1. 子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まると書かれているが、その事実は音楽やスポーツなどの才能の種類は関係ないのですか?
答:もちろん,どんな音楽やスポーツかによって異なると思います.しかし,いくつかの種類(系統)に分かれると思います.有名な選手でも,子どもの頃にフットボールをしていて相撲さんになったとか,サッカーをやっていてから陸上競技に移ったという人もいます。
2. 「早期教育もやり方によってはメリットがある」と本に書かれていましたが、具体的にどのようなやり方をすればメリットに繋がるのでしょうか。
答:たぶん,いわゆる根気強くなるとか,その内容に才能があれば,優秀になれるというようなものだと思います.ですから,一般に考えられているような,早期教育で優秀になって良い大学に入れるというものではないと思います.
3. 早期教育教材はあまり効果がないといわれていますが、小学校受験なども育脳にはあまり効果がないのですか。
答:無いと思います.しかし,目先の目標でなく,幼児期から外国の大学を目指すというような長い目で見た育脳は必要だと思います.その場合も,何かができるようになるというのでなく,いろいろなことに興味を持って取り組む態度を作るとか,一度決めたことを根気強く行うというような,生きること全般に関係するような視点から考えることが大切だと思います.
4. 教育には、「親が行うべきもの」や「教師が行うべきもの」といった分野があるのでしょうか。
答:もちろん,あると思います.例えば,朝ご飯をきちんと食べるというのは親にしかできないことだと思います.そのためには,親自身も規則正しい生活をする必要があるでしょう.学校では,特に集団行動などの社会性を身につけさせることは家庭ではできないと思います.
5. 科学的に「心」というものを捉えることは本当に可能ですか。
答:私は、「心」を,自分で自覚することのできる、自分に関連した認知と情動(感情)だと考えています.科学的という意味で、それを数字で表せるようなものとして測ることができるかというと難しいかもしれませんが、心理学は、それを目指しています。また,自分でもわからない,自分の「心」もあるという可能性があります.
6. 先生ご自身が子育ての中で一番苦労なさった事は何でしたか?
答:なんだろう.もう忘れてしまったなあ.一番苦労したというか難しかったのは,やはり女の子が高校生の時にコミュニケーションが取りにくかったことかな.
7. 先生は自分の子育ての経験の中でこれはよかったというものがなにかありますか?(私たちにも伝えたいような子育て論など…)
答:うーん.子どもと一緒に暮らしていたことが,とても楽しかったという気持ちがあるので,皆さんにも,子どもを育てるときには一緒にいる時間を楽しんで欲しいと思っています.
8. 先生は「コツコツ取り組む」人ですか、「一気に駆け上がる」人ですか。私はどちらにも良さがあると思うのですが、先生はどう思われますか。
答:自分では,ぎりぎりまでやらないでおいて,一気にやるタイプだと思っているのですが,周りの人からは,努力タイプだと言われることもあります.たぶん、場面によって両方持っているのだと思います。
9. 嫌いな教科でもやらざるを得ない時に、「これは好きだ」と思いこみながら学習すれば成果はあるのでしょうか?
答:もちろん,ありますよ.人間関係も,こちらから好きになると嫌われることが少ないですよ.私は,どんな人も,みんな好きです(笑い).
10. 何か心理学の本を読みたいのですが、お勧めの本はありますか?
答:そうですね,やはりあなたの興味によると思います.心理学は,領域が広いので,興味のあるところから読むのが良いと思います.心理学は,一冊で,すべてを扱っているものはありません.ですので興味があるところ,面白いと思う領域から読むのが良いと思います.例えば,私が今,興味があるのは,なぜ,人間は,悲しいとか嬉しいとか感じるのかということです.その場合はマッガウの「記憶と情動の心理学」やラマチャンドランの「脳の中の幽霊」は,おもしろいですよ.
11. 自分は極度の飽き性です。これを治す方法はあるのでしょうか?
答:おやおや,それは,逆に考えれば,いいことですよ.いろいろなことに興味があるということですよね.そのうちに,強い興味を持ったことが出てくれば一生懸命になると思います.
12. 私は朝起きるのが苦手で最近遅刻ぎりぎりに登校したり、寝過ごして1限目の授業に出席できなかったりして困っています。何か朝起きやすくなるような工夫があったら教えてほしいです。
答:規則正しい生活と適度な運動ですね(それができないから質問しているのにって・・・・).それじゃ,酒を飲んで早く寝る,ですね.
13. 夏に海外に行きたいと思っています。5万から10万で行ける先生のお勧めのところがあったら是非、教えてください。
答:5万から10万ですか.そうですね。日数にもよるけど,アジアでしょうね。台湾か韓国か中国でしょうね。このゴールデンウイークに娘が台湾に行ったそうですが、台湾は私の印象でも、世界で一番親日的ですね。(でも、もし韓国に行ったら,少女時代によろしく).
14. 確かに成長をしたいことに対し「楽しい」と思うことは大切ですが、子どもが間違った方向に「楽しさ」を感じてしまったら…と恐い思いもあります。子どもが「非行に走ること」に楽しさを感じないようにするには、どういうことが必要だと先生は思いますか?
答:基本は,大人の態度でしょう.子どもは,何かを言われたり,指導されて育つのではありません.一緒に,遊んだり生活をしたりする中で,大人の行動や態度から学ぶことが多いのです.そこで,大切なのは,大人が,一生懸命仕事にだけ専念すれば良いというのではなく,子どもと関わりを持つことで,その一生懸命さがわかるということです.ですから,社会的には良い仕事をしているからといって,子どもとの関わりがないと,子どもはその良いところを学んでくれないと言うことになります.
15. 今回の本は、子育てをしたことのない僕ですがとても実用的なものだと思いました。そこで実際に子育てをされたことのある先生はこの本は実用に耐えうるものだと思われますか?他愛のない質問ですみません!
答:一応,良いと思って,この本を選びました.もし足りないとすれば,この本でも含まれていますが,社会全体と子どもの教育の関係と子どもを育てるときに必要な視野の広さについて述べて欲しい気がしました.
16. 前回の質問への回答ありがとうございました。男女差別について、先生は日本が昔から男女で仕事を分業してきたことが関わっているからだと思うと仰っていたので、気になったのですが、先生の家庭ではワイフさんとどのようにして家の仕事を分担しているのですか?差し支えなければ教えてください。
答:基本的には,家庭を仕事を分担はしていません.実際には分担になってしまうかもしれませんが,"分担するというのでなく一緒に行う"というのが基本だと思います.例えば,食事も一緒に作るのが基本ですがワイフが忙しければ私がやります.以前にも,書いたのですが,家事と育児と仕事を両立するをする自身がないので,子どもは欲しくないとか,結婚しても子どもはいらないなどという女性がいましたが,それは,自分一人で,家事も育児も仕事もこなそうという考えなのでしょう.しかし,それは間違っています.すなわち結婚というのは協同して互いに補うのであって,育児は母親稼ぐのは父親とか洗濯は夫で食事は妻というのではありません.例えば,子どもの食事もワイフが忙しいときには,私が作るというようです.今でも,夕食は,一緒に作ります.例えば,ワイフが焼き物をしていたら,私が魚をさばくとかサラダを作るというようにです.皆さんも"分担するというのでなく一緒に行う"を考えてみてください.
17. この本には前向きにポジティブに考えるといいと述べられていましたが、「有言実行」と「不言実行」であれば一見前者の方が効果がありそうですが、私自身は後者の方が効果が表れるような気がします。この2つのタイプの違いとは一体なんなのでしょうか?
答:それは,自分自身について意識するか,と他の人を意識するかの違いだと思います.自分自身の意欲をかき立てるために「有言実行」をするのは効果があると思います.しかし,他人に対して自分をより良く見せるのであれば「不言実行」が,効果があります.しかし,その内容にもよると思いますが・・・・
18. 本の中で「運動会や遠足など特別な日の前日に具合が悪くなるのはなぜか」というテーマがありました。この本では、特別な日だから印象に残りやすいという解釈でしたが、先生はどう思いますか?私は、保育学基礎で「子どもは丸ごとの存在ある」ということから子どもを一つひとつのパーツとしてみないことを学びました。例えば、気分が落ち込んだり緊張したりするとそれが体に表れるということです。このことから私は、運動会や遠足の前日に具合が悪くなるのもこの「丸ごとの存在」が関係しているのではないかと思いました。
答:そうですね。一人の人間の行動には、それ以外に人間にはわからない多くの要因が影響しています。それどころか、自分でも気がつかない事柄も影響するのですから・・・
19. 社会において、大人でも自己保存の本能が過剰反応することがあると思いますが、それを避けるために周りの対応が変わることが期待できるとはあまり思えません。その場合大人はどう対処していくことが望ましいのでしょうか?
答:基本的に、大人も子どもも、その周りの人間は同じように反応しようとすると思いますが、対応として、できることは、授業でも話したように、過剰な反応に対しては無視をするのが基本だと思います。しかし、他者を傷つけるようなケースの場合はとめることが必要になります。
20. 統一・一貫性が人間の持つ本能であるならば、欧米の人々よりも日本人はその本能が強いということでしょうか?欧米の人々は他人と違っていても自分の意見を持っていて、むしろ他人と同じことを嫌っているという印象があるのですが、そのことと統一・一貫性の本能とはどう関係しているのですか?
答:いや、本能ではないと思います。日本と学校教育、特に、中学校での教育が統一・一貫性を持つように、し向けているのだと思います。
21. 前回は回答ありがとうございました。また質問させてください。例えばクラスに2人の生徒がいるとします。あまり話さない気弱そうなおとなしい生徒と、教師に反発したり髪を染めたり、いわゆる不良の生徒。それぞれの背景に問題(家庭事情など)を抱え、不登校になった場合でも、おとなしい生徒の方に注意・関心が向けられ、不良の生徒に対してはケア的な面での配慮が入りづらい傾向があると思います(私の母校はそうでした)。もっと言うなら、前者のタイプは心配され、後者は敬遠されるという図は何も、義務教育期間中に限ったことではない気さえします。私には、ベクトルの向きが内側(例:自己)に向いているか、外側(例:他者)に向いているかの違いでしかないように感じられてならないのですが…根本は両者とも大きく変わらないのではないか、というのが私の持論です。まとまりない説明ですみません。よろしければ,先生のご意見をお願いします。
答:そうですね。不登校は圧倒的に前者のほうが多いですね。そして、いじめは、いじめる方は後者が多いですね。そう考えると、結果として、学校に行けないとか、自殺をするなどというマスコミの話題に上るような自体が生ずるのは前者が目立つことから、学校でも、その責任を回避したいという気持ちも働いているのだと思います。また、30年位前までは、反社会的な生徒(後者)の方が、非行という形で扱いにくいことから問題となっていたのですが、それらの生徒の過激さが減少したことと、カウンセリングの対象としては前者が対象とし易いことから、今のようになってきたのではないかと思います。
答:もちろん,どんな音楽やスポーツかによって異なると思います.しかし,いくつかの種類(系統)に分かれると思います.有名な選手でも,子どもの頃にフットボールをしていて相撲さんになったとか,サッカーをやっていてから陸上競技に移ったという人もいます。
2. 「早期教育もやり方によってはメリットがある」と本に書かれていましたが、具体的にどのようなやり方をすればメリットに繋がるのでしょうか。
答:たぶん,いわゆる根気強くなるとか,その内容に才能があれば,優秀になれるというようなものだと思います.ですから,一般に考えられているような,早期教育で優秀になって良い大学に入れるというものではないと思います.
3. 早期教育教材はあまり効果がないといわれていますが、小学校受験なども育脳にはあまり効果がないのですか。
答:無いと思います.しかし,目先の目標でなく,幼児期から外国の大学を目指すというような長い目で見た育脳は必要だと思います.その場合も,何かができるようになるというのでなく,いろいろなことに興味を持って取り組む態度を作るとか,一度決めたことを根気強く行うというような,生きること全般に関係するような視点から考えることが大切だと思います.
4. 教育には、「親が行うべきもの」や「教師が行うべきもの」といった分野があるのでしょうか。
答:もちろん,あると思います.例えば,朝ご飯をきちんと食べるというのは親にしかできないことだと思います.そのためには,親自身も規則正しい生活をする必要があるでしょう.学校では,特に集団行動などの社会性を身につけさせることは家庭ではできないと思います.
5. 科学的に「心」というものを捉えることは本当に可能ですか。
答:私は、「心」を,自分で自覚することのできる、自分に関連した認知と情動(感情)だと考えています.科学的という意味で、それを数字で表せるようなものとして測ることができるかというと難しいかもしれませんが、心理学は、それを目指しています。また,自分でもわからない,自分の「心」もあるという可能性があります.
6. 先生ご自身が子育ての中で一番苦労なさった事は何でしたか?
答:なんだろう.もう忘れてしまったなあ.一番苦労したというか難しかったのは,やはり女の子が高校生の時にコミュニケーションが取りにくかったことかな.
7. 先生は自分の子育ての経験の中でこれはよかったというものがなにかありますか?(私たちにも伝えたいような子育て論など…)
答:うーん.子どもと一緒に暮らしていたことが,とても楽しかったという気持ちがあるので,皆さんにも,子どもを育てるときには一緒にいる時間を楽しんで欲しいと思っています.
8. 先生は「コツコツ取り組む」人ですか、「一気に駆け上がる」人ですか。私はどちらにも良さがあると思うのですが、先生はどう思われますか。
答:自分では,ぎりぎりまでやらないでおいて,一気にやるタイプだと思っているのですが,周りの人からは,努力タイプだと言われることもあります.たぶん、場面によって両方持っているのだと思います。
9. 嫌いな教科でもやらざるを得ない時に、「これは好きだ」と思いこみながら学習すれば成果はあるのでしょうか?
答:もちろん,ありますよ.人間関係も,こちらから好きになると嫌われることが少ないですよ.私は,どんな人も,みんな好きです(笑い).
10. 何か心理学の本を読みたいのですが、お勧めの本はありますか?
答:そうですね,やはりあなたの興味によると思います.心理学は,領域が広いので,興味のあるところから読むのが良いと思います.心理学は,一冊で,すべてを扱っているものはありません.ですので興味があるところ,面白いと思う領域から読むのが良いと思います.例えば,私が今,興味があるのは,なぜ,人間は,悲しいとか嬉しいとか感じるのかということです.その場合はマッガウの「記憶と情動の心理学」やラマチャンドランの「脳の中の幽霊」は,おもしろいですよ.
11. 自分は極度の飽き性です。これを治す方法はあるのでしょうか?
答:おやおや,それは,逆に考えれば,いいことですよ.いろいろなことに興味があるということですよね.そのうちに,強い興味を持ったことが出てくれば一生懸命になると思います.
12. 私は朝起きるのが苦手で最近遅刻ぎりぎりに登校したり、寝過ごして1限目の授業に出席できなかったりして困っています。何か朝起きやすくなるような工夫があったら教えてほしいです。
答:規則正しい生活と適度な運動ですね(それができないから質問しているのにって・・・・).それじゃ,酒を飲んで早く寝る,ですね.
13. 夏に海外に行きたいと思っています。5万から10万で行ける先生のお勧めのところがあったら是非、教えてください。
答:5万から10万ですか.そうですね。日数にもよるけど,アジアでしょうね。台湾か韓国か中国でしょうね。このゴールデンウイークに娘が台湾に行ったそうですが、台湾は私の印象でも、世界で一番親日的ですね。(でも、もし韓国に行ったら,少女時代によろしく).
14. 確かに成長をしたいことに対し「楽しい」と思うことは大切ですが、子どもが間違った方向に「楽しさ」を感じてしまったら…と恐い思いもあります。子どもが「非行に走ること」に楽しさを感じないようにするには、どういうことが必要だと先生は思いますか?
答:基本は,大人の態度でしょう.子どもは,何かを言われたり,指導されて育つのではありません.一緒に,遊んだり生活をしたりする中で,大人の行動や態度から学ぶことが多いのです.そこで,大切なのは,大人が,一生懸命仕事にだけ専念すれば良いというのではなく,子どもと関わりを持つことで,その一生懸命さがわかるということです.ですから,社会的には良い仕事をしているからといって,子どもとの関わりがないと,子どもはその良いところを学んでくれないと言うことになります.
15. 今回の本は、子育てをしたことのない僕ですがとても実用的なものだと思いました。そこで実際に子育てをされたことのある先生はこの本は実用に耐えうるものだと思われますか?他愛のない質問ですみません!
答:一応,良いと思って,この本を選びました.もし足りないとすれば,この本でも含まれていますが,社会全体と子どもの教育の関係と子どもを育てるときに必要な視野の広さについて述べて欲しい気がしました.
16. 前回の質問への回答ありがとうございました。男女差別について、先生は日本が昔から男女で仕事を分業してきたことが関わっているからだと思うと仰っていたので、気になったのですが、先生の家庭ではワイフさんとどのようにして家の仕事を分担しているのですか?差し支えなければ教えてください。
答:基本的には,家庭を仕事を分担はしていません.実際には分担になってしまうかもしれませんが,"分担するというのでなく一緒に行う"というのが基本だと思います.例えば,食事も一緒に作るのが基本ですがワイフが忙しければ私がやります.以前にも,書いたのですが,家事と育児と仕事を両立するをする自身がないので,子どもは欲しくないとか,結婚しても子どもはいらないなどという女性がいましたが,それは,自分一人で,家事も育児も仕事もこなそうという考えなのでしょう.しかし,それは間違っています.すなわち結婚というのは協同して互いに補うのであって,育児は母親稼ぐのは父親とか洗濯は夫で食事は妻というのではありません.例えば,子どもの食事もワイフが忙しいときには,私が作るというようです.今でも,夕食は,一緒に作ります.例えば,ワイフが焼き物をしていたら,私が魚をさばくとかサラダを作るというようにです.皆さんも"分担するというのでなく一緒に行う"を考えてみてください.
17. この本には前向きにポジティブに考えるといいと述べられていましたが、「有言実行」と「不言実行」であれば一見前者の方が効果がありそうですが、私自身は後者の方が効果が表れるような気がします。この2つのタイプの違いとは一体なんなのでしょうか?
答:それは,自分自身について意識するか,と他の人を意識するかの違いだと思います.自分自身の意欲をかき立てるために「有言実行」をするのは効果があると思います.しかし,他人に対して自分をより良く見せるのであれば「不言実行」が,効果があります.しかし,その内容にもよると思いますが・・・・
18. 本の中で「運動会や遠足など特別な日の前日に具合が悪くなるのはなぜか」というテーマがありました。この本では、特別な日だから印象に残りやすいという解釈でしたが、先生はどう思いますか?私は、保育学基礎で「子どもは丸ごとの存在ある」ということから子どもを一つひとつのパーツとしてみないことを学びました。例えば、気分が落ち込んだり緊張したりするとそれが体に表れるということです。このことから私は、運動会や遠足の前日に具合が悪くなるのもこの「丸ごとの存在」が関係しているのではないかと思いました。
答:そうですね。一人の人間の行動には、それ以外に人間にはわからない多くの要因が影響しています。それどころか、自分でも気がつかない事柄も影響するのですから・・・
19. 社会において、大人でも自己保存の本能が過剰反応することがあると思いますが、それを避けるために周りの対応が変わることが期待できるとはあまり思えません。その場合大人はどう対処していくことが望ましいのでしょうか?
答:基本的に、大人も子どもも、その周りの人間は同じように反応しようとすると思いますが、対応として、できることは、授業でも話したように、過剰な反応に対しては無視をするのが基本だと思います。しかし、他者を傷つけるようなケースの場合はとめることが必要になります。
20. 統一・一貫性が人間の持つ本能であるならば、欧米の人々よりも日本人はその本能が強いということでしょうか?欧米の人々は他人と違っていても自分の意見を持っていて、むしろ他人と同じことを嫌っているという印象があるのですが、そのことと統一・一貫性の本能とはどう関係しているのですか?
答:いや、本能ではないと思います。日本と学校教育、特に、中学校での教育が統一・一貫性を持つように、し向けているのだと思います。
21. 前回は回答ありがとうございました。また質問させてください。例えばクラスに2人の生徒がいるとします。あまり話さない気弱そうなおとなしい生徒と、教師に反発したり髪を染めたり、いわゆる不良の生徒。それぞれの背景に問題(家庭事情など)を抱え、不登校になった場合でも、おとなしい生徒の方に注意・関心が向けられ、不良の生徒に対してはケア的な面での配慮が入りづらい傾向があると思います(私の母校はそうでした)。もっと言うなら、前者のタイプは心配され、後者は敬遠されるという図は何も、義務教育期間中に限ったことではない気さえします。私には、ベクトルの向きが内側(例:自己)に向いているか、外側(例:他者)に向いているかの違いでしかないように感じられてならないのですが…根本は両者とも大きく変わらないのではないか、というのが私の持論です。まとまりない説明ですみません。よろしければ,先生のご意見をお願いします。
答:そうですね。不登校は圧倒的に前者のほうが多いですね。そして、いじめは、いじめる方は後者が多いですね。そう考えると、結果として、学校に行けないとか、自殺をするなどというマスコミの話題に上るような自体が生ずるのは前者が目立つことから、学校でも、その責任を回避したいという気持ちも働いているのだと思います。また、30年位前までは、反社会的な生徒(後者)の方が、非行という形で扱いにくいことから問題となっていたのですが、それらの生徒の過激さが減少したことと、カウンセリングの対象としては前者が対象とし易いことから、今のようになってきたのではないかと思います。