けい先生のつぼにくる話

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東洋医学の根幹は陰陽観(東洋哲学的なものの見方) 易経の背景

2011-09-22 15:08:20 | 易経、東洋哲学
前回の物事や人体を全部ひっくるめて「観る」考え方を全体概念とします。

物事には全て裏表、前後、上下、左右、寒熱、明暗など、一つの切り離せないものの中に性質の異なる2極が存在します。これを全部ひっくるめて「陰陽」という概念、「陰陽観」という概念、哲学がはるか昔に生まれました。

「陰陽」という言葉を最初に使った書物は「易経」です。
易経は占いの本とご理解されている方がほとんどだと思います。しかし、これは占いという事に限らず、東洋的な観点で森羅万象を「観る」為の重要な古典書物です。

日本の東洋医学校では東洋的なこと以外に、西洋医学の解剖学、生理学、病理学などを厳しく学びます。同時に鍼灸の教室では、意識をも含めた人体を、見える現象から見えない兆しとか予後を「観る」ために、「易経」を学びます。
東洋の古典書物は特に哲学と医学の古典派この「易経」から来る東洋哲学の考え方をしっかり身につけた読者のために書かれています。という事は「易経哲学」を学んだことの無い人が古典書籍を読んでも、本当にこれを理解したことにはならない。という事になります。

米国の漢方医や鍼灸師がしたり顔で東洋医学のセミナーを行っているのを観ると、彼らは英訳の古典の字面を一生懸命に学んだだけなので、どうしても大きなずれを感じます。
「自分は東洋医学をマスターしてるんだ!!」という外人のそれは、長髪の外人が中国服を着て、中国のものだと勘違いをして日本のちょんまげを結って、自分では中国の能楽(?日本のだよ。。)を舞っているつもりで、実は単なるディスコダンス(古い、、)を踊っているという感じです。

私は教えている学校で「ちょんまげチャイナのディスコダンサーになるなよ!」といって、ベジタリアンでヨガティーチャーでかつ知ったかぶりるレイキマスタータイプの外人学生をたしなめます。そして「謙虚になれ」というのでたぶん嫌われているんだろうなあ。。。。

あ、、また道がそれてしまった。。。。
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東洋医学の根幹は陰陽観(東洋哲学的なものの見方)

2011-09-15 11:04:57 | 易経、東洋哲学
私が教鞭を取っているサンフランシスコの東洋医科大学院でのことですが、時々新米の教員や職員さんに「先生は何科がご専門ですか?」と聞かれることがあります。

米国の東洋医学界と、現在は政治的に敵国となってしまった共産中国の東洋医学界は、西洋医学のそれと同じで漢方医学や鍼灸医学においても「何科が専門」という風に分けようとする傾向が強いです。西洋医学化しているのです。

もちろん「うちは腰痛の患者さんが多いなあ」「いや、私は婦人科系の患者さんが多いですよ」などということが結果的に起きる場合がありますが、日本の東洋医学に対する概念は、まだ政治的敵国でなかった古の謙虚な中国(シナ China)のそれと同じで、全体概念(中国では整体概念と書きます。中国語の「整」は全体、全てという意味で、「整体師」の整体の意味とは違います。)

いや、むしろ我らの日本国が、中国から伝わった東洋医学の原型を素直に受け止めて伝承しているともいえましょう。

全ての病、そして怪我などが治りにくいのは、人体に「虚」が生じたから起る。と考えるのが東洋医学の本来の姿です。そして、東洋的な治療とは問診、舌診、腹診、脈診と患者さんの雰囲気を含めた全体を「観る」事から始めます。

そして、人体で最も虚している部分(五臓やそれに連なる経絡)を見つけてこれを補います。人体の「虚」が補われると、病自体が存在する理由がなくなるので、病気が治る方向に向いてゆくわけです。このために補う治療を「本治方(ほんちほう)」と呼んでいます。(専門的に言うと五臓の虚実を正す。)これは漢方医学でも、鍼灸医学でも同じです。

「本治方」だけで病気が治ってしまうのが一番よいのですが、なかなかそう簡単に行かないことも多いので、同時進行で、たとえば頭痛なら頭痛の関連の経絡とそのツボや漢方薬を使った病名治療も行うことが多いです。

この病名治療を「標治方(ひょうちほう)」と呼び、この両方にアプローチすることを「標本同治(ひょうほんどうち)」といいます。

アメリカ的に「何でも診れます!」といってしまうと、なんか傲慢不遜に聞こえて誤解されてしまいます。。。。。ということで「どの場合にも、それなりに最大限の対応ができるのが東洋医学のいいところじゃあないですか。。」とわざとピントをずらして答えています。

いろいろお話をしましたが、前回の血圧のお話につなげてゆこうと思って書いております。でも、次回ももう少し、東洋的なものの味方についてお話をさせてください。

漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。

私の記事が載っている月刊誌「はつらつ元気」です。ご参考になさってください。

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高血圧について 「降圧剤」

2011-09-12 10:45:12 | 東洋医学全般
高血圧、、、いやですね。みなさまが、特に中年以降の方々がこの症状に気を使っていらっしゃいます。

多くの方々が降圧剤を服用されています。
私の考えでは、必要な場合は降圧剤を恒久的に服用することも考えるべきだと思います。

「知っているよ!」といわれる事を承知で少しお話をして見ます。

ある患者さんは降圧剤を服用していらっしゃいますが、ご自分の血圧計で計ってみて、値が正常のときはこれを服用するのをやめていますとおっしゃってました。
これが一番よくない。医師がそうしろといっている以外には、降圧剤は恒久的に飲み続けるのが安全です。

降圧剤を素人判断で飲んだり飲まなかったりしていると、血管内の圧力が、「あるときは非常に高く、あるときは普通だ」という状態が繰り返されます。
これが血管に「割れ」をつくる=「破裂する」原因を作る事になります。

昔、すき焼きをするときにゴムホースでつないだコンロを食卓の上において調理をされたことがあるでしょうか。あのオレンジピンクっぽい色のゴムホースが古くなっていて、表面に「割れ」が入っていたのを見たことのある方も多いと思います。降圧剤をいいかげんに飲むと、まさにこういった状態になり、血管の破裂予備軍となるわけです。

逆に少しくらい、血圧が高くとも、その値が上下せずに一定ならばそのほうが安全です。

もう一つ、現在は降圧剤の質が大変よくなっているので、医師の指導の下であれば毎日毎日服用してもまったく問題はありません。

しかし、ときどき体質に合わないタイプの降圧剤も存在します。多くの場合服用した翌日くらいから、息切れが始まり、少し歩いたり階段を上っただけで苦しくなることがあります。こういったときはすぐに担当の医師に相談して、薬を変えてもらいましょう。

次回は東洋的な人体の観方、陰陽観などについてお話をしたいと思います。
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帰ってきました。本日より診療再開です!

2011-09-08 11:32:58 | 雑記
皆様ご無沙汰しておりました。

本日より診療再開です。

この2週間弱は、高知、東京、神戸の三箇所を廻ってまいりました。
娘の進学、私の小、中学時代の悪ダチたちとの再会、医療関連の仕事を何とかこなしてまいりました。

忙しくて、楽しくて、大変有意義な日々でした。

今日からはしっかりとブログを更新するぞ!


漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。

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