けい先生のつぼにくる話

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日射病になってしまった、、、漢方的な観方、、糖尿病と日射病は同じ治療??

2014-04-17 15:16:10 | 東洋医学全般
先日炎天下、サンホセのミツワマーケットのあたりを歩いていたら、日射病になってしまいました。
日本に帰ったときの時差ボケがちゃんと治っていないのに、日曜の朝から東洋医学の継続学習のセミナーに参加し、授業が面白くないので、早々に会場を抜け出して、昼休前からほっつき歩いていた罰が当たったようです。

とにかくだるい、、ノドが異常に渇く、嫌な感じの汗が止まらない、体がとても重い、イライラする、眼がよく見えない(霞んでいるというか、焦点が合わない感じ。)がして、とにかく気分が悪かったのです。

このようなときの荒治療の方法はこれです。体力がまだ残っている場合の、日射病や急性の高血圧や爆発しそうなイライラに大変よく効きます。
http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/s/%C6%FC%BC%CD%C9%C2

それでは、漢方薬を使った場合はどう対処するのでしょうか。。。
一般的には白虎湯や白虎加人参湯を使います
白虎湯の方剤(いくつかの単品の漢方薬を混ぜて作られたもの)としての性質は、清熱瀉火、生津止渇です。体の熱を発散させて冷まし、潤わせてのどの渇きを取るという意味です。
白虎加人参湯の方剤としての性質は、清熱瀉火、生津止渇、補気で、白虎湯に薬用人参を加える事によって気を補う作用を強めたものです。

これらの方剤を服用して、日陰の涼しいところで休んでいると、すっと体が楽になるものです。

これらの漢方薬は医師の間では糖尿病の症状を緩和する漢方薬として知られています。
糖尿病には、だるい、、ノドが異常に渇く、嫌な感じの汗が止まらない、体がとても重いといった症状が出やすいので、これらが使われるのです。
漢方薬は本来、西洋的に命名された病名のために作られてはいないのです。
ある一定の事項があれば、その漢方方剤はどのような名前の病気にでも使えることになります。

例えば今回の漢方方剤、白虎湯や白虎加人参湯は前述の「だるい、、ノドが異常に渇く、嫌な感じの汗が止まらない」という共通状態があれば、糖尿病にも、日射病にも、肺炎、異常な皮膚のかゆみ、日本脳炎、口内炎にも使われます。

だから、漢方治療はその病名にだけとらわれることなく、患者さんの状態を把握して処方がなされます。
これが、本治、根治への道につながってゆく事になります。

他にも例を挙げておきますと、脈が浮いて緊張していて肩首のコリがひどいときはカゼ薬として有名な葛根湯が使われます。この状態があれば、カゼ、肩こり、中耳炎、結膜炎、扁桃腺炎、蓄膿症に使うことができます。

とにかく食欲がいつでもあるという場合には例えば、大柴胡湯(だいさいことう)が使われます。これは日本ではビスラットゴールドと名前を変えてうられている古来からある漢方方剤です。「食欲旺盛、便秘がち」であれば、喘息、肺炎、高血圧、蕁麻疹、眼病神経衰弱、普段は無口だが怒り出すと手をつけられない人を落ち着かせる、、など西洋医学的には、一見全く関係ないカテゴリーの病に使われます。

もちろん、これまで述べてきた、「ちがう病名なのに同じ漢方方剤を使う。」の逆もありで、「同じ病名なのに全くちがう漢方方剤で治療する。」ということもあるわけです。

何をおいても、「体質と大本の把握」が大切な漢方医学のお話でした。
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