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一宮競輪開場63周年記念「毛織王冠争奪戦」(GIII)は長塚智広が優勝!

 ライン3車の利を活かし、関東ラインが決勝でも結束力の強さを見せ付けた。浅井康太、新田祐大、松岡健介といった強力自力型を相手に、池田勇人が打鍾から主導権を取ると、最終バック過ぎでは岡田征陽が捲りを打ち、最後は関東3番手の長塚智広が浅井の捲りを凌ぎきって今年4度目の記念優勝を果たした。
 さまざまな思いを抱くレースだった。長塚は「今日も内田慶君のことを思いながら走っていましたからね。尊敬する内田慶君が亡くなったバンクだし、もしかしたら今年で無くなってしまう競輪場でもありますし、本当に一生懸命頑張って、しっかりとアピールしたいと思って頑張りました。」と心境を振り返る。
 そんな中、ここでも関東連携が見事に決まった。「これからも関東でまとまって戦っていきたいという思いがありますし、みんなで力を出し切って、それが優勝に繋がって嬉しかったです。池田君と、岡田君、そして内田慶君のおかげですね。武田さんの次に関東で点数(競走得点)を持っているのは自分だと思うので、そういう大事な役目があると思ってやっています」。これでまた賞金を上積みし、またグランプリの権利をグッと引き寄せた。「(グランプリを)意識していないというと嘘になりますけど、競輪選手になった以上はグランプリが目標ですし、これからも一戦一戦、しっかりと戦っていくつもりです」。優勝選手インタビューの最後には、マイクを握り、ファンに強くメッセージを送った。「万が一、一宮競輪場が無くなることになっても、競輪を愛し続けて下さい!」。
 
これが本当に最後の記念開催になってしまうのか…。市長の挨拶では、その件に言及はなかったが、表彰式では多くのファンの声が飛び交っていた。存続の可能性を最後まで信じたい…。

 浅井康太は6番手から捲ったものの、長塚を捕えるまでには至らず2着。これから松阪記念→競輪祭でグランプリへの勝負駆けが続いていく。
「初手はいつも前なんですけど、今日は(山内)卓也さんが付いていましたからね。でも意外に池田が突っ張ってきて、そこが誤算で、車間が開きすぎてしまいました。(松岡の動きが)どうなるというのもあったし、あそこで逆に内にいったら短くなって新田の展開になってしまうので。そこは無理やり、溜めて捲りにいけたんですけどね。力は出し切れました。池田も強くて調子が良いし、長塚さんも打鍾からサラ脚だし、自力ある人がそういう風に3番手だときつかったです。新田も強いし、GI決勝でもおかしくないメンバーでしたね。でもこれからも年末にしっかりと繋がるように、競輪祭を獲って(グランプリに)出たいという気持ちが強いです。地元記念をしっかり走って、それをバネに競輪祭にいければ、まだチャンスはありますからね」

 地元・愛知から唯一の決勝進出者となった山内卓也は浅井マークから3着入線。
「(浅井)康太がいけるところから思いきり行くという、いつも通りの作戦でした。大体、どんなレースをするかは分かっていたし、絶対仕掛けるというのも分かっていたので、全面的に信頼していきました。でも、打鍾であんなに踏み合いになるとは思っていませんでした。康太も無理やりいってくれたんですけどね。今持っている力を出し切っての3着ですが、悔いが残ったと言えば残りましたね…」。もしかしたら最後の一宮記念になるかもしれない、そんな中での一戦だった。「そうですね…。もうみんながそういう気持ちで走っていたし、みんなの気持ちも僕に伝わってきたので、何とか優勝したかったんですけどね。決勝は思うように動けたけど、初日から3日目まで緊張して、何か思うように動けていませんでした。その辺が、まだまだ。いろんな思いがずっとあったので、それを力に変えることが出来なかったのが…。一宮がもし無くなってしまうと、練習場所も変わるだろうし、また気持ちを新たに持っていかないと。今回は、良い経験になったと思います」

 一番人気となった新田祐大だったが後方におかれ、大外から詰め寄るも4着まで。
「前受けから考えようと。でも予想以上に誰も来ないで、来た瞬間には、みんなもうすごいスピードで、勝負所で後手になってしまいました。そこが車間もあいてしまった原因だったと思います。もうちょっとうまく走って位置取りをしていれば良かったと思いますけど、浅井さんもビックリするくらい車間も開いてきたと思うし…。せっかく北津留に位置を取ってもらったのに申し訳なかったです。今回は全部が捲りのレースだったので、やっぱり最終日は牽制されてああいう風になってしまいますね…。レースが単調すぎましたし。ただ、捲りはどういう感じかよく分かったので、そう言う意味でも次のレースでは違うパターンも取り入れていきたいですね」

 同期連携で新田の番手を回った北津留翼(6着)は「前受けから。でも、このクラスだと緩まないですね…。決勝にはマグレで乗れたんですけど、点数もそうですし、トップの経験も久しぶりに出来たので良かったです。修行し直しですね。強いです、みんな。座ってからもドンドン伸びていくので。久しぶりに視界が狭かったです。もっとトルクを付けないといけないと思いますね」
 
 主導権取りの関東勢。岡田征陽(5着)は「池田が打鍾からあんなにいってくれましたからね。(出てからは)苦しかったです」。池田勇人(9着)は「(後ろ攻めは)ちょっと計算ミスというか、スタートの位置で…でも、そこは仕方ないですよ。相手がいる中でのレースなので。それにあれで残れないのは自分が弱いだけなので。またやり直して頑張ります。新田にしろ浅井さんにしろ『けっこう、かかっていたよ』と言われたので、そこは自信にはなりました。着は9着でしたけど、収穫はありましたね。まずは決勝の常連になって、またそこから狙っていきたいと思います」。

 
■レース展開
周回は誘導以下、新田祐大-北津留翼、浅井康太-山内卓也、松岡健介-西岡正一、池田勇人-岡田征陽-長塚智広で重ねていく。赤板前から池田が上昇をはじめ、赤板2コーナーでは新田を抑えて先頭に立つと、打鍾で徐々にペースを上げて先行態勢に入っていく。そこへ松岡も仕掛けていき、池田と松岡の主導権争いになるも、これは池田が突っ張りきり、松岡は4番手に入り、車間が開いた6番手に浅井、8番手に新田で最終ホームを通過。一本棒の展開となると、6番手から浅井が捲り発進して前団に迫るも、最終バックでは池田の番手から岡田が捲りを打って、それに長塚も続く。直線では岡田の後位から差し脚を伸ばす長塚と浅井のマッチレースとなるが、長塚が振り切って優勝。2着に浅井、3着に山内が入線した。新田は大外捲り追い込むも4着まで。

周回


赤板


打鐘前


最終ホーム


最終バック


ゴール


表彰

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■最終日イベントレポート
 場内のイベントステージでは、6レース終了後に金子貴志選手が登場し、一丸安貴支部長、久保千代志氏を交えて、トークショーが行なわれました。今年初タイトルを奪取した金子選手にファンも大喝采。金子選手は「(寛仁親王牌は)競りだったし、自分が優勝に一番遠いと思っていたので、深谷が優勝をしてくれればと思っていました」と語ると、一丸支部長は「その割には、ゴール前はすごい顔で追い込みにいってたよ」と突っ込み。それには金子選手も「はい(笑)。これが最後のチャンスかもと思って、欲が出てしまいましたね。初手から競りでしたけど、それが良い方向にいってくれました。深谷が本当に良いタイミングでいってくれました」。またトレーニングに話題が及ぶと、一丸支部長に「昔は(午前)3時から練習してましたからね」と振られると、金子選手は「いえ、2時半です」。これには久保氏も「嘘だろ…まだ暗いでしょ(笑)」と仰天。高地トレーニングについては、久保氏が「何十本もモガクんだよね?」と話を振ると、一丸支部長から「いえ、100本です。僕も参加したんですけど、嘘だろと思いましたから(笑)」。さらにウエイトトレーニングについて、金子選手が「マックスは320~330㎏でやっています。今年のグランプリに向けてウエイトの1000セットというのをやっています」と平然と答えると、久保氏も一丸支部長もアングリ。最後は金子選手から「これからも精一杯やって結果を出したいと思いますので、応援よろしくお願いします」とのメッセージでステージを締めくくりました。
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一宮競輪開場63周年記念競輪3日目・準決勝戦レポート&決勝戦予想!

存廃問題で揺れる一宮競輪場。もし今年度中での廃止が表明されているとおりに正式決定するならば、今開催が最後の「記念開催」という可能性も…。存続を求める署名など、望みを繋ぐ撤回を信じての運動も行われている。もちろん、選手達の力走も続いている。本日(28日)は「毛織王冠争奪戦」(GIII)の3日目が行われた。競輪場脇の道路に植えられている金木犀の香りが、風に乗って運ばれてくるような穏やかな陽気。それとはうって変わって前半戦は高配当連発の荒れムードだったが、準決勝は今開催の優勝候補の面々が勝ち上がり、明日は豪華メンバーで決勝戦が争われる。好勝負間違いなしの一戦を、しっかりと目に焼き付けたい。

今日の一宮競輪場、まぶしい陽射しが降り注ぐ。

ダッグアウトレポート
■9レース
●先行した泉利和マークの松岡健介が番手から捲りを放って1着。
「必死でした。ホームで、浅井が後ろにいると思ったけど、北津留やったんか。とにかく1コーナーで緩んだときに、浅井が来ると思っていました。でも来なかったので、待っていても踏み込まれると思って緩む前にいったら、そこで浅井も来ていましたね。浅井のスピードがすごかったですが、余裕はありました。泉君も落ち着いて仕掛けてくれました。(泉とは)2人のどっちかが勝負できるところで仕掛けていこうと。結果が大事ですけど、並びを作る過程が大事と教えられてきたので、若いから泉君が前と思われたくはないし、僕もまだ前でやりたい気持ちがありますからね」

浅井選手の捲りを凌いで1着の松岡健介選手

●中団から捲りで迫った浅井康太だったが、番手捲りの松岡を捕えるまでにはいかず2着まで。
「(決勝進出は)なんとか。後ろがどうなっているかは分からなかったですが、無理やりいきました。後ろを取り合っていたとは、予想外でしたね。3コーナーで松岡さんとぶつかりかけて、松岡さんも牽制してくると思ったので、そこでツケマイに変えました。あれがなかったら、もっと良い勝負だったと思います。力を出し切っての2着なので。(感触は)まだまだですね。でもとりあえず明日には繋がったので、中部で勝てるように頑張ります」

しっかりと決勝進出を決めてきた浅井康太選手


●最後は内コースに入ったものの、北津留翼が3着入線。
「点数がS2になると思っていたけど、これでなんとか(苦笑)。今日は(近畿の)番手捲りもあるかなと思っていましたが、ホームで緩んでいたし、行けば良かったんですけどね…。踏んでいけば、前方で隙間もあったし。2コーナーからちょっときつくて、もうちょっと休めれば見てからいけたんですけど、前が並走になっていて、それに1人下がってきて…。最後は外か内か迷ったんですけど、松岡さんの方がスピードが良かったと思って、内かなと。もっと脚があれば…先にいくのが理想だったので。荒井(崇博)さんに付いてもらったのに、今日は不完全燃焼でした」

決勝の並びも注目を集めた北津留翼選手

■10レース
●新田祐大が人気に応える豪快な捲りで連勝を決めた。
「風がなく、細切れでタイミングはいきにくい場所でしたが、いけるところからいこうと思っていたし、3コーナーで先頭に出られて、ラインで決まって良かったです。昨日、一昨日と強風で、今日も同じ仕掛けでしたが、それが功を奏しましたね。今日も後手にならないように考えて、少し野田(源一)さんの牽制でタイミングが狂いましたが、なんとか1着に来られました。心強い先輩がついてくれて走りやすかったです。(捲りに行ったときの歓声は)どのレースでも、自転車じゃなくても別のスポーツでも、そういう場面があると思いますし、競輪を見に来てくれて、楽しいと思ってくれることは、最高だし嬉しいですね。応援してくれるファンのためにも、決勝は力以上のものを出したいと思います」

準決でも抜群のスピードを見せた新田祐大選手

●新田祐大を追走した岡田征陽が2着に入線した。
「久しぶりに踏み出しで離れてしまった。(新田は)あそこから踏み出しているんだから、強いですよね。ギアは関係ないです。(新田が)強かったですし、良い勉強になりました。(新田を追走して差し切る)それくらいの脚がないと特別は獲れないということ。まだまだ競輪祭まで時間もありますから」

千葉に続く記念連続優勝なるか、岡田征陽選手

●先行した中村一将の番手から差し脚を伸ばした西岡正一が3着。
「(中村が)強かったです。決まったと思いましたからね…。最近は、気持ちにも余裕ができてきたし、前は雰囲気に飲まれてしまっていたけど、落ち着いて走れるようになってきました。競輪祭もあるし、来年の和歌山記念も目指して頑張っているので、これからも楽しみです」

前走の悪い流れを払拭して決勝進出を決めた西岡正一選手

■11レース
●先行した池田勇人がそのまま逃げ切って1着突破を果たす。
「今日も、やるべきところで自分の仕事をするだけでした。後ろは長塚(智広)さんで、しっかりしていますし、スタートで位置を取ってくれて、牽制してくれて、もうそのおかげですよ。メンバーは厳しかったですけど、(脚は)今日が一番軽かったですね。(決勝は)こういうメンバーで走れることは、すごい刺激になります」

今回も盤石のレースぶりで池田勇人選手が決勝進出

●池田の番手で後続をシャットアウトした長塚智広が2着入線。
「(池田に向かって)ありがとう! 今日は勇人がうまかった。うまいし、強い。苦しかった。(最終4コーナーで山内が内から攻めてきて)山内さんがすごかった」

こちらも熊本に続く記念連続Vの期待がかかる長塚智広選手

●吉田敏洋は不発も、好位置キープから山内卓也が3着で決勝切符を掴む。

「(吉田が)頑張ってくれました。でも合わされたかなと思って、どうするんだろうと。それで迎え入れようと思ったんですけどね。最後は頭まで突き抜けるつもりだったんですけど、(長塚に)返されてしまいました。(決勝進出は)最低ライン。デキが良くて決勝に乗った感じではなく、もっとスムーズにいく予定だったのに、苦戦していますね。何とかという感じ。決勝は浅井君にしっかり付いていきます」

■決勝戦私的予想
決勝戦の並びはこうなった。
(5)池田勇人─(9)岡田征陽─(2)長塚智広
(1)浅井康太―(4)山内卓也
(7)新田祐大─(8)北津留翼
(3)松岡健介―(6)西岡正一

 意外な並びは(7)新田と(8)北津留の連係だろう。関東が3者でまとまり、近畿と中部がそれぞれラインを形成。そこで(8)北津留は、「誰から(新田の)番手なら自分は自力ですけど、来ないなら(新田の)後ろへ」ということで、同期の連係が決定。元々ナショナルチームで一緒に汗を流した仲であり「競技ではあるが、競輪では初めて」の連係となる。
 さて、決勝。前場所優勝のS班3選手が好調ままに、しっかりと決勝進出を果たしてきた。強力メンバーが揃っただけに難解の一戦だが、私的には(7)新田を本命視したい。(1)浅井、(9)岡田、(2)長塚はグランプリ出場争いの真っ只中で、ライン的には3者揃った関東勢は強力だが、準決同様に持ち前のスピードを発揮すれば、新田の今年3度目の記念Vの可能性は十分だろう。競輪祭まで、ここと松阪と中部での開催が続く(1)浅井は、「まだまだ」としながらも、こうした混戦は得意だし、好気合いの地元(4)山内とともにV争いに加わる。

※並びは当日の選手紹介または各紙新聞でご確認下さい。
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千葉開設64周年記念「滝澤正光杯」(GIII)は埼京勢が上位を独占!

 冷たい雨が降り、時おり強い風も吹いた千葉記念の最終日。
バンクコンディションは悪かったが、千葉のロングストレートを追い込んできたのは真っ白の勝負服だった。雨の中でもハッキリと。それくらい1番車・岡田征陽の優勝劇は、鮮やかさだった。




今開催はとにかく関東勢の強さが際立っていた。

2日目の優秀戦に勝ち上がったのは、なんと6名。
特に埼京勢は、岡田の他にも平原康多、後閑信一、池田勇人と一線級が勝ち上がり、さらにその4者が結束。
優秀戦は池田を先頭にして、平原、岡田、後閑が上位を独占していた。

そして迎えた決勝も、この4者がしっかりと勝ち上がり、再度結束。
岡田自身も、連日の強力ラインに「まるで地元戦みたい」と語っていたほど。
決勝は単騎の金子貴志、新鋭の小松崎大地-佐藤友和、三谷竜生-南修二が抵抗を試みるも、池田勇人の仕掛けに乗って、最終的に確定板に名を連ねたのは埼京勢の3名だった。ゴール前で平原を鋭い差脚で交わした岡田にとって昨年の別府以来となる2度目の記念優勝となった。

 優勝者インタビューで、岡田は「本当にうれしいですね。本当にラインの力というものを今日もすごく感じました。ラインの誰から優勝できればという気持ちで走りました。(ゴールは)雨で前が見えなかったんですが、ゴール前は一生懸命走っただけです」と笑顔。今年、残されたGIは11月の競輪祭のみ。もちろん、初タイトルを狙っていく。「そうですね。この優勝を機に、競輪祭までこのまま突っ走っていきたいと思います!」

 埼京勢は、平原康多が2着、後閑信一が3着。ラインの先頭で奮闘した池田勇人は8着も、埼京勢の上位独占に2日目同様に貢献した。

 平原は「最終的には4者いるし、誰かが優勝できればという感じでした。基本的には、池田に任せているし、信頼して付いていただけ。
もし池田がいけなかったら、後ろに2人いるので、自分でとは思っていました。(最後は)自分も力を出し切った結果ですから。でも次に繋がる4日間だったと思います」。

3着の後閑は「俺は4番手でしっかり付いていくだけ。今開催は疲れている中でも、なんとかまとまったという感じです。疲労がたまってきたので、それを抜かないと。自転車が良いのに体が付いていってなかったので、休みを入れながら、またという感じですね」。

4.33で4日間走りぬいた池田は「先行争いになってもラインが活きないので、流れの中でいくという感じでした。自分が行ければ、後ろにもチャンスができるし、変に無茶駆けしないようにと。それで、あとは自分がいけるか、どうか。もし自分がいけなかったとしても、後ろは平原さんですし、征陽さんも後閑さんも自力があるので、誰かしら優勝はできると。自分がいければ強いということだし、いけなかったら弱いということ。4.33はまだ改良の余地があると思います」。

 この強力ラインに挑んだ新鋭2名。先手を奪いにいった三谷竜生(6着)は「想定的には、ああいう展開になると思っていたんですけどね…。打鐘過ぎで、もっとしっかり自分が出切ってから考えないといけないです。次はその辺を修正して、出るところを出て、踏むところは踏まないと今日みたいなことになるので、また考えていきたいです」。

記念初優出の小松崎大地(7着)は「組み立ては後ろからで、形は予定通りだったんですけど。でも、ちょっと動きが中途半端でしたね。想定した形になったときのスピードとタイミングがずれていました。友和には悪かったですね…。理想の形で自分がまだ踏めていれば、まだチャンスがあったのに、申し訳ないです。友和から『ごめん』と言われたんですけど、僕が悪かったです。他力本願なところが多少あったので、もっと自分で動いて組み立てないといけないですね」と悔しさを滲ませていた。

 単騎で一発を狙った金子貴志は、バックを取るも5着に終わった「流れを見てという感じでした。本当は溜めていければ良かったんですけど、あの展開でかぶってしまうといけないですし。いけたらと思っていたんですけどね。でもシリーズ通しては、おもった以上に良かったとは思います」。


■レースリプレイ
誘導以下、池田勇人-平原康多-岡田征陽-後閑信一、三谷竜生-南修二、金子貴志、小松崎大地-佐藤友和で周回を重ねていく。まず小松崎が上昇を開始し打鐘過ぎに先頭に立つと、三谷がスパートして、最終ホームでは小松崎を叩いて先行態勢に入る。小松崎は内に詰まってしまい、三谷ラインを追った金子が最終2コーナーから捲りを打ち、バック前に三谷を捕えて先頭に立つ。池田も仕掛けていくが、金子には佐藤が切り替えて、池田は外浮いて最終バック過ぎに後退。それに平原は瞬時に対応して、金子、佐藤を追い、最終2センターからその勢いで外に持ち出すと直線では先頭に躍り出る。これに岡田が続き、ゴール前は平原、岡田両者のマッチレースとなり、岡田の差しが決まって記念2度目の優勝。2着に平原、3着に後閑が入線した。


周回


打鐘


最終ホーム


最終バック


ゴール

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千葉開設64周年記念「第6回滝澤正光杯」(GIII)3日目・準決勝戦レポート&決勝予想

お久しぶりのレポートは、千葉競輪場からです。本日(19日)千葉競輪場において、開設64周年記念「第6回滝澤正光杯」の3日目・準決勝戦が行われました。今開催は、何といっても関東勢が強し! 平原康多、池田勇人の強力自力型に岡田征陽、後閑信一と役者が揃っており、準決勝もこの4人はしっかりと突破。2日目の優秀戦同様に、4者連携で優勝を狙います。また、S班の佐藤友和や充実一途の金子貴志、さらには新鋭の三谷竜生、小松崎大地も決勝進出と、かなり見応えのある一戦になりそうです。残念だったのは地元勢。千葉県が生んだ競輪界の「レジェンド」滝澤正光氏、その名前が付いた開催とあって、6回目となる今回も千葉勢を中心に奮闘を続けていましたが、惜しくも準決勝で敗れ、地元からの決勝進出者はゼロ。最終日は敗者戦ですが、スタンドに集まる地元ファンを大いに沸かす走りに引き続き期待しましょう。

ダッグアウトレポート
■9レース
●池田勇人の捲りをゴール前で捕えた後閑信一が1着で決勝一番乗りを決める。
「(小林)大介は見えていたけど、内に誰がいるかは分かりませんでした。三谷(竜生)だったんですね。今日は(池田)勇人が緩んだらいくということで、任せていました。先行だったらブロックするし、捲りだったらしっかり付いていくと。でも勇人は1コーナーでスリップして止まったのに、そこからまた立て直していきましたからね。強いですよ。また勉強になりました。(ゴールの)線と一緒に差す、良い感じでした」


相変わらずの強さを見せる後閑信一選手


●アクシデントも凌いで池田勇人が捲りで2着。落車しなかったことには安堵の表情も。
「危なかったですね(苦笑)。スリップしてしまって。あれがなかったらもっと楽だったと思います。4.33をフルで4日間使うのは初めてなんですけど、競輪祭も見越しているし、ケアは出来ています。ちゃんと反応もしていますね」


好調の池田勇人選手、今回もきっちりと決勝に駒を進めた

●三谷竜生が内からしぶとく迫り3着に入線する。だが、内容面で納得はいかない様子。
「前か、前から2番目からと思っていました。流れ的には思った通りになったんですけど、9番(加藤圭一)に入られてしまって、池田さんにも行かれてしまって、焦りました。焦りすぎて失敗です…。そこまで考えていなかったんですけどね…。明日、頑張ります」

平塚記念に続く記念決勝を決めた三谷竜生選手

■10レース
●小松崎大地の先行を利した番手の佐藤友和が直線伸びて1着。
「(小松崎)大地はけっこうああいうレースをするんですよね。だから、あのときも『内にいくかもな』と思っていました。あとはバックが追い風だから流れるだろうなと。スピードにも合わせやすかったです。大地は強いですし、ラインだから一緒に決勝に乗りたかったので、良かったです。僕だけだと単騎になってしまいますし、ラインがあったほうが戦いやすいですからね。やっと疲れも取れてきて、決勝も良い内容のレースが出来そうです。優勝を狙って頑張りますが、(グランプリ争いの渦中だが)賞金のことは考えずに、大地もそういうレースではなく勝てるようにと」

ラインワンツーを決めた佐藤友和選手

●一瞬の隙を突いて内から主導権を握った小松崎大地が2着に粘る。
「恵まれましたね。自分も内から来られないようにと思っていましたし、(相手も)自分が内から来るとは思っていなかったと思います。今日は金子(貴志)さんの仕掛けに遅れないように準備をしていました。友和には『(捨て身の先行ではなく)楽はさせないよ』と言われていたんですよ(笑)。友和が何とかしてくれると思って、思い切っていきました。勉強させてもらいました。ギアを上げたのは正解でしたね。(千葉出身で)見えない力もあったのかな」。

記念初の決勝進出を決めた小松崎大地選手

●金子貴志は佐藤の牽制で捲りは不発も、うまく3番手に入って決勝シートは確保。
「余裕はなかったですよ…。しっかりと内を締められていたし、きつかった…。(ホームの仕掛けは)詰まったので、あそこしかないと。3番手はたまたま入れました。さすがに、きつかったですが、練習は集中してできているので、(感触は)良いと思います」

苦しい展開を凌いで3着の金子貴志選手。記念連続Vなるか。

■11レース
●中団確保から平原康多が捲り追い込んで1着通過を果たす。
「このメンバーで一番人気になって、きつかったです(苦笑)。後ろ(岡田征陽)も強いっすよ。3連勝はたまたまだと思います。でも動くべきところで、動けているのは良いと思いますね。決勝は、また後ろを固めてくれるとのことなので、その責任を感じながらまた頑張ります」

完全Vに王手をかけた平原康多選手

●平原マークの岡田征陽が2着に入線する。
「ゴールしたときは、自分が何着か分からなかったですね。ゴール後には先頭だったので、良し!と思ったんですけど(笑)。今日もやった方だと思います。頑張りました。いろいろ試したいことも試せているし、決勝もラインの中から誰か優勝者がでれば良いですね」

岡田征陽選手が決勝進出を決め、埼京勢は4人に。

●藤木裕をマークした南修二は3着入線。
「力不足です。(藤木と)決まれば良かったんですけど…。かかりも良かったと思うし、自分にもう少し脚があれば対処できたと思いますし…。また明日、頑張ります」

藤木と決勝進出できず悔やむ南修二選手

■決勝戦私的予想
決勝戦の並びはコチラ!
(7)池田勇人─(9)平原康多─(1)岡田征陽―(5)後閑信一
(6)小松崎大地─(3)佐藤友和
(8)三谷竜生─(4)南修二
(2)金子貴志

超強力ラインを形成した埼京勢が盤石の布陣だ。2日目優秀戦も、この並びで上位独占を決めており、決勝でもその再現される可能性は高い。特に番手の平原は今開催、土つかずの3連勝で勝ち上がっており、完全優勝にリーチ。4者並びに「責任を感じながら頑張ります」と気を引き締めており、好連携を決めてきそうだ。(7)池田、(1)岡田、(5)後閑とラインには好調選手がズラリと揃っているだけに、オッズとの相談にもなりそう。(6)小松崎、(8)三谷はどういったレースを見せてくるか、ポイントの一つになりそう。(3)佐藤は実績上位で、番手から脚をためての一撃は魅力的だが、近畿も北日本もともに2車のラインなので、やはり埼京勢に対しては数的不利の感は否めない。

並びは当日の選手紹介または各紙新聞でご確認下さい
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