けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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にきび、吹き出物とストレスは本当に関係があるのですか?

2007-01-23 16:59:54 | Q&Aコーナー
大人にきび にきび跡 吹き出物 情報館 ~にきび情報.com~ 
によれば
”にきびが出来てしまう直接的な原因は、皮脂の過剰な分泌と毛穴のつまりである事はハッキリしています。
ストレスとにきびの関係は医学的には証明されておらず、にきびを発症してしまう直接的な原因ではありませんが、遠因ではあるようです。”


と述べられています。
この直接的な原因はまったくそのとおりで、その患部そのものが治療の中心となります。
それこそいくらでもよい薬が出ているし、美容のプロの方々のご指導を受けることが最善だと思います。

東洋医学的にこれを観た場合、同じような状況の方でも思い切りにきびや吹き出物が出てしまう方と、そうでもない方がいらっしゃる。
また、同じ方でも生理前や、食べすぎや、 仕事が忙しいとき、寝不足などのときで状態が変わるということもあるわけです。

ずいぶん前ですが、突然ある女性に電話で「今日は疲れがたまったのか、吹き出物がいっぱい出てしまって、人に会える状態じゃないから、ごめんね」と会ってもらえなかったことがあって、完璧な断り文句に感心(寒心)したことがあります。また、東洋医学的にはうそではないと変に納得いたしました。

東洋的に考えるためにあえて、ホルモンとか自律神経などの西洋的な単語を使わずに簡単な言い方に置き換えて述べてみますと、人体は虚の状態と実の状態、エネルギーとか気力と言ったものが足りない状態と必要以上にありすぎる状態があります。

たとえば意地悪な上司の下で、怒りを我慢して残業をしていた女性がいらっしゃったとします、ここで疲れて虚した状態と、怒りからくる熱が発生します。そこで多くの場合、オフィスの温度は低めで冷え性だったりします。こういう状態は冷えて虚している体が、本来下半身に存在していなければならない熱気をつなぎとめておけず、上にのぼらせます。
これは虚した状態から来る熱なので、虚熱といいます。

ここでまた上司の方がセクハラ陰険タイプだったりした場合、この女性が思い切って
「勘違いするな!あんた最低だよ!リステリンを使ってから出直してきな!あたしの雑巾茶を何倍飲まされてんのか知ってんのか!!」と怒鳴りつけてサンダルで往復びんたをカマセたらどんなにすっきりするでしょう?多分ストレスも熱もすっ飛んでしまいます。
しかし多くの大人の方はこうやりたくてもできないので、虚熱がどんどんたまってゆきます。

または働き盛りのお父さんは、連日のお得意さんとの宴会で、例えば料亭でひそかに談合をしたり、あるいは手塩にかけた部下をリストラしなければならなくなったりして、どうしても暴飲暴食を繰り返すことがあるでしょう。
こういった方は体力のあるうちは暴飲暴食がもとで胃に熱を持ってしまい、疲労がその熱を上へと逃がしてしまっているかもしれません。

どちらの熱も、体の弱りから本来はおなかや足腰にあって、そこをしっかりと暖めておくべきものが、体が虚したために、上にあがっていたずらをします。この余分な熱が口に出れば口内炎、耳に出れば耳鳴りなど、頭にこもれば頭痛やめまいや不眠症など、顔に出れば吹き出物の根本的な原因となると考えます。
もしこの熱が胸にこもれば、ゼンソク、動悸息切れとなることも考えられます。

上にあがった熱は体力があれば(虚していなければ)むやみにあがってゆくことはない、もしくは熱は陽的な要素のあるものだから、自然に上にあがっても皮膚から汗や熱気となって発散されてゆきます。健康なからだなら、この熱が適度に発散された所で動きを落ち着かせて、発散されすぎないように調節ができるわけです。

例えばアトピー性皮膚炎などでもアレルギーということばだけではなく、発散できない熱が皮下にこもった状態、
また、このこもった熱をエイヤッと外に押し出せない体の弱さを意識することです。
東洋医学ではこの虚している体力気力を補うことによって、或いはその気の流れをスムーズにすることによって、イライラや落ち込みにくい朗らかな気分になってもらうなどして、病の存在理由に対してのアプローチを主に考えております。

もちろんこの根本治療だけで、皮膚疾患がスパッと治ってしまうこともあるのですが、雑菌のほうが皮膚の再生能力を上回るほど強力だったり、数が多かったりして効果が出にくいこともあります。もちろん漢方薬にもそういった病名治療をするものもあるのですが、専門家に相談して西洋的な薬で消毒したほうが手っ取り早いことも多々あります。

家にねずみが出始めたときに、そのねずみを捕るか、部屋をきれいに片付けてねずみが住みにくいようにするか、その両方を行うかということになります。
よい治療家にめぐり合えて、皆様によい結果が出ることを期待しております。

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丙午(ひのえうま)の女性

2007-01-19 15:44:32 | 易経、東洋哲学
今日は丙午の次の年にお生まれになった患者さんとお話をしました。彼女の前の年の丙午(ひのえうま)の「年」の人口は非常に少なく、その分彼女の年の人口は異常に膨れ上がっていたそうです。そのため彼女の年は高校受験の年齢から競争率が以上に高くて、大変苦労をしたそうです。

それもこれも「丙午の年に生まれた女性は男を食い殺す」という迷信がいまだにあるので、60年に一度やってくるこの年に出産を控えるご家庭が多かったのです。確かに私がまだ青年だった頃、4-5歳年下の方々がちょうど丙午に当たっていて、お見合いや結納の時に本気で心配をしている方々がいました。この年365日中に生まれた女性が皆いやな思いや、迷惑をこうむってきたのです。大変な数の女性がいたでしょう。

これには大きな間違いがあります。実はこれは丙午の「日」に生まれた女性をさしているのであって、「年」ではありません。
そうすると丙午の日というのは60日に一度やってくるのであって、一年365日のうち、60で割って、たったの6日間です。

これは昔の人が四柱推命などの考え方で、統計をとった場合、たまたま「丙午の日」に生まれた方は切れ者が多く外で仕事をバリバリこなすタイプゆえ、その方々の約半分を占める女性は、当然当時の社会環境でいうところの「よい嫁」とはなりえずに離縁されたりしたわけです。

じゃあこの丙午の日に生まれた方は現代ではどうすればよいでしょうか?
「気にしなければ一番よい」のです。しかしそれでも心配な方は、私なんかより四柱推命のプロをお尋ねください。でも霊感商法にはご注意です。
しかし「外でバリバリ働く女性」は「家でしっかり働く男性」と一緒になればいいのであって、現代は楽なものです。

もうひとつ、丙午の「年」が一人歩きしたのは、多分「阿部定事件」の定さんがこの年生まれだったということらしく、「男を殺す」ということになってしまったのではないかと思います。またハレー彗星がやってくる周期とも似ていて、なにか不吉な感じがしたのでしょう。
いずれにせよ出生率自体が変わるほどの迷信、丙午恐るべしです。皆様はこんなことは気にしないで生きてゆきましょう。

なぜ私がこんなことを書いたかと申しますと、東洋医学に携わるものとして、暦を読んでいて感じたことを述べてみたのです。
この暦、いわゆる旧暦は宇宙と地球の関係でおきるさまざまな季節、気候の変化とその間で自然の恵みを受けて生きるヒトとの関連とその哲学を認識するために活用されます。農業や漁業などにも不可欠のものです。

しかし、こういった古典的なものはともすれば曲解、誤解された認識が民間に伝わっているので、その例を述べました。



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婦人科系下腹部の痛みなど

2007-01-06 07:27:48 | 婦人科系疾患
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)というのあるのですが。これは虫垂炎(盲腸のこと)を散らす薬としても使えます。
虫垂炎は始め鳩尾(みずおち)から痛くなる場合が多いです。これがただの腹痛かどうかを調べるにはまずおへその上の辺りをゆっくりと押し込んで、しばらくとめてから、急に手を離します。そうするとおなかがぷるんと振動するわけですが、このときに痛みがズキッと走ったらたぶん虫垂炎になっています。これをブルンベルグ徴候といいます。そしていたみがだんだんとしたに下りてきておなかの右下にくると典型的な虫垂炎です。
もちろん虫垂炎は当然医者にいって治療するもので、生兵法は危険です。
しかし、虫垂炎かどうかわからないけど、プルンベルグ徴候みたいなのがある。すぐには医者に行きたくないというときは、この大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう、あるいは大黄牡丹湯(だいおうぼたんとう)を飲んでみるのもいいでしょう。これを2時間おきくらいに2-4回飲むとたいてい下痢になるのですが、おなかの悪い熱が散って、腹痛が取れます。

本日申し上げたいのは、この方剤のもうひとつの使い方であります。
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)は比較的体力があるあまり冷え性でない女性で、卵巣などの子宮付属器の炎症があったり、性交痛があったりする場合にも使えます。 生理痛があって、その血液の中にきょろきょろとした黒いゼリーのようなものが多かったり、おりものが黄色かったりするのを目標にします。

また、逆に体力があまりなくて、冷え性の女性で、生理痛がひどくて、生理中に下痢がちで腰痛があったり、性交痛や局部が潤いにくいなどで、パートナーの方を受け入れにくい状態の方の代表的な方剤として、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)があります。これは几帳面タイプでもあまりイライラしていない女性の冷え性、生理痛、不妊症などを目標によくお出ししています。
半年くらい服用して、これまで氷のように冷たかった手のひらがポカポカ温かくなった方もいらっしゃいます。
もちろん、みながみなこの方剤でよいわけではありません。あるときは匙加減を変えて、あるいは方剤自体を別のものにするなどして、ひとりひとりの体質に合った調剤をするのです。

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お茶うがいをしましょう

2007-01-02 03:05:06 | カゼ対策と予防
謹賀新年

皆様お元気でお過ごしでしょうか
本日は「お茶うがい」の話しをします。
以前「鼻うがい」のお話をしましたが、全然そんなことはないとはいうものの「あれは怖い」「ツゥーーーンと痛そうだ」とのご指摘が多く、そのたびに私は「とにかく塩を入れたら痛くありません。やった後の爽快感がすごいんです」とご説明してまいりました。

「お茶うがい」はぜんぜん怖いことがありませんので、是非続けましょう。
本来これは「番茶を濃く出して、お塩を一つまみ」というのが原則でした。しかし濃くでやすいリプトンのティーバックで充分です。或いは濃く出るお茶なら何でもよろしいです。たぶん皆様のキッチンにはもらい物であまり飲んでいないのがあまっているかもしれません。
リプトンで濃いお茶を作って、塩は一つまみ。この人つまみは1パーセントくらいです。入れすぎるとのどが痛いので、少なめにしましょう。できれば自然塩が尚よろしいです。がらがらうがいです。

これは「のどを洗う」ということに眼目を置いてます。
二つの効用があります。

1.うがいで扁桃腺が洗われる事により、免疫が高まる
東洋医学的には人体の腺というものは腎とその経絡である足の少陰腎経が取り仕切っています。
唯一体表にある扁桃腺を刺激することにより、人体の腺全てに刺激が伝わることになります。
よって、そのうちによい刺激が腎上腺に伝わり免疫が上がると考えられます。
西洋的に考えてみると、この腎上腺とは副腎のことであり、人体の自然なステロイドホルモンなどの分泌に関与している
わけで、当然アレルギーや、慢性の痛みに効果が期待できます。
この話をすると「私は扁桃腺を切っていますので!」とおっしゃる方がいらっしゃいます。実は扁桃腺はノドに4箇所あるのでその全部を切っている方はまずいないので、問題ありません。特にノドの皮膚をお茶で刺激して洗うだけでもかなりの効果があるのです。

2.痛みの原因となる物質を呑み込む量が減る
扁桃腺では白血球が、外気とともに進入してきたバクテリアなどと常に戦って死んでいます。
この死骸、いわゆるいらないタンパク質を常に呑み込んでいます。この物質は消化器系をとおり、いつかリンパ系に入り、
人体のリンパ節の網に引っかかります。これがいつもいつも続くと、その部分に一種のアレルギー反応が起きてしまいます。
リンパの網は特に人体の大きな関節部分に多く存在します。のでそこに慢性の痛みが起こりやすくなります。
要は慢性の腰痛や膝痛の原因になってしまうのです。

お茶で扁桃腺を刺激して免疫を高め、同時に痛み物質を呑み込む量を減らすことができるわけです。
この方法は薬ではないので当然即効はありません、お茶うがいの習慣をつけて、毎日毎日行いましょう。
変形性膝関節症の慢性的痛みが、半年でとれてしまった例もあります。変形してしまった関節でも痛み物質がとれて、流れがよくなって炎症がおきにくくなると、痛みが取れます。
もちろん風邪予防にも最適です。風邪予防はこのうがいとこまめな手洗いが基本です。
一日最低3回、何度行ってもかまいません。ペットボトルに入れて持ち歩いてもよいでしょう。
うがいしたお茶は必ず吐き出すこと。気持いいのでつづけましょう!!

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