そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

2015年 徒歩の旅 第33日  外ヶ浜町・龍飛崎シーサイドパークへ

2016年04月29日 | 2015年太平洋側の旅-後半
2015年5月3日(日) 晴 (中泊町・今泉七平展望台
                ~外ヶ浜町・龍飛崎シーサイドパーク)




静かな夜で、快適に眠った。

3時30分、目覚めると丸い大きな月が、十三湖を照らしていた。


4時30分、出発。国道339号線(小泊道)を行く。


まだ暗いが、早朝の気持ち良い空気の中。




4時50、道の駅近し。この辺りを今でも「安藤氏の里」と呼ぶのか。安藤氏はかつての津軽、十三地方の支配者。


4時51分、日の出。


旧市浦村の名残の案内図。市浦村は五所川原市に合併。


5時、「道の駅 十三湖高原」へ。




「義経北方伝説」
「一一八九年(文治五年)岩手県衣川の高館に藤原氏に匿われていた義経を、源頼朝の強力な圧力に耐えかねて藤原泰衡が攻撃したとき、一家の杉目太郎行信が義経の身代わりとなり戦死した。
 義経は津軽に亡命し、十三湊秀栄の隠居所壇林寺に一時身を隠し、その後算用師峠を越えて三厩へ出たと伝えられている。」


展望台から十三湖。




端午の節句近し。




5時35分、十三氏の居城だった福島城外堀跡。


道筋には桜。




5時50分、福島城跡。


6時、相内川にかかる於瀬洞橋の「安藤舟イラスト」。


山王坊日吉神社入口の「安藤文化顕彰シンボル塔」。




安藤史跡案内図。


右手、大沼あたりの風車群。


7時、いくつかアップダウンを越えて日本海。




風雪の厳しさを語る廃屋。


7時30分、国道から離れ脇元の漁村。












海辺にいたお婆さんと立ち話。海ではワカメやアワビなどが採れるがあまり収入にはならない。自分たちで食べるだけ。半農の人も少しはいるが、以前は出稼ぎが多かった。今では老人ばかりだから‥‥。風がもの凄い。秋から春先まで冬中吹く。私は慣れちゃったから、と。――厳しい生活だ。





8時、五所川原市を後に再び中泊町へ入り海岸沿いを行く。








大きな坂を上り下りして小泊へ。

9時、小説「津軽」の像記念館へ。






開館直後で、一人だけ。






ここは、斜陽館と異なり、太宰と越野タケさんとの結びつきに関する展示。シアターで生前のタケさんのインタビューのビデオなどを見た。

太宰像、


幼い太宰像、


若いタケさん像。


10時、竜泊ラインへ。龍飛まで23㎞、約6時間かな。


途中、「道の駅 こどまり」で小休止し、当地名産のイカ焼きを食べる。

小泊の街は、南からも北からも大きな坂を越えねばならず、むしろ海上からの方が場合によっては容易だったのかもしれない、と思われた。

海を見つつ、北上。海は青く、波は静か。風に吹かれて歩く。




中泊観光案内図。








11時30分、青岩。






12時、七つ滝を過ぎ、


12時15分、先方にこれから行く上り坂が見える。


12時20分、みちのく松陰道入口。見たところかなり険しそうな谷筋だったが、北方の国防という松陰の使命感にとっては何ということもなかったのだろう。(道は津軽半島北部を横断して三厩湾に抜けている。)




おもむろに上りが始まる。


ずんずん上る。


とにかく上る。




緑濃き津軽の森を眺めつつ、


あっ、あーんな高い所に建物が‥‥。


それでも上る。


14時10分、標高475mの眺瞰台(さっきの建物)に着く。2時間で500m近く上ったのか、ふぅ。

展望台より。








龍飛崎と、その先に津軽海峡をはさんで北海道も見える。


後はもう、龍飛目指して緑の中をじゃんじゃん下る。








15時25分、外ヶ浜町に入る。


16時、竜飛崎到着。


売店で焼き団子を食べていたら、「十三の砂山ナーヤーエ 米ならよかろナー 西の弁財衆にゃエー ただ積ましょ ただ積ましょ‥‥」と、浅利みきさんの青森民謡「十三の砂山」が流れてきた。今回の旅の本州最北端である。しみじみとずいぶん遠くまで歩いてきたなぁ、と思った。

龍飛シーサイドパークのテント場に設営。風もの凄し。宿泊、500円。




設営後、周辺散策。

国道339号線の階段国道を下り、










太宰の「津軽」の碑。








太宰が泊まった旧奥谷旅館。現在は龍飛館という観光案内所。残念ながら時間がなくて入れなかった。






途中で出会った小学生たち。危ないから下りな、と言ったが、平気な顔。どこから来たのかと言うので、「東京だよ」といったら、口々に「東京」「東京」と、彼らにとって東京ってどういう所なんだろう。


竜飛漁港。




竜飛崎灯台。






丘の上の展望台から、




西海岸。




佐藤佐太郎歌碑。
「陸はつる海の光に草山は
  黄菅の花の輝くあはれ 」


川柳作家 川上三太郎碑   
「龍飛岬立てば風浪四季を咬む」


大町桂月碑。
「東西の波たゝかひて霰かな」と、 
「陸奥の海岸線」より「龍飛岬」。




砲台と


吉田松陰の漢詩碑
「去年の今日
巴城を発す
楊柳風暖かに
馬蹄軽し
今年北地
更に雪を踏む
寒沢卅里
路行き難し
行き盡す
山河万の夷険
滄溟に臨んで 
長鯨を叱せんと欲す
時平かにして 
男子空しく忼慨す 
誰か追う
飛将青史の名」
 


2015年 第33日(佐多岬より95日)

歩数  71011歩    (佐多岬より累計  4867347歩)
距離  40㎞       (佐多岬より累計  3231㎞)
費用  2311円     (佐多岬より累計  466238円)

明日はいよいよ海峡を越えて北海道だ。