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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

フルートとヴァイオリンの練習をしました。声楽の発声法にも良いフィードバックがあるかも知れません。

2017-04-01 23:44:49 | より良く歌うために

 声楽にしろヴァイオリンにしろフルートにしろ、上達するには目標とする具体的なイメージを持つことが大切だと思っています。より具体的に言えば、練習するときも常に、声楽であれば最も良い声で歌うこと、ヴァイオリンであれば最も美しい音色の音を出すことを最優先することです。ヴァイオリンであれば音程を作る左手よりも、発音をつかさどる右手の使い方を常に優先すること。フルートの練習でも常に最も良い音を出すことを意識することが重要だと思っています。それから自分が吹くフルートの音色が音域・音程によってかなり変わることも判っているつもりです。

 ところがフルートの場合は、どの様な音が目指すべき良い音でどの様な音が避けるべき良くない音なのか、今一つ判っていません。とは言えフルートのレッスンを何回か受けるにつれ、目指すべきフルートの音色が(音域ごとに若干ことなりますが)少しづつ判ってきました。フルートを吹くには息のスピードが重用ですが、息のスピードが最優先ということではなさそうです。口をすぼめれば息のスピードは速くなりますが、他を犠牲にしても息のスピードだけを優先すれば良いものでは無いようです。口腔を出来るだけ広げて、それも横に広げるのではなく縦に、そしておそらく奥行き方向にも空間を設けること、より具体的にはゆで卵をまるまる一個口の中に入れている様なイメージでフルートを吹くと、自分自身の口腔にも共鳴してフルートの音色が深く豊かになるようです。

 フルートの音域は3オクターブと言われているようですが、先ずは真ん中の中音域=第二オクターブで出来るだけ均質に豊かで柔らかい音で吹奏出来る様に口腔の体積と唇や頬の脱力、息のスピードと量をコントロールできるように、あるいは十分コントロールされた中での最も良い状態を自分自身の体にしみ込ませることが重要だろうと思います。ということで前回のフルートのレッスンから帰宅した後で、腹筋がつってしまいました。声楽でもフルートでも息の支えは共通ですが、声楽は中音域では結構サボることができますが、フルートは音域がどこであろうと常にきっちりと支えていないと、どうやら支えていないことが先生にはバレバレの様です。

 そんなこんなの状況ですが、今日はレッスンもなく自宅でマイペースで練習が出来ました。アルテの教則本の初めの方は初見でも楽勝です。第一オクターブの高音域と第二オクターブの低音域を行ったり来たりするパッセージでは第二オクターブの「レ」の音で左手の人差し指をオープンにしなければならないのが未だに慣れません。

 ひとしきりフルートの練習をした後でヴァイオリンの練習も小一時間ほど行いました。兎に角左手の動かし方だけを意識して、肘を内側に絞る意識で練習しました。自分なりに試行錯誤する中で左の掌をスプーン状にすぼめる状態を保持することで今までよりはスムーズに左手を使える様な感覚を感じました。次回のヴァイオリンのレッスンの際に先生に確認してみたいと思っています。

 ということで、フルートとヴァイオリンに関して、少しづつですが進歩を実感できた今日でした。ついでに声楽ですが、フルートでも吹奏時に喉を閉めてはダメで、喉を閉めない確認のために吹奏している音程と同じ音程で歌うという確認方法があります。これは同時に声を出すときに喉が閉まっていないかをフルートを吹きながら声をだすことで確認できるということでもあります。で、この時ばかりは自らの発声法のチェックとして喉の筋肉の脱力と力みをチェックしていましたね。もしかしたらフルートの練習をすることで、これまで声楽のレッスンでは越えられなかった壁を越えられるかも知れません。


何事も良い姿勢が基本です。 一昨日の補足です。

2017-01-06 22:33:54 | より良く歌うために

 良い姿勢が基本です。とは言え幾何学的な姿勢だけを言っているのではなく、その姿勢を保っている体の状態が重用です。体の状態とは何かというと、適切な脱力が出来ていること、言い換えれば必要以上に力んでいないこと、これが最も重要だと思います。歌いだす前に足裏で舞台の床を確認すること。前傾でも後傾でもなく体重が重心の真下にドンとかかっていること。足裏の位置で言えば体重は母指球にかかるべきではありますが、体重の全てを母指球にかけるのは違います。母指球と各指に分散していることが重用です。というのは特に高いヒールを履く女性では足の指に体重がかかっていない人が多いとの分析もあるようです。足裏で舞台の床を確かに感じるためには、立った状態で靴の中で曲げて、足の指で床をつかむように意識することです。このことの予備的なトレーニングとしては足指でのタオル手繰り寄せトレーニングがあります。素足で椅子に座ります。床の上に広げたタオルの一端に足の指をのせ、足の指でタオルを手繰り寄せるトレーニングです。これを行っていると、ハイヒールを履いている女性でも足の指にも体重がかかるようになるそうです。

 靴の中でほんの少しだけ足を曲げて床をつかむイメージを確認します。これだけで重心が少し下がります。緊張して上手く歌えない時に”上がってしまった”と言いますが、”上がって”いるときは重心も高くなっていると思います。”上がった”時には深呼吸が有効ですが、足指を曲げて床をつかむイメージを確認することでも重心が下がって”上が”らなくなる効果が期待できると思っています。

 本番前のゲネプロでもリハーサルでも、舞台上でどの位置で歌うのが最もよく響くかを確認し、足の指で床を掴むイメージを確認しておきます。本番が来たら舞台上の歌う位置まで進んだら、足の指で床を掴むイメージを再確認し、体重が母指球と各指にかかっていることを確認し、体の重心が下がっていることを確認します。その後でこれから歌う歌の歌いだしにおける息の流し方をイメージして、前奏がある場合には前奏の途中で曲のテンポに息のタイミングを合わせるように、特に歌う直前の息を吐くタイミングに集中して、吐いた後は息が必要量だけ無意識に肺に入るようにタイミングだけに集中して、後は歌いだすタイミングに合わせて少し早めに息を流しながらジャストタイミングで声帯から声が出るように声帯を柔らかく合わせて行きます。

 言葉にするとこのようにくどい表現にならざるを得ませんが、実際には一連の動作としてほぼ無意識に、意識するとしても考えすぎないように最小限確認するポイントのみを絞って確認する。それが無意識のルーティンになれば”上がる”ことなく歌えるようになると思っています。調子のよい時にはほぼ無意識にルーティンをこなしている自分がいます。調子が悪いとき、緊張して”上がって”しまった時というのは、このルーティンのどこかがほころんでいるんでしょうね。”上がって”いる時ほど自分では何処がほころんでいるのか判らない、普通の人間はそんなものですね。


何事も良い姿勢が基本です。

2017-01-04 22:15:37 | より良く歌うために

 一週間ぶり、といっても正確には六日ぶりで出社して仕事をしてきました。年休を使って今日まで休んでいる部員も多く、普段より静かなオフィスで仕事に集中できました。出社してパソコンを立ち上げると、退社直前にパソコンをシャットダウンするまで、ほぼパソコンとにらめっこ状態です。以前は悪い姿勢で肩こり首こりが酷くつらかったものですが、様々な情報を取り入れて自分なりに咀嚼してきた中で、まずまず快適に過ごすことが出来るようになっていると自負しています。

 歌う際の姿勢についても同じことが言えると思っていますが、日本人の半数以上の人は自分が猫背であることに気が付いていません。頭が前に落ちています。思い頭を首と肩の筋肉で支えているのでこらないはずがありません。頸椎が前に傾斜しないよう、頭が腰の真上に乗るように、筋肉の力で支えるのではなく頸椎と脊椎の真上に頭をもってきましょう。そのためには実は骨盤が前傾もしていなく後傾もしていない様に立てておくのが重要です。骨盤を前傾も後傾もしない様に立てるためには、バレーボールぐらいの大きさのバランスボールを二つ用意して、どちらのボールも空気を半分ぐらい抜いてベコベコにしておきます。それを椅子の座面に左右に並べてその上に座ると、自然と骨盤が立つと同時に、前に落ちていた頭が斜め後ろに上昇して、骨盤の真上に頭蓋骨が乗るようになります。このポジションでは首や肩の筋肉の力で頭を支える必要がないので、首こり・肩こりから解放されます。あっという間に解放されるという訳ではありませんが、時が経過するとともに気が付くとこりがなくなってきます。

 それでもまだ肩がこる人は、無意識に肩をすぼめてはいませんか?肩の筋肉を脱力して腕の重さで肩の筋肉が引っ張られる感触を確認してみましょう。歌う時も両腕の重さを感じられるかどうかが肩の筋肉が緩んでいるかどうかのチェックポイントです。歌いだす前の息を整えるルーティンより更に前、舞台の袖から歌う位置まで進んで立ち止まって、観客席の奥まで目線を飛ばした後ぐらいに、骨盤の傾斜と腕の重さを確認することもルーティンにすべく意識して行っています。更にその前には両足の裏で自分の体重を確認することもありますね。これらのことを常に同じ順番で確認する癖をつけると、ルーティンとなって上がらずに済むようになってきます。

 歌うにしろ、オフィスでのパソコンワークにしろ、足裏で体重を感じ、骨盤の傾斜が前傾も後傾もせず、頭蓋骨が骨盤の真上に乗っている=頭は腰の真上、言い換えると両の耳たぶは肩の上に乗っていますか、肩よりも耳たぶが前に出てはいませんか? もう一つは肩の筋肉の不必要な緊張をとるためには両腕の重さを感じているかどうか確認すること。

 本日の仕事始めでパソコン作業をしつつ、姿勢の重要さは歌にも共通するなと再確認した次第です。


良い声の魅力

2016-12-06 23:09:52 | より良く歌うために

 一昨日、日本で活動されているロシア人バリトン歌手の、ヴィタリ・ユシュマノフ氏の歌を聴く機会がありました。共鳴腔の形状が日本人とは全く異なるのでしょうね。これまで何人もの日本人バリトン歌手の声を比較的近くで聞いてきましたが、その誰とも違う良い声でした。ユシュマノフ氏の様な声で耳元で愛を囁かれたら殆どの女性はその声の魅力に抗えないのではないかと思った次第です。それほどまでに人の声が、歌ではなく話し声だとしても、聞く人の耳に心地よく響くことがあることをあらためて思い知りました。

 で、声の魅力といった場合に思い浮かぶのは豊かな低音の響きですね。決して高声ではないところが、オペラでヒーローとヒロインを担うテナー、ソプラノで無いというところが興味深いと思います。オペラと言えばイタリア、ドイツ、フランス等のヨーロッパで花開いた文化ですが、イタリアではカストラートという去勢した成人男子が唄う力強い高音域がもてはやされたのに対し、フランスではカストラートの声は不自然ということで受け入れられなかった歴史があります。ということはイタリアとフランスでは人の声の高さに対する好みが異なるということですね。日本人は低音の魅力を好みますが、ヨーロッパの人々は高めの声質を好むのかもしれません。あるいはオペラ上の役として若い男女は比較的声が高く、歳を重ねた役は声質を低くするという約束があるのかも知れませんね。

 歌を歌い祭には、オペラであろうが歌曲であろうが、詩の内容を良く理解した上でその内容にふさわしい所作や目線で唄うことが重要、少なくとも詩の内容と矛盾するような所作や目線で唄うと、その内容を分かっている聞き手からすると白けてしまうということがあります。どの様な人が聞いているかわからない時は、その時点で歌い手にとって出来得る限りの歌詞の研究を行った上で歌うべきと思ってきました。

 しかし、多少歌詞の内容にくらべて所作や目線がことなっても、圧倒的に良い声で歌われると、もうそれだけで納得してしまいます。納得している訳では無いかもしれませんが、その声をずっと聴き続けていたいと思わせる魅力的な声が存在することも確かですね。仮に感想を聞かれたとして、良かったとか、感動したということではなく、声の良さに魅了された、この声を聞けるなら歌い方や詩の解釈がどうしたこうした等は全く気にならない、とにかくもっと聴き続けていたい、そういう声を持っている人っているものですね。


サ・シ・ス・セ・ソなのか シァ・シィ・シゥ・シェ・シォなのか ?

2016-11-13 22:09:02 | より良く歌うために

 発音の話です。主に英語を対象として、日本人は「L」と「R」との違いを聞き分けられない=発音し分けられないと言われています。確かにその通りですが、日本国内にとどまらず世界中で有名な話になっており、そのため「L」と「R」とを聞き分けられるようになるためのソフトも随分前に販売され、それを利用して私自身99%以上聞き分けられるようになっています。聞き分けられるようになれば自然と発音も区別できるようになるものです。

 「L」と「R」との区別とは、イタリア語やドイツ語の発音で言えば巻き舌にするかしないかの違いに置き換えることも出来ますが、文字情報で区別するよりも遥かに、音声情報で区別するのは困難です。音声情報で「L」と「R」との区別が概ね出来るようになると、次の課題としては「S」と「Sh」になろうかと思います。私自身が「L」と「R」との使い分けが出来る様になった後で、2007年の1月に勤務先の費用負担で1ヶ月間ニューヨークの語学学校に短期語学留学研修に言った時も、「S」と「Sh」の使い分けがきちんと出来るようにしたいと意識していました。私が研修に行っていた後半にフランスから研修に来た魅力的な女性と同席するようになりました。アメリカ人の講師によれば、国籍によって明らかに英語発音に関する得手不得手があるそうで、当然日本人は「L」と「R」との使い分けだそうですが、フランス人にとっては「H」の発音が母語に無いため不得手だそうです。フランス人にとっては「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」は「ア・イ・ウ・エ・オ」ですね。ただフランス語の「e」は音としては「ウ」になるので「ア・イ・ウ・ウ・オ」でしょうか。

 私が通った語学学校で与えられた教材の中には、次のような早口言葉=Tongue twisterもあって、英語を母国語にする人にとっても「S」と「Sh」との区別は必ずしも容易では無いのだろうと思って安心した次第でもあります。

She sells seashells by the seashore.
The shells she sells are surely seashells.
So if she sells shells on the seashore, I’m sure she sells seashore shells.

 と言うことで長年気になっていた「S」と「Sh」の使い分けですが、音声情報だけでは中々区別することはできず、視覚=文字情報と音声情報とが整理・統合されて初めて使い分けが出来る水準への道が開けると思います。正にその瞬間が今日ありました。そのきっかけが何だったのかは忘れてしまいました。あまりにその結果が際立っていたからです。つまりはネットで検索したところ強引に区別するのであれば「S」は「サ・シ・ス・セ・ソ」、「Sh」は「シャ・シィ・シゥ・シェ・シォ」と考えると大きな間違いは無いとのことです。また「L」と「R」の区別は元々日本語のカタカナでは書き分けようが無いのに対して、「シ」と「スィ」とは書き分けられるにも関わらずどちらでも日本語としては概ね通じるためにかえって区別し難くなっているのではないかとの指摘もありました。

 これまでの物心ついてからですら半世紀以上になる自分の来し方を振り返っても、気付く機会はいくらでもあっただろうにと思いますが、「S」は「サ・シ・ス・セ・ソ」、「Sh」は「シャ・シィ・シュ・シェ・シォ」と言うことを意識して使い分けたいと思います。”何故今まで気付かなかったのだろう”と思うべきか、”良いことに気がついた、良しこれからに活かそう”と思うべきか。”何故今まで気付かなかったのだろう”という反省を踏まえつつ、”これからに活かそう”と思います。