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風の詩(kazenouta)2

いつも喜び、たえず祈り、すべてを感謝する
そのような日々を過ごしたい。

山崎佳代子 「そこから青い闇がささやき」

2022-10-10 17:51:41 | 文学

詩人で、翻訳家、エッセイストの山崎佳代子さんを、

高橋源一郎の「飛ぶ教室」で紹介されました。

先週『そこから青い闇がささやき ベオグラード 戦争と言葉』山崎佳代子 著が、

ひみつの本棚の一冊が選ばれました。

その著者が、いま日本に帰国しておられるということで、

今回のゲストでした。

 

毎月月末にある「比呂美庵」の伊藤比呂美さんと山崎佳代子さんは、詩人としてお友達だという。

この山崎佳代子さんは、静岡市で育ち、北海道大学のロシア文学科を出て、小さい国の言葉を学びたいと、

ユーゴスラビアの奨学金を得てサラエボ大学で学ぶ。研究室を経て、ベオグラード大学院で学ぶ。

日本の近現代詩を旧ユーゴスラビアに紹介したという。

「宮沢賢治と、中原中也の詩集と、聖書だけを持って、ユーゴスラビアへ行った」という。

1990年代のユーゴスラビア紛争を経験し、逃れてきた人たち(難民)への支援活動もする。

異国での戦争体験を、詩人の眼を通して表現している。

須賀敦子さんを敬愛しておられるようなのも、共感できそうです。

 恥ずかしながら、いままで知らない人でした。

今日、その人の声を聞き、聡明な人だと感じました。

 いつか、彼女の本を読んでみたいです。

  (矢も楯もたまらず、アマゾンへ走ってしまいました)

 名も知らぬ小さい花 (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)

  世界は広い、宇宙も広い、知らないことが、いっぱいあります。

  どんな花に出会うか、どんな人に出会うか、わからないのが面白い。

 

 


『始まりの木』 夏川草介 作

2022-10-02 15:36:56 | 文学

『始まりの木』を、読み終えました。

 5話からなります。

第1話 寄り道 (青森県弘前市 巌温泉 岩木山)

第2話 七色  (京都市 岩倉 鞍馬 叡山電車)

第3話 始まりの木 (長野県松本市 伊那谷)

第4話 同行二人 (高知県宿毛市)

第5話 灯火   (東京都文京区)

 

作者は、「少しばかり不思議な話を書きました。

     木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」とおっしゃる。

 

私は第2話で、引き込まれてしまいました。不思議で泣きそうになる出会い。

民俗学の准教授と、その弟子 大学院生の女の子の二人旅。

 名セリフ「藤崎、旅の準備をしたまえ」で旅が始まります。(これは前にも書いたかも)

*******心に刻まれた言葉******

 P277 第5話 灯火より

「昔のこの国の人たちは、美しいとはどういうことか、正しいとは何を意味するのか、

そういうことをしっかりと知っていた。

しかしどんどん木を切って、どんどん心を削ってきた結果、

そういうことがわからなくなってきちまったんだ。

わからなくなっただけならまだいいが、

途方に暮れて、困りはてたあげく、西洋にならって、なんでもかんでも金銭ずくで計算して、

すっかりモノの価値をひっくりかえしてっしまった」

P278***

「前にも言ったことだがね。大切なのは、理屈じゃない。大事なことをしっかり感じることだ。

人間なんてちっぽけな存在だってことを 素直に感じ取る心なのさ。

その心の在り方を仏教じゃ観音様って言うんだよ」

(観音様とは)心の中にある自然を慈しんだり 他人を尊敬したりする

心の在り方を例えて言っている言葉だ。

この観音様を忘れはじめているのが 今の日本人ってわけさ。

だから亡びるね」

********************

見事な桜の巨木を、道路拡張のために切るという 不人情な世の中を嘆く 

古屋神寺郎助教授と輪照寺の住職。

 これは、レイチェル・カールソンの「センス・オブ・ワンダー」と同じ。

心の声(神さまの小さなみ声)に、耳を傾ける静かな時を、大切にしたいです。

 ホタルブクロ (eriさんからお借りしました)

  妖精の帽子とか・・・・可愛いお花です。

 

 

 

 


『負けんとき』 玉岡かおる

2022-09-09 20:16:31 | 文学

以前もここに書きましたが、玉岡かおる作 『負けんとき』を、

再度 図書館から借りて、読み始めたました。

面白いです。

津田梅子が女子高等師範の先生だった時代です。

当時子爵の身分だった満喜子(のちのヴォーリズ夫人)は、その生徒でした。

まだ、身分制度の名残りのある世間で、彼女はどのように

キリスト教信仰をもったのか。。。。

これからが楽しみです。

今度こそ、読み終えます。

 確かに、アマゾンで検索してみたら、すごく安価。

 でも、買ってしまうと、それで安心して放置・積読になる危険があります。

ただ、図書館から借りて読み終えて、やはり手元に置きたいと思う本はたくさんあって、

これ以上、どこへ収納するか、もう本棚はこれ以上増やしてはいけない・・・・と我慢しています。

 

転勤で引っ越しが多かったときには、引っ越しの度に本を処分したりして、

もう、”図書館を自分の書斎と考えよう”。。。と思った時期もありました。

でも、本が身近にあることで心の安定が得られる。それだけで大満足。

なので、また本を買い始めて20年。

もう限界のはずなのに、、、なぜまだ本を買ってしまうのか。

 

本好きの友人と、「これはもう病気だね」と互いに慰めあっています。

 

というわけで、この本『負けんとき』は、買わないぞ!と決心しているのですが、、、、

いつその決心がゆらぐかは、私には(にも)、わかりません。

 

 二重桔梗(ふたえききょう) (野口勝利さんからお借りしました)

  初めて見ましたが、これは、私の中では、桔梗とは呼べません。

  違う花のように感じます。

  原種の桔梗はどんなのか知りませんが、白色は白、桔梗色は桔梗色のままでいてほしいなあ。

 


小川未明の童話

2022-09-06 19:07:00 | 文学

小川未明の童話は、よく知られていますが、

最近読んだのは、「野ばら」と「小さい針の音」

 丁寧なことばづかいに、少し時代を感じます。

「野ばらは」朗読の発表会の時に、ひとりの男性が読まれました。

最後に敵だった若い兵士に出会う幻の情景が、目に見えるようでした。

 

物語の情景が見える、、、というのは、その朗読者が、本当に内容を理解しているということ。

 

分かりやすいお話は、人の心にすっと入っていきます。

 

「小さい針の音」は、子どもたちから贈られた時計の話。

心のこもった贈り物・・・・

教師の青年のその後の描き方は、ちょっと雑というか、簡単すぎますが、

人は、なんのために生きるのか。

ほかの人のために、役に立つ仕事をする。

 

真理というのは、とても簡単だけど、行うのは難しい。

 

童話から、たくさんのことを学びます。

 一番好きな宝物のような童話は、『星の王子さま』です。

 聖書アプリからです。

  なんだか絵画のような色彩、、、この自然の色を捉えた写真家の魂を思います。

   茜色でしょうか、私の好きな色のひとつです。

 


『始まりの木』 夏川草介

2022-09-01 19:23:09 | 文学

民俗学の学者さんと、その大学院生の女子学生の5つの旅。

柳宗悦の民藝と、どこか近いものがあるような。

 

ただ、この民俗学者の年齢が、40代後半らしいのだけれど、やけに老成している。

皮肉屋で偏屈、事故で足を悪くしているけれど、よく歩く。

どうも、この古屋神寺郎(ふるや かんじろう)先生の像が、つかめない。

女学生の藤崎千佳(ふじさき ちか)の性格も、まだわからない。

第1章は、弘前、、、津軽・・『遠野物語』関連でした。

早く読みたいのですが、まだ2章。京都の北のほうに来ています。

 夏川草介さんの、新境地なのかなあと、期待しております。

 

「自分が感じた理屈の通らない不思議な景色を小説で書いてみたい」と

上橋菜穂子さん(『鹿の王』を書いた人)との対談で、作者の夏川草介さんはおっしゃっています。

 

やっぱり、早く読みたい!!

 

 

 熨斗蘭の花  (northland art studioさんからお借りしました)

  この前は、熨斗蘭の美しい実(瑠璃色の)でしたが、

  今日のは、花です。  本物を見てみたくなります。