荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

桐野夏生の巻。

2013年08月31日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を
桐野夏生著【OUT】を読了しました。

久々に読み返したのですが、やはりまことに面白い。

僕は女性の作家では桐野夏生がもっとも好きです。

この【OUT】の主人公の主婦や、【柔らかな頬】の主人公はとにかくカッコ良い。

キレイなオンナやカワイイオンナはたくさんいますが、カッコ良いオンナってぇのが少ない事を憂いている僕としては、これら主人公はカタルシスをもたらします。

一方で、先日読んだ新作【ハピネス】や【魂萌え!】の主人公たちみたいに【カッコ良い】ってことばから真逆のキャラクターも存在します。

この振れ幅が桐野夏生の魅力のひとつでしょうな。

【OUT】はドラマ化・映画化もされました。

僕はドラマの方が好きでした。

田中美佐子の主人公・雅子役、渡辺えり子の師匠役はまさにハマリ役。

また、十文字役の哀川翔も実に良かった。

十文字が雅子に『雅子さん、カッコ良いっすよ』とクリスマスプレゼントを渡すシーンにグッと来ましたねぇ。

そのクリスマスプレゼントがスタンガンなんですが、このシーン、原作にはありません。

狙われている雅子を十文字は守る事が出来ない。せめてもの思いからスタンガンを渡す・・・。

粋な演出でした。

さて、このドラマはなぜかDVD化されておりません。映画版はもちろんDVD化はされているのに。

DVD化を熱望する作品ひとつであります。


本日の処分品。


ジップロックコンテナー。ようやく捨てる時がやって来ました。