けい先生のつぼにくる話

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めまい、メニエール症候群について

2007-06-25 12:34:18 | 東洋医学全般
立てないくらい、ひどいめまいがする。あるいは「医者にメニエール症候群と言われた」といって来院する方が多くいらっしゃいます。
メニエール症候群は難病の一種です。「これは難しい疾病の患者さんがいらっしゃったな」と思うのですが、意外と早く治ってしまって拍子抜けをしてしまうことがあります。

私がメニエールを治したのでしょうか?そんなことはありません。違うと思います。
これは医者の誤診か、「病名がつかないといけない」と考えている医者が、エイヤッとつけてしまった名前がたまたまメニエール症候群という大仰な名前だったと考えられます。
患者さんはこの大仰な病名をつけられたために「自分は大変な難病かもしれない、、、」という不安感が植えつけられてしまいます。

東洋医学では病名以前に、こういう症状を起こす患者さんの持つ根本にある共通の体質とかアンバランスを見抜くようにいたします。
そのアンバランスが結果的に名前のついた病気をにまで発展するわけです。東洋医学は、病名以前の、この根本に対するアプローチを大切にいたします。物事を単純化して、その大元を補うようにして、それでも症状が残っているようなら、それなりの処置をするのです。

ほとんどの病は人間が本来あるべき状態である「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」とは逆の状態になっています。
そういえば私が「頭寒足熱」というと「はぁ?」という方が多くいらっしゃいます。30代以前の方々の多くはこの言葉をご存じない方が多いようです。みなさまはどうですか?
「頭寒足熱」は人が健康なときの状態です。あるいは「足腰は温かく、頭は涼しくしているのが体によい」とも解釈できます。
この反対の状態を東洋医学では「上実下虚(じょうじつかきょ)」といいます。

めまいの類は特にこの上実下虚の状態が顕著です。要するに足が冷えていて、その分の熱が上半身に行っている方におきやすいといえます。

こんなときは足湯をして足を暖めてみましょう。なまじ「めまい」だからといって頭に何かしても悪化させるだけです。
あえて頭から遠い足を暖めて、先に「足熱」の状態を作ってしまうと、本当に「頭寒足熱」の方に体が仕向けられていって、効果が出ます。



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東洋医学と武術

2007-06-13 15:47:45 | 東洋医学全般
私はまだまだ若かったころ、円功禅拳(えんこうぜんけん)という非常にマイナーというか誰も知らない拳法を教わっていました。
この拳法は一見太極拳とか形意拳、八卦掌といった柔かい感じの拳法です。師匠は日本在住の中国人の芸術家で、私にこの拳法を教えるときは子の刻(ねのこく、夜11時から深夜1時)にしか教えてくれませんでした。この時刻は陰遁(いんとん)から陽遁(ようとん)に変わるときです。これは午後から夜になって陰的な気が最も多くなったところで今度は朝に向かう陽的な気が芽生える転換時ということです。
座禅を組んだり、気や武術を練るのに最も適した時間ということでした。

現在はこれに日本の古武術の動作で円功禅拳と共通する動作を取り入れることによって、よりスムーズな身体操作が可能となりました。
いまさら格闘技の腕を磨こうなどとは露も考えていませんが、万が一また3人の暴漢にいきなり襲われたときなどには、もっとましな反撃をするか、それ以上に的確で安全な逃走手段を確保できるのではないかと思います。
それよりも私自身が氣の流れる感覚を以前にも増して楽しめることも多くなり、一部の患者さんからは「最近の先生の氣が変わってきたみたい」とご指摘を受けることも多くなりました。やはり「身の危険」を感じたことによって武術の訓練に対する意識が変ったからだと思います。

はじめは片足で立って腰を落して、立っている足の裏をぴったりと地面につけて、両手と宙に浮いているほうの足は自然に前にあげて松の木になったつもりでたち続けます。つづいてさらに腰を落として阿波踊りのような足腰の使い方でそろりそろりと前進します。ここからいろいろな動作に派生するのですが、常に両足の裏全体を意識してひざを抜く(脱力する)様な気持ちで動作を続けます。

円功禅拳は72式(種類)の諸々の動作で成り立っているのですが、現時点で7種類の動作が復活しています。これらの訓練を復活させて約2ヶ月ほどで、ズボンのサイズが2インチ細くなったり、ミュアウッズで4時間も山歩きをして「ぜんぜん疲れない」ようになったわけです。「隠れ腰痛」も治ってしまいました。

先日「ダンカンダンス」に打ち込んでいらっしゃる患者さんが「身体動作を訓練していると、あるときに今まで使ったことのなかった筋肉というか体と氣使い方に目覚めて、体が宙に浮くようなというか、驚くような身体感覚に感動してこれがいつも使えるようになる」とおっしゃっていました。
この言葉が非常に理解できる気がします。とにかく「体を動かすのが気持ちいい」というのは大変よいことです。

日本で鍼灸の修行をしていたころ、いや鍼灸学校の学生のころから、伝統的な東洋医学を重んじる先生方によく言われた三つの大切な要素がありました。
1.必ず東洋医学の古典を読むこと
初めはわからなくても東洋医学の古典に親しむようにしていると、先人の宇宙観とか世界観を感じ取れるので、小宇宙としての人を観る目を養える。できればこの古典を写経するのがよい。
安易に病名とそのツボの書いてある、医者になれなくてしかたなく鍼灸師になったような者が書いた本のとおりに治療して、電気を通して終わるような治療はしないこと。

2.何かしら東洋的な趣味や打ち込むものを持ちつづけること
もちろん東洋医学のみに打ち込むことも大切だが、茶道、華道や能楽、文楽などの東洋的な芸能、あるいは易経などの東洋哲学、あるいは空手、太極拳、剣道などの武術などに、一つでよいから本気で打ち込んでみると東洋観が身につく。もちろん治療家としては殺気に満ちた目つきは禁物ゆえ、師匠はよく選ぶこと。
また特に「易経」は必ず学んでおくと、終生、治療哲学と技を磨くために役立つ。

3.西洋医学の生理、病理、解剖なども知っておくこと
患者さんの多くは西洋的な病名でものを考えているので、これを東洋的に説明して差し上げるときに、便宜上必要な知識は身につけておくこと。もちろん博学なのはよいのだが、うっかりと医者の行う神経の刺激だけの病名治療に迷い込まないように注意すること。
(それでも、日本の鍼灸学校の正規科目として、生理、病理、解剖などはかなり厳しく1年生から3年生まで厳しく叩き込まれます。ご遺体の解剖の授業もありました。たとえばアメリカの鍼灸学校の解剖学の授業は、たったの1学期4か月分くらいしかないので、「これでいいのか?!」と感じたものです。)

円功禅拳にはこの武術の要素と、易経哲学と東洋的宇宙観の訓練がふんだんに取り入れられていたので、あのころはかなりハマッてしまいました。
懐かしいですね、若いことの修行の日々を思い出しました。

円功禅拳に似ていて体によい武術は太極拳と剣道だと思います。太極拳と剣道はまったく違うもののように感じますが、じつは直線の中に円運動があり、推手の感覚と竹刀の先の触れ合いには大変な共通点があるようです。どちらもサンフランシスコ、ベイエリアでは習うことができる武術です。
海外で生きていると東洋的なものに飢えてきます、これらの武術の門をたたいてみるのはどうでしょうか?


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本当にいい映画に字幕なんかいらない

2007-06-11 18:39:28 | 映画大好きなんです
私は映画が大好きです。
ジャンルはうまくいえませんが、ちょっとシュールで、コミカルで怪しい映画とか、北野武監督的な暴力とペーソス、あるいは観る人が観るとすごく凝っている映像や配役の作品類に惹かれます。
洋画も邦画も大好きですが、渡米前の8年前まではミャンマーとタイに住んでいたこともあり、大のタイ映画ファンであります。

「本当にいい映画は字幕なんかなくても感動できる」というのが私の信条です。
また、東南アジアは香港映画、インド映画、そしてタイ映画のパラダイスです。少数民族と多数言語の交錯するこれらの国では映像と演技で魅せるというエンタテイメントの基礎が確立されているようです。

私がミャンマーで診療活動をしているころは、たまに友人とそのメイドさん一族郎党十数人を連れて映画を見に行きました。
ミャンマーの多くのメイドさんはカレン族出身で、地元から出稼ぎに来て、毎日毎日身を粉にして働いています。彼女たちとその一族郎党を映画に誘ってあげると、お祭り騒ぎで喜ばれました。みんな民族衣装をこしにまいて、髪にはジャスミンやランの花を挿して、顔にはタナカーという木の皮でできた、歯磨き粉みたいなおしろいを塗って老若男女がぞろぞろとついてきました。あるものはステンレスでできた5段重ねの丸いわっぱめしのような重箱と、日本の戦後の時代ように普通のおおきなやかんにお茶を入れたのを下げてわくわくと映画館に入ります。

ミャンマーの映画館のいすには時として蚤やシラミがいて、うっかりすると両方の太ももの後ろに400箇所くらい刺されて、痒さと熱でうなされることがあるので、いすには必ず新聞紙をしきます。私も何度かこの虫の洗礼を受けて、本当に太ももが倍くらいに腫れて痒くて3日くらい泣いたことがあります。

そして映画が始まります。ほとんどがインド映画でした。ヒンディー語やタミール語で上映されるので、私たちの誰一人言語を理解しているものはいないのですが、インド映画には必ずミュージカル的な場面が多く入っているし、慣れるとたいてい理解できるようにできています。インド映画は面白いのですが、2時間半くらいあるので、観るほうもそれなりの覚悟が必要でした。
インド映画をサンフランシスコ、ベイエリアで観たい場合はFremontになぜか亡命チベット人が経営するインド映画専門の映画館があります。是非いってみてください。http://www.naz8.com/

タイ国でも同じような要領で映画を観まくりました。わたし的にはタイ映画が一番好きです。
最近はインターネットで直接タイから映画や音楽のCD,VCD,DVDが買えるので重宝しています。
これからはたまに何回かに分けて私の秘蔵の(皆様にご理解いただけるかわかりませんが)映画を載せてゆきたいと思います。

今回は 「Citizen Dog」(Mah nakorn) です。
Citizen Dogは青を基調とした魅力的な画面と、なんともいえない犬の親子の使い方、亡くなったおばあちゃんの驚くべき輪廻転生、主題歌を無表情ですばらしく活き活きと歌うバスの客たち、、、、などなど。誰がなんと言おうと私はこの映画を指示します。
私が観たときは、字幕なしのものだったのですが、本当にすばらしい作品です。そのご確か去年、サンフランシスコ映画祭で本作品が公開された時は英語の字幕がついていました。この英語字幕版は「大狗民」という名前ですでに香港で出ております。www.yesasia.com でこれがあることを発見し、入手しました。字幕作成者はこの映画に出演している、英語学校のビラ配りをしている外人さんです。会話も歌詞の部分もいい感じの訳だと思います。
しかし本来は字幕なんか要りません!「映画は観る者の気合と作者の心意気です!」

挿入歌のModern DogというアーティストのBefore(Korn)という作品もうれしいもので、このCDも買ってしまいました。

http://ethaicd.com/  これで購入します。

http://youtube.com/watch?v=glUwlHH_Nbw&mode=related&search=

http://youtube.com/watch?v=CdS1poPa4SM&mode=related&search=

ちなみにこのWisit Sasanatieng監督の初回作品Tears of Black TigerはDVDレンタルチェーン店の「Hollywood」でレンタル中です。
内容的にはCitizen Dogには及びませんが、「よし、基礎はできている!」という感じの内容です。
この作品でこの監督独特の、そして懐かしい感じの画像の色調が生まれたのでしょう。
映像だけでなく、挿入歌もともにいい感じのタイ映画のひとつです。女優とストーリーの展開は宍戸錠や浅丘るり子がでていた日本の無国籍映画のパロディと思ってみるとよいでしょう。主演の女優さんはもう少しアジア的な顔立ちの人のほうがよかったかな、、、

これに出てくる音楽がいい感じです。タイの懐メロの巨匠ウア スントンサーン率いるスントラポーン楽団ののりをきれいにまねて、この映画全体の独特な雰囲気をかもし出しています。

この作品がレンタルされているなら、本命の「Citizen Dog」(Mah nakorn) も早晩レンタルされるはずなので、待っていましょう!!

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要注意! 「中国ではお医者さんだったのです!」

2007-06-06 09:21:43 | 東洋医学全般
中国系の東洋医学の先生に診てもらって、「中国では西洋医学の医者だったのです」といわれて「じゃあきっといい先生に違いない!」と思ってしまった方はいらっしゃいませんか?
実はこれはデパートの和服売り場に高い着物を買いに行ったら、「自分はドレスが専門ですけどね」といっている店員さんに応対してもらっているようなものです。
「お医者さんだったけれど鍼灸師ではなかった」ということですね。

ある方は中国人の医師出身の鍼灸師に診てもらって「あなたはあくまでも実証体質です。」といわれたそうです。この先生の説明では「実証体質とはその人の体質を虚証と実証に分けた場合、実的な症状が多い。赤ら顔、耳鳴り、不眠、イライラ、食欲は旺盛、便秘がちなどなど」だそうです。
だからこの方に処方された漢方薬はすべて熱を取ったり、イライラを修めたり、食欲を抑えて便秘を改善するようなものでした。 つまり症状の治療だけを考えていて、そういう症状を起こしたからだの根本的な変調はあまりみていないようです。典型的な医師型の治療です。

しかしですね、人間というのはだんだんと衰えていってしまいには誰もが死ぬわけで、むやみに熱などのエネルギー的なものをとってしまえばよいというのはどんなものでしょう?
確かにのぼせとか赤ら顔や汗かきなどは見ていても暑苦しそうで熱を取ってあげたくなりますが、一歩下がって距離を置いてこのような患者さんを診たときは、意外と体中が実体質という方は少ないようです。このような方でも体のどこかに必ず虚(きょ、弱さ、冷え、足りないもの)があるから体に不調をきたしているものです。つまり体が火照っているように見えても、どこかに虚して冷えていたり、血の流れが悪いようなところがあれば、ます暖めて補ってやることです。すると多くの場合は、必要以上に体力を消耗させることなく足腰が温まったり気や血の流れがよくなったりして、結果的にほてり等の実的症状が治まってくるわけです。それでもそれでも旺盛な症状が残っている場合は少しだけ熱を抜いてやるだけで十分治ります。

このように伝統的な医学を施すものたちはまずその虚を補って体が変調をきたした理由を治めてあげてから、それでも症状が残っている場合にその患部に関連する治療をして、病の根本と症状の両方にアプローチをいたします。これは中国のいわゆる中医師も日本の鍼灸師や漢方の専門家も漢医といわれる韓国の伝統医師も然りです。

中国本土では医科大学のカリキュラムに東洋医学も含まれていて、中医科大学のカリキュラムにも西洋医学が含まれていて、バランスの取れた教育内容ということです。しかし、米国で東洋医学を営む先生たちのなかで、ときどき「中国では医者だったんです。」とおっしゃっている方がいます。私が属しているCCAAというカリフォルニアの鍼灸師会にもこのような方が結構いるようです。これは渡米してから医師になることができず、仕方なく東洋医学の免許のほうを取って開業している医師たちです。

「本当はフランス料理のシェフになりたかったんだけど、家業が寿司屋だから仕方なく寿司を握っている」というシェフさんの寿司はおいしいでしょうか?
あ、おいしいかもしれません。でも心意気ってものがあるでしょう。。。。。確かに腕のいい先生もいらっしゃるようですが、当然多くの場合はその治療の方向性が西洋医学的というか神経医学的なものになるようです。例えばいきなり患部に鍼を2本刺して、電気を通したり、今出ている症状だけにあわせた漢方薬を処方したりするわけです。患者さんへの説明も西洋医学の単語をつかいます。

もちろんどの世界にも尊敬すべき名人達人はいらっしゃるわけで、こういった治療で疾病が治ってしまう方もいるでしょう。
もし、それだけでは物足りない気がする方は、本国でも中医師や鍼灸師の免許を持っていたり、ちゃんと中国や日本で東洋医学の修行をした事のある先生を訪ねてみるのも一方です。
胸を張って(別に威張って言う必要はないのですが、、)「私は国でも鍼灸師でした」「中医師でした」「漢方医でした」「日本のだれだれ先生のもとで勉強をしてきました」といえることも大事ではないかと感じます。要は患者さんに対する「心意気」というか「矜持(きょうじ)」ということですね。

「餅は餅屋」というお話でした。



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はしかの予防注射をしてきました

2007-06-04 11:42:39 | 雑記
一昨日、はしかの予防注射に行ってきました。最近日本でははしかが猛威を振るっていて、大学が何校か休校に追い込まれていると聴き、早速行ってまいりました。
私ははしかになったことがありません。
私は40数年前に、当時としては最新の各種予防注射類をしていたらしいので、肩にもどこにも予防接種の痕がなく、母のうろ覚えの記憶では心もとなく思っていたのです。

今回私の打ってもらった予防注射はMMRといって、はしか、おたふくかぜ、風疹の3種混合でした。おたふく風邪と風疹は確かやったことがあるので終生免疫があると思われるのですが、はしかの抗体検査の結果を待ってからというのじゃとろくさいので、えいやっとやってもらいました。

東洋医学的には毎日足の三里などにお灸をしていれば理論的には外からの邪(じゃ。病原菌や寒冷の気温による要素)を受けることはないのですが、疲労がたまっていたりしたときにはやはり抵抗力が弱まることはあるわけです。さすがに大人になってからのはしかにはなりたくないというわけで、予防注射を決行いたしまいた。

よく、フルーショットをやったほうがよいか患者さんに尋ねられます。高齢の方には「そうですねーーおうけになってもよろしいのではないですか」とお答えしていますが、お若い方々には「お灸をして、うがい手洗いをよくしているほうがよっぽどいいですよ。」とお答えしています。
一般的にこのフルーショットのワクチンはその年にはやると思われるフルーの種類が香港型なら香港型、スペイン型ならスペイン型の一種類しか生産されないと聞いています。でも、その時期が来て、スペイン型を打っていても、実際に香港型のフルーがはやればやはり感染してしまう可能性が大きくなります。 要は丁半ばくちなわけです。

だったら、日ごろから週に1-2回足の三里などにお灸を吸えて、手洗いうがいの習慣をつけていたほうがよいかもしれません。お灸やうがいで、ご自分の免疫力全体が上がっておれば、ワクチンを受けたことによって体にできる選択的免疫力ではなく、拒食細胞(マクロファージ)が強くなっているので、侵入してきたあらゆる外敵に対しての免疫効果が強くなります。

はしかのお話に戻りますが、最近の10-20代の方々の中には、ここ30年くらい日本でははしかがあまりはやったことがないことから、はしかの予防接種を受けていない方々が多いそうです。そこで今回のような日本の大学内での感染が一気に発生したと考えられるとのことです。

米国では公の場で教鞭を取る外国人と、永住権を申請するときの外国人以外、とくに留学生や非移民ビザの方々にはあまり予防注射が徹底されていないようなので、学生の皆様はご注意ください。

また、妊婦さんが万が一風疹にかかると、視聴覚に障害のある子供が生まれやすくなります。十分ご注意ください。

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のどに物が詰まった!!

2007-06-02 17:37:48 | 雑記
昨日急に目が覚めたらのどがつまっていて、息ができなくて死ぬか(またかい!)と思いました。てっきり家の者に首を絞められたのかと思ったのですが今回はそうではありませんでした。息を吸おうと思うと、のどからは明石屋さんまの「引き笑い」のような音が出て、息を吐いてのどに詰まったものを吐き出そうとしても、肺の中にのこった気が少ないので、吐き出せずに大変苦しい思いをいたしました。
子供たちは私ののどから出る不気味な音にビビッて近づいてもこないし、いやはやおどろきました。

私たちは東洋医学の免許を受ける前に、救急処置の講習を受けて2年毎に更新しているのですが、いざ自分がこうなってみると一人ではなかなか処置できないものです。本当は術者が患者を後ろから抱きしめて、みぞおちの辺りに両手を組んで前傾しながらエイッと胸を締め付けて異物を吐き出させるのですが一人ではこうは行きません。

頭のなかは「落ち着け!意識が遠のく前になんとかせい!」という自分の思いがきこえます。そこで気がついたのは寝ていて吐いたものがのどに詰まっているということでした。胃酸と夜に食べた中華料理の香りがしました。(なんか汚くてすいません。)
そこで両腕で腕組みをして、すごく苦しいのですが、えびのように丸くなった体を起こして後ろにそらせて、腕組みを強くしながら体を前に一気に丸め込む!これで胸に残った空気がゲフッと出て、つまったものが除かれました。

後はよくうがいをして、のどに残った粘液と胃酸を洗い流して、一件落着でした。最近なんかいろいろおきるなーーー。大丈夫かな。。。。
でもね、こういうことがおきるのは治療家としてはいいことなんですね。患者さんの気持ちがわかりやすくなるかもしれませんから。

昔、故伊丹十三監督の映画「たんぽぽ」で大滝秀治さんの演ずる「食べてばかりいる上品な老人」が急にもちをのどにつまらせる場面で、お付の者たちがこの老人をさかさまにして掃除機でガーッと口からもちを吸い出す場面がありました。
あの時は笑っていましたが、本気で「掃除機は寝る時に用意しておこう」と思いました。

自分におきたネタでした。。。。。苦しかった。。。。

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不妊治療 東西医学コンバインの例

2007-06-01 07:54:41 | 婦人科系疾患
東洋医学の患者さんは東洋医学だけ、西洋医学の患者さんは西洋医学だけに偏向してしまうのもよくない場合があります。
また、両方を併用して画期的な結果を得ることもあります。
私が教えているサンフランシスコの東洋医学校の日本伝統鍼灸漢方の臨床教室でのお話です。

37歳の米人女性で、東洋医学の治療を併用して西洋医学による体外受精をうけたところ、排卵が26個もあり、そのうち23個が受精して、先週そのうちの2個の受精卵を子宮に戻してめでたくご懐妊となりました。この数値はかなり喜ばしいもので、本来は西洋医学のみですと平均排卵数は10個程度、受精の確立は3個以下です。西洋的な治療を受けている人も東洋医学と併用することによって、相乗効果が得られたよい例でした。

東洋医学的には受精ということも大切ですが、それ以上に女性の下腹部が受精卵から胎児にとって居心地のよい環境でいられるようにしてあげることを特に重んじます。むしろ農業をおこなって、種が育ちやすいふかふかで温かく栄養の豊富な水はけのよい畑を作れるようにお手伝いをすることになります。健康な胎盤が育って、胎児が流れないですくすく育つ環境を作ります。この方の妊娠は先週からですので、今回はむしろこれからがわれわれ東洋医学の正念場となるでしょう。

彼女の治療ははじめに体質改善の鍼をして経絡を整えて、足首に近い三陰交という場所にお灸をして、妊娠前はケイシブクリョウガン、ウンケイトウ、トウキシギャクサン、カミショウヨウサンなどをそのときの脈とおなかの具合に応じて服用してもらっていました。
いつも熱気が上に昇って鼻が詰まっていたのが治り始めると、おなかや足腰が温まり始め、結果的に驚くべき受精率となったのです。
一般的には西洋医学のみの不妊治療での成功率は20%、東洋医学と併用した場合は60%以上の成功率といわれています。

もちろん東洋医学のみの治療でも、十分な不妊治療を行うことが可能です。
今回は既に西洋医学の治療を受けている方でもよりよい効果が期待できるという話題でした。
早くこの方の可愛い双子ちゃんに会いたいものです。

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