けい先生のつぼにくる話

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冬至です!一陽来復であります。悪いことは底を打ちました。

2021-12-21 23:09:25 | 易経、東洋哲学


今年の冬至は12月22日。
易で言うと、地雷復という卦の日であります。
季節と世の中の運気の流れとしては、陰的な状況の極みになって、やっと小さな陽的なものがちょっこりと現れた事象と考えます。これから、上に向って明るさや陽的なことが増してきて、黎明から燦燦と輝く未来へ向かうということです。
信じる信じないではなく、そうなるんだという確たる信念で、翌年を迎えるということではないでしょうか。

日本の鍼灸学校も、漢方医学も易経が必修でした。
占いとしてではなく、東洋哲学を学び、客観的に、そして自然に対する愛情をもって事象を観て、受け入れて、最良の道を選ぶトレーニングの一つです。
人体のツボや、経絡の名前や位置などは、その背景に易経哲学が生きています。古代の人たちは、宇宙と大自然の成り立ちから、人体を解析していたのでしょう。

数分で地雷復を説明をしている動画をみつけました。


昨日、たまたまキンドルでこの書籍をみつけました。尊敬する漢学者、根本通明博士のご本です。この第4巻はKindle Unlimitedで会員であれば無料で購読できます。



根本通明博士の伝記です。絶版になって久しく、どこの古本屋さんでも見つからなかったのを、版元の秋田魁新報社に直接掛け合って、無理を言って譲ってもらった秘蔵本です。


根本博士の高弟の公田連太郎先生のご著書、易経講話(昭和37年版)です。この5巻目の内容と上記の周易講義第4巻の内容が呼応していて、非常に興味深いでので、今日から読み込んでみようと考えました。
赤い本は、台湾の三民書局版の易経讀本です。易経の原本に忠実な繁体字表記で、且つ注音字母によるルビがふられている、お気に入りの本です。

一陽来復!みんなで幸せになりましょう!


新型コロナウィルスでは死にません。
コロナは弱毒、バイオテロではなく、メディアテロです。
感染してもカゼとして自宅で治せます。
コロナは安全!ワクチンは危険!
どっしりと構えておりましょう。
大丈夫、だいじょうぶ。。


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一陽来復 物極必反 冬至です。

2020-12-21 22:32:07 | 易経、東洋哲学

アメリカ時間の本日は冬至です。この卦は「復」です。地雷復(ちらいふく)とよみます。一陽来復の卦です。
易学は下から上に移り変ってゆきます。

一陽来復。。いい言葉ですね。季節や事象が極まって、新しい陽的な命が生まれ、上に向って育まれる。
めでたい卦です。
これまで幅をきかせていた陰的なもの、悪いもの、邪悪なものが一掃されてゆく卦です。
病気もこれからよくなったり。株でしたら底を打って上がり始める。などといろいろな想像が生まれます。


左が陰、右が陽のシンボルです。ある先生は、左の陰はドーナツのように、右の陽は球体をイメージすることによって、より立体的に卦を読めるものだとおっしゃっていました。


これは、「地」です。坤為地(こんいち)と読みます。物事の事象が陰に極まっている状態です。
東洋哲学では、物極必反といって、物事が極まれば、ポッコリとその反対の要素が生まれてくるという考えです。これがいつまでも循環し続けるのを天地陰陽の理といたします。
陰が極まって陽の要素が生まれて成長し、その陽も極まれば陰の要素が生まれて育ち始めるのです。
この場合、陽が正しくて、陰が悪いとかとは考えず、かっちり分けることのできない異なった性質のものがお互いに影響し合いながら、バランスと調和を奏でると理解いたします。


陰が極まって、そこにぴょ~んと陽が飛び込んできます。あるいは一番下の陰が上からの重圧が極まって、くるんと陽に変化したと考えます。


そして、一陽来復、暖かい陽の気がだんだんと上に向って伸びてゆき、冬から春へ、そして夏の夏至へと向い始めます。陰と陽のバランスの循環の繰り返しです。

日本の多くの東洋医学校では易経哲学が必修科目の一つです。
国家試験の為に、西洋の解剖、生理、病理も必修で、鍼灸医学や漢方医学も学ぶのですが、易経哲学の考え方もはずせません。

易経は占いとして学ぶのも面白いのですが、哲学として学ぶと、いっそう深く人生の面白さとか、深遠な天地の理を感じることのできる学問です。

当たるか当たらないかではなく、よりよい人生を立命(クリエイト)するための入門書としては、この本がお勧めです。



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マスクが体を壊します。
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6月20日は夏至です。陰遁(いんとん)に入ります。

2020-06-20 23:32:06 | 易経、東洋哲学

東洋医学講座第一巻

夏至や冬至の日に、いつもこんなお話をいたします。
これは、はるか昔に東洋医学校で使っていた教科書の一つです。
日本の鍼灸学校では、東洋医学とともに、解剖学、生理学、病理学のカリキュラムもとても厳しいものでした。
同時に、易経を含む東洋哲学と、暦の知識も学ぶことができました。
私の師匠たちからもこういった教養は必須であると薫陶を受けたものです。


陰遁と陽遁 (陰の方向性の巡りと陽の方向性の巡り)

今年は、本日6月20日が陽遁の極みである夏至です。
「陰遁の極みの冬至から真冬の時期に培われた種の中のエネルギー(気)が陽遁に転じて発動し、徐々に発芽、成長、繁茂して、夏至になって、徐々に結実に向い、収斂され、実ができて、その種が地に落ちて、次の陽遁に転じる冬至を待つ。」の繰り返しです。


季節の節目には14日間の土用という時期があり、この時期は体調を崩しやすいなどど教わります。ここで「あ。。土用って夏の土用の丑の日だけじゃないんだ。。」などと気づかされたものです。


天地の季節の移り変わりと生体に対する影響を植物であらわしています。
こうして、目の前の人体だけでなく、天地陰陽の理を暦と易経の哲学を交えて理解する眼の養い方を教えていただきました。

これは冬至に関する過去記事です。
https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/s/%E5%86%AC%E8%87%B3

東洋哲学は、自然を愛して融和するように心がけることによって、すべてのものも人も、じわじわと軌道を回りながら上に上がってゆく、だれもが良くなってゆく、幸せになってゆくという方向性です。スパイラルアップともいえましょう。
非常にポジティブな考え方を養う学問です。

正確なセリフは失念しましたが、映画「花よりもなほ」を観た時に、映画の終盤で仇討ちを手伝って一儲けをした長屋の連中が、今年の桜が散ってしまって感傷的なっている場面がありました。その時、キム兄演ずるすこ~し頭の弱い感じの役の孫三郎が
「みんなそういうけどさあ、サクラって来年また綺麗に咲くために散るんでね~の?」といって、長屋のみんなをハッとさせる場面を思い出しました。



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冬至ですね。(12月21日土曜日)

2019-12-20 21:00:22 | 易経、東洋哲学

大昔、日本で学んでおりましたころ、学校の先生も師匠も「東洋医学の古典書籍に親しむこと」「芸術、武術なんでもよいので、何か東洋的なことを身に着けること」「西洋医学の知識もしっかりと学んで、どの方面からもきちんと説明できること」と叱咤激励されておりました。

特に東洋哲学の根幹となる「易経」は必須科目の一つでした。
はじめは、易経?あれって、占いじゃん。。と軽く考えておりました。
しかし、少し詳しく学んでみますと、こんな面白い学問はないと、心酔してしまったものです。

いろいろな書籍を読み漁っていると、易経を占いではなく(あ、もちろん占いに使えることも事実ですが。)人生哲学として学ぶと、いわゆる人生をクリエイトするという意味で、非常に深い学問であることがわかりました。単純だけど難しい、難しいけれど面白いのです。

このままだと朝まで語ることになってしまいますので、題記のお話に戻りましょう。
冬至の日は、一日のうちの暗い時間(夜の時間)が’一番長い日です。日中を陽、夜を陰とした場合、陰の時間が一番長い日ということです。

「冬至=陰ここに極まれり。」ということです。64種類ある易経の卦のなかで、24番目の地来復の「復」という卦がそれです。
画像をうまく表示できないので、拾ってきた画像のURLがこれです。
https://www.google.com/search?q=%E5%9C%B0%E6%9D%A5%E5%BE%A9%E3%80%80%E7%94%BB%E5%83%8F&client=firefox-b-1-d&sxsrf=ACYBGNRdr-Y0yM6foX1jya0L6YEJFZ8EPQ:1576904589264&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=2ahUKEwiy2Yyv-8XmAhWNr54KHQ4cDDIQ_AUoAXoECAwQAw&biw=1536&bih=701

これは--を陰ーを陽の記号であらわしていて、本来陰である--が6個重なっていた坤為地という「陰ここに極まれり」という状態に、とつぜんーの陽のシンボルが一番下にポンと飛び込んできて、ほんの少しではあるけれども、暗黒にほのかな明かりが灯ったという事象が地来復の「復」です。

天気でいえば、天空の冷気が地上に降りてくるまでには、まだ一月ほどかかり、気温はもっと下がる傾向がありますが、地球と宇宙との間の陰陽の関係はこの冬至をもって暗くて寒い時期が終り、暖かい陽気の兆しが、まだ見えないところで生まれているということです。

だから、この時期から構えて明るい未来を信じて、カボチャなどを食して体力氣力を蓄えて、半年後の夏至までに十分な含蓄といいますか知識やもろもろの下地を構築してゆきましょうというのが冬至であります。

「みんながんばって限界突破をして、しあわせになってくれ!人生は楽しいんだ!」という決意表明の日です。

「独陰生ぜず、独陽長ぜず。(陰だけでは生れてこれず、陽だけでは育たない。)」といって、本来、陰も陽も同じくらい大切で、どちらが良いとか悪いとかはありません。陰だから悪いということはないのですが、この「復」の卦では、多くの場合「暗黒にほのかな光が灯った」と解釈する場合が多いです。

でも、占いの場合は、「例えば男ばかりの職場に突然か弱い女性が入ってきてちやほやされている」、「体育会系(陽)の社員が多いところに学歴が高く頭脳は明晰だが体力はそれほどでもない(陰)のあなたは浮いてしまっている。ゆえに直上の陽に当たる上司と、それより2つ上の陽に当たる部長代理とは仲良くしておきなさい。」などと卦を読んだり致します。

ちなみに、易経を学問として学ぶ人たちは、卦を(か)と発音いたします。(け)と発音いたしますと、「あ、素人さんだ。。。」とばれてしまいます。実は八卦は「はっか」と発音するのです。でも安易に「はっか」というと「はっけだろ!ば~か」と言われそうなので、東洋医学の仲間内だけで「はっか、はっか、はっかだよぉ!」と自己満足していたりします。

なぜ(け)と発音するようになったのかは諸説があります。
お相撲の時に行司さんが、月と日のマークが描いてある軍配みたいなのをもって「はっけよーい。。のこった!のこった!」と言っていて、この一連の掛け声と軍配の様子から、「八卦よーい。。のこったのこった!」で、これが派生して八卦を(はっけ)となった説があります。実はこの(はっけ)は「發氣よーい!」と言っているらしいです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました


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テンセグリティをつくったぞ!

2019-03-20 18:23:07 | 易経、東洋哲学


テンセグリティーで検索をかけますと、建築関連、特につり橋のメカニズムに言及されているものが多く出てきます。しかし、これは実際に立ったり座ったりしている人体の構造を説明するときに便利なおもちゃです。
東洋医学校で教えているときによく使っていました。

ご遺体を使って作り上げられた西洋の解剖医学では、人体の全体を観た感覚と、生きている人間の骨の位置づけと、それを筋の張力で成り立っている様子を説明するのは難しいのです。
テンセグリティはこの張力を保っている輪ゴムの一部でも切れてしまうとバラバラになってしまいます。
全体概念とか整体概念(整体法ではなく、全体のことを整体という字を使って表すことがある)を学ぶ時の一助となります。


これはこの前の武術セミナーの時に使いました。
テンセグリティは15個、水を半分入れた風船は20個ほど作りました。指が引きつりましたね。。
水を入れた風船の中の水がバチャバチャしないように体勢を保ちながら相手を押したり引いたりすると、相手はこれまでに受けたことのない力を感じるという稽古に使うのですが、風船の使い方の詳細は後日にいたします。

https://www.youtube.com/watch?v=YaPNBdaMrHc&list=LLfQtgRQK3PFbpmqjtVg5Fzw&index=7&t=0s
この解説では、ストローに1ミリ幅の切り込みを入れてそれを折り込むとありますが、私は、熱したカッターの背を使って、ストローを溶かして切り込みを入れました。そうするとストローの一部を折り込んで溝をつける作業が減るので、もっと簡単にできました。
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なんかすごい本が出てきたぞ 96年も前の本だ!

2019-01-16 19:50:37 | 易経、東洋哲学

こんな本が出てきました。奥秘観相霊妙の巻(全)。

15年ほど前ですが、ある日系の方が、「うちの書庫にあったんだが、ずいぶん昔にもらったものなんだ。わしも読まないと思うから先生にあげるよ。」といっていただいたご本です。
忙しさにかまけてそのまましまい込んでいた本が、たまたま出てきました。


東京帝国人相学院発行とあります。。


大正12年発行の初版本です。96年前の和綴じの書籍です。定価金二十五銭と書いてあります。
著者は目黒玄龍子。
ググってみると大正から昭和初期にかけて活動された観相学史上の巨星とのことです。
http://souryuanzuisou.blog.fc2.com/blog-entry-135.html

なんか、すごく価値のある書籍なのかもしれませんね。

日本の東洋医学校は鍼灸学校も漢方医学の講習でも、きちんと西洋的な解剖学、生理学、病理学を毎日の授業で学ぶのですが、おなじく東洋的な考えを身に着けるために、運命学、易学、観相学を学び、東洋的な身体操作を学ぶために、武術や舞踊を経験することが奨励されております。特に易学は易経哲学として、正規の科目となっている学校が多いのです。
易学は陰陽の考えを最初に述べた最古の書籍であり、観相学はのちに東洋医学の診断学へと発展した学問であります。


東洋医学的には、目、舌、口、鼻、耳がそれぞれ、東洋的な意味合いでの肝、心、脾、肺、腎の五臓と関連があるとして、お顔を拝見いたします。


これは眼ですね。東洋医学的な意味合いでの「肝」と関連があります。ざっくりと言いますと足の親指からずっと上まで行って、眼に開いて、その一部は頭頂部に至る経絡を含めた概念です。
そこまでの組織や内臓である、肝、胆、そして怒る、完璧主義的な考えなどの情動も含まれます。


これは耳。東洋医学的な意味合いでの「腎」と関連があります。こちらは足の小指の下から始まって、脚の裏をとおって、ずっと上の喉まで行って、一部は耳に開いている経絡を含みます。そして、腎、膀胱などの臓器にも連なり、恐れる、細かく気にするなどの情動も含まれます。

これまでの東洋医学の書籍の内容と比べながら、この書籍を読み込んでみようかと思います。
いろいろ新しい発見がありまそうです。
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本日22日は冬至です。 一陽来復 だんだん明るくなるぞ!

2017-12-22 00:11:00 | 易経、東洋哲学


また冬至がやってまいりました。
日本の東洋医学校では、疾病をきちんと知るための解剖、生理、病理の授業のほかに、鍼灸漢方医学の科目もまんべんなく学ばせてもらいました。

そして、東洋哲学として、「易経」を学ぶ機会を与えてもらいました。
易経は一般的に占いのための学問とされていますが、神羅万象、天地陰陽の理を学ぶことにより、小宇宙として人体をとらえて、東洋医学的な発想と哲学を身に着けることによっていっそう奥行きの深い臨床ができるようにとの配慮でした。

易学的に観て、冬至は一陽来復、陰極まって陽に転ずる最初の卦であります。
実際には、陰陽のバランスが大事でどちらも大切なものということで、陰が悪くて陽がよろしいということではないのです。しかし、これまでの寒い冬の時期がようやく終って、陽の始まりというのは、まだまだ寒さは残るものの、ある意味では希望の灯がともるという、うれしい状態と解釈することもできます。

また、冬至は天と地の距離が一番近くなって、翌年いっぱいの運勢(年筮ねんぜい)の易占が一番当たりやすい日とされています。
私が学んだ日本の学校では、普段はギンギンの科学者である解剖学の先生が、いきなり「今日は冬至だ!解剖の授業はお休みして、みんなの年筮をたててやるぞ!」といきなり筮竹を取り出して、占いが始まって、クラス全体が大いに盛り上がったものです。

そういえば、以前お話をした、命相卜仙医の話題は、最初の「命学」で止まっておりました。
http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/65125911d99ff6cac5966ff1069d306c
そろそろ次を書かなければと思いつつ、時間が過ぎてしまいました。近日中にということでご容赦ねがいます。
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東洋医学的な生活観  命、相、卜、仙、医の「命」について

2017-06-15 06:35:56 | 易経、東洋哲学

この話題は、本気で取り組みますと、かなり長い文章になってしまいますので、少しづつお話をしたいと思います。7-8年前もこの話題について書いたことがあるのですが、過去のブログが出てこなくなっているようなので、もう一度現在の視点で書いてみたいと思います。

古の東洋医学の先達たちは四つの学問である、命学、相学、卜学(ぼくがく、易経のこと)、仙学を修めて初めて医学の門をたたくことができました。この四つの学問に医学を含めて命相卜仙医の五術と称したのです。
これらの学問のうち、まずは初めの四つの学問をすべて学んでから医学を学べというのでは、かなり無理があるので、すべてを実践する人は少ないと思われます。しかし、それらの基礎を知ることは、東洋医学的な生活観を身に着けるためにはとても大切なことだと考えております。


私の出た日本の学校や師匠たちには、このような薫陶を受けてまいりました。

1.古典医学の本を読むこと。それが臨床に結びつくように学ぶこと。
2.芸術でも武術でも何でもよいので、東洋の文化に親しんで、その心を感じること(武術は仙学の範疇です)
3.必ず命相卜仙医のうちの卜学(ぼくがく)である「易経」を研究して、陰陽とか五行の東洋思想を学ぶこと。
4.西洋医学の解剖学、生理学、病理学を学んで、きちんと患者さんに説明ができるようになること。


今回は「命学」のお話をいたしましょう。

命学はいわゆる運命学です。占星術などがその範疇に入ります。
これは、人が生まれてから死ぬまでの全体を観る学問ですね。

「あんたは、30歳で結婚して、45歳で死ぬね。。」と言われちゃあ身もフタもありません。
これは、多くの人は、生まれてから死ぬまでを「一本の線」と考えてしまうので、こんな発想になってしまうのです。
そうすると、「私は45歳で死ぬと言われたんだが、死ななかったじゃん。。当たってないね。」ということになってしまいます。

運命学として表現される人の一生は、川とか河と表現できるのです。
川は、どこかの一点から始まって、せせらぎが沢になり、小川になって川になってゆきます。
途中でいろいろな方向に曲がって河となり、最後は大海に注ぐ大いなる流れとなるわけです。

そしてその過程では、幅が細くなったり、広くなったり、浅くなったり、深くなったりするでしょう。
浅瀬があったり、大きな岩が行く手を塞いでいたりするかもしれません。

一人一人の人生を隅田川、ミシシッピー河、ナイル河など、方向性も形も全く異なった河と表現できるわけです。その途中に障害物があったりしても、「事前にこれを知っていれば、心がけ次第で回避できるかもしれない。」というおはなしです。

「一本の線ではない、幅があるのでいくらでも融通が利く。」ということを知ることです。
45歳で死ぬと言われたら、40歳くらいから健康法をしっかり学んだり、危ないところに行かないように注意したり、シートベルトを必ずしめるようにしたりして、少しづつ軌道を修正して、その「その年に死ぬという障害物」を避けて通れるように仕向けてゆくことを知る学問が、「命学」です。

まあ、「それでもそれで死んだらしょうがない。」と達観して生きるのも一つの生き方ではあります。

逆に、命学でよいことを言われたら、「真に受けてしまう。」ということです。
たとえば「官僚になって大成功する」といわれたら、それを真に受けてしまうと、そういう努力をすることが苦にならなくなります。

「命学」とはあまり関係ありませんが、武術の師匠の岡本眞先生に「一輪車を乗りこなせると、武術的身体が練りこまれる。」「ジャグリングは武術に大切な単関節運動と弛緩するということがわかるようになる。」
これらを真に受けてしまった私は、今はどちらもごく自然にできるようになってしまいました。

私の武術の腕が上がったかどうかはわかりませんが、鍼灸の臨床や、漢方医学の触診の際の身体操作に大変役に立っております。そして近所の小学校の臨時教員になって、米人の子供たちに一輪車やジャグリングを教えたり、いろいろなご縁が広がってきました。

人生には「幅と深さと方向みたいなもの」があるということです。

このように、「命学」は、大いなる方向性と可能性を述べているので、この歳で死ぬと言われたからと言って、あきらめたりしちゃあいけないのです。
また、いいことを言われたら、それを真に受けて楽しんで努力をしたり、そういう現象が起きそうな場所に行ったり人に会ったりするようにしていれば、現実にそうなる可能性も高まるというものです。
思い込みも大切なことです。

いつになるかわかりませんが、次は「相学」についてお話をいたします。

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今年の冬至は12月21日でした。 明るい時間が増え始めます。

2016-12-22 23:00:45 | 易経、東洋哲学



今月21日は冬至でした。

易経の世界では、天地が一番近くなる日として知られています。
そしてこの日は、易を使った占いがいちばん当りやすいといわれている日でもあります。
翌年一年の運勢、年筮(ねんぜい)を立てる(占う)日です。

過去にこんな記事を書いているので、興味のある方はご覧になってください。

http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/s/%E5%86%AC%E8%87%B3


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本日21日は夏至ですね。

2013-06-21 10:07:18 | 易経、東洋哲学
今日21日は夏至ですね。

これからいっそう熱くなる季節です。
しかし、暦の上では、秋に向い始めました。昨年の冬至に陰陽の陽の気が少しずつ増え始め、本日の夏至でこの陽の気の増長がいっぱいとなり、今度は陰の気が増え始めます。

西暦と陰暦の間に約一月の差があるのは、大気圏に届いた太陽からの陽のきが地上に届くまでの時間がかかるからといわれています。

天体の動きからでは、本日から陰の気の動きが活発になり始めるのに対し、陽の気が最も多い時期の暖かさが地上に届くので、実質的な夏が始まります。

今日までは活発な活動的な創造的な陽の気の割合が多く、これからは実りの秋、ためこみの冬に向います。

ちなみに今日までの陽の気の増長するサイクルを陽遁(ようとん)、これからの陰の気が増長するサイクルを陰遁(いんとん)と呼びます。

皆様お幸せに
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