風の詩(kazenouta)2

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そのような日々を過ごしたい。

『植物少女』 朝比奈秋 作  三島由紀夫賞受賞作品

2023-06-20 17:38:50 | 

これもまた、高橋源一郎の飛ぶ教室で紹介されました。

『植物少女』 朝比奈秋 作  三島由紀夫賞を受賞。(2023年5月)

現役の41歳の消化器内科の医師。

 加賀乙彦さんもそうでしたが、『神様のカルテ』の夏川草介さんも医師。

 古くは森鴎外もそうでした。

この朝比奈秋さんは、30代半ばまで、文学とは無縁、小説なども読んでいなかったという。

しかし、自分の体験したものが、体内(心と魂)に蓄積していって

あるとき、論文を書いているときに、映画の映像のように場面が浮かんできたという。

それを書き留める。。。

 いわゆる上から降りてきた、、、というタイプのようです。

 

どんどん書いては、短編の新人賞に送るようになったという。

すでに『塩の道』で林芙美子文学賞を受賞(2021年)

 

この『植物少女』は、自分を出産したときに、脳梗塞を起こして、植物人間になった母親と、

毎日病室へ行き、話をする少女。

植物状態といっても、チューブにつながれて。。。というのではなく、

食べ物を口のことろへもっていくと、口を開けて咀嚼して、飲み込む。食べるのだそうです。

 

少女は、母親の髪を金髪に染めたり、口紅をぬったりする。

誰にも話せないことを、少女はお母さんに話す。

なんの批判も、忠告もしないで、聴いてくれるお母さんは、

最もよき理解者であり、子育てをする母親であった。

「お母さんは、空っぽじゃない」と気づく高校生になったこの少女。

  生きるって、どういうことなのでしょう。

 

映像のように浮かんでくる物語に、作者自身が教えられることが多いという。

書きたい・・・ではなく、書かせられている。

こういう人、作家もいるのですね。

 一応図書館へ予約しました。

 

 駒岡紫陽花通り  (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)

  


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