話はここでは終わりません。
次回は、ではどうしてこの病理の虚実が起るのか、それをどうすればよいのかというお話です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする