1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「風花」(川上弘美)

2008-07-28 22:02:10 | 
 「風花」(川上弘美)を読みました。川上弘美を読むの、はじめてです。
 夫が浮気しているという匿名電話を、主人公がもらうところから物語は始まります。
「中空にただよってなかなか地面に落ちてこない風花」のイメージ。それは、主人公の心
のイメージなのでしょうね。これから夫とどう向き合っていくのか?離婚すべきなのか?中空
をただよう風花のように、なかなか答えを見つけられないのです。
 主人公の心の揺れと男の僕にはわからない細かい心の機微。2年あまりの長い時間が
かかったけれど、結論に向けて、徐々に徐々に主人公の心の輪郭が定まっていくあた
りは、なかなかおもしろくて一気に読んでしまいました。
 彼女の出した結論も正解かなって思ったし、夫婦というのはドジョウの罠のように
入るのは簡単だけれど抜けるのはむつかしいというのも、その通りだと思ったし。
 しかし、男というのは、身勝手なものです。ほんまに、そう思う。