まず,いじめとは何か 討論から
1. 19の質問についてどう思いますか?(19. 教師が,いじめかもしれないと気がついたときには,どうすればよいでしょうか)
答:いじめが明らかであるかどうかによります.まず,子どもを特定せずに,クラス全体に問いかけると同時に,その対象となっている子どもに注意しながら(さらにいじめをうけないために)様子を見ます.その後は,よりひどくなるか,解消するかによって対応を変えて行くのがいいと思います.明らかな場合は,そのグループと話し合いをして,子どもの行為がいじめになっていること,いじめはしてはいけないことを話すのがいいと思います.
2. 長野県のいじめ対策としては何がおこなわれているか
答:前回も,書きましたが,長野県は、私も関わっていたことがありますが、県の教育委員会がイジメの対策をいろいろとやっています。他の県よりも考えていると思います。ネットの長野県教育委員会のホームページで見ることが出来ます。調べてみてください。
3. 他の講義で、「しつけのためなら親は子どもに手を出しても仕方ないか」について討論したとき、多くの人が、子どもは言葉で分からない部分もあるから手を上げる必要がある、愛のムチとして必要だ、と言っていて驚きました。程度の差はあるでしょうが、しつけのときに手をあげるのは、成長に必要でしょうか。
答:その学生さん達は,私の生徒指導の授業を受けたことがないのでしょうか.手をあげるという暴力行為は基本的に必要がないと思います.しかし,どうしてもそれが必要というのであれば,ルールとして,○○をしたら,3回のお尻ビンタだよ.などと決めておく必要があります.叱ったり,怒ったりする場合の一番いけない部分は,その場の感情で(特に,カッとなったりして)体力的に,あるいは立場的に上のものが弱いものを,叱ったり怒ったりすることです.これは,大人の世界でも同じだと思います.
ここから,発達障害の子どもたち 前半
4. 討論の際、もっと見回りに来て欲しいです。前回はいじめという真剣な内容だったのに・関係ない話題で大声で笑い、後半は落書きしているグループがいました。
答:わかりました.目に余るときは,注意します.でも,注意したくないので,このブログを見た人は,気をつけてくださいね.
5. 発達障害の子どもがクラスに1人は絶対にいると言われていて、特別支援教育に関する免許講義や実習などを必修にしようと考えている方たちがいますが、先生はどう思いますか?
答:いいと思います.それを考えて,この必修の生徒指導の中でも多くの時間をかけています.もちろん,他の講義を増やすなど,もっと多くの時間をかけてもいいとも思っていますが,そのためには,大学教員の負担が増えて行きます.その結果,お金もかかります.教育の世界(現場)では,良いと思うことでも,お金が無くてできないことがたくさんあります.
6. こんにちは。初雪も降り、いよいよ冬本番といったところでしょうか。ところで先生は今年のクリスマスはどのように過ごされるのですか。参考にしたいので差し支えなければ、お答えいただけると嬉しいです。
答:えっ,そりゃ,ハワイイですよ.というのは冗談です.たぶん,家でワイフと二人です.教会にミサに行くかもしれません.それにしても,皆さんはクリスマスには何をするのでしょうか.ケーキを食べるのでしょうか?.そうそう,クリスマスというのは,正式には(キリスト教では)12月25日なのですが,日本ではイブの方がにぎやかですよね.日本ではクリスマスになるとクリスマスが終わる?
7. 自分が教師になりたいということに関して、「どんな教師になりたいのか」や、「なぜ私が教師という道を選択したのか」ということが、この時期になってわからなくなってきました。わたしは親にずっと小さいころから「あなたは教師になるのよ」と育てられてきていたため、ずっと他の職業について何も考えずにただひたすらに教育系のみを考えてきました。しかし、今になって他の職業についても魅力を感じてきてしまい、正直このままでは教師になりたいという気持ちがうせてしまうのでは、と不安になってきました。しかし、自分の学科の中で、教師以外を今から目指すとなれば就ける職業も限られてきます。この状況で今私はどうしたら良いのかわかりません。そして、教師以外の道についても親は納得してくれるかもわかりません。私に親を納得させるような理由がないと目指してはいけないでしょうか?また、自分がなぜ今の学科を選んだのかもわからなくなってしまっています。
答:いいですね.じっくりと考えて悩んでください.でも,とりあえず教育学部で教員免許を取ることはすすめます.その後に,教師以外の職業に就くことを考えるといいと思います.そして,何年かして,やっぱり教師をやろうと思ったら,教師になる努力をしましょう.私は,フィンランドのように一度,他の職業に就いてから教師になるのは大賛成です.これまで,私の研究室を卒業した先輩の中にも,そう言う人がたくさんいますよ.大学を出て,ストレートで教師になるのが,あたりまえだという発想は,必要ありません.私も,一度,大学を出て他のことをやり,始めから心理学をやっていたのでないという経験が,その後に生きてきています.日本では,何でもストレートで,他の人よりも,点数の高いことや先に就職することを競争することが多いのですが,「あなたはあなた,人は人」ですよ.やりたいことをやってみましょう.そのやりたいことを見つけるのが難しいというかもしれませんが,きっかけは,何でもいいのです.
8. 川島先生は養護学校実習が二日しかないことをどう思いますか?個人的には介護実習を五日間行うより養護学校実習の期間がもっと長いほうがよっぽど良い気がしてならないのですが。
答:確かに,その通りですが,養護学校では,そんなに多くの実習生と,実習期間を取ることはできません.実習生は役に立っているようで,結局,現場の教師にとって,また子どもにとっても,有益かどうかはわかりません.
9. 実習などで体験したことはこういったレポートなどにどの程度まで公表しても良いのでしょうか。前先生が,研究室の方(?)は絶対子どものことは言わないとおっしやっていたので気になりました。
答:そうですね.レポートで書くのは,私だけが読むのでかまわないと思います.基本的に,プライバシーというのは,不特定多数の人が知ることができるようになるのが問題なのです.そう考えると,最近の,日本の状況は過度に心配しすぎるところがあります.ネットでも,特定の人に対してまで,匿名であろうとする傾向が強すぎる気がします.
10. 発達障害を持った人をカウンセリングする時に一番気をつけていることは何ですか。
答:これは,高橋先生に訊いてみます.
高橋知音先生の回答
その人なりの感じ方、考え方を理解しようとつとめることです。
そして、その人の個性を生かしながら、よりうまくやっていくためにどうしたらよいか、一緒に考えると言うことでしょうか。
これは発達障害のない人との関わりにおいても重要なことだと思います。
11. 発達障害児に対する理解が進む現代で、周りの環境や教師の対応などで、まだ足りないと思う点をあげるとすれば、先生ならどう考えますか。
答:難しいですね.というより,教師をすべて同じように,一般化できないからです.教師はこうあるべきだというのは無理だと思っています.
12. 発達障害の子への実際の配慮や対処については、やはり現場でそういった子のクラスを受け持ち、経験を積む以外に身につけられないでしょうか?
答:そうですね.ある意味では,そのような部分はあると思いますが,知識として,いろいろなケースを知ることは,勉強になることが多いと思います.
13. 発達障害が増加している原因のうち遺伝以外のものには例えば何がありますか?
答:これは,まず,増加しているかどうかがはっきりしません.いえるのは,診断を受けた子どもが多いということです.遺伝以外のものでは,その子どもの家庭環境が多いでしょうね.この本で書かれている虐待なども多いと思います.しかし,それらも,原因の一つとしかいえません.子どもの発達に影響する要因は調べても多すぎて限定できないのが現実だと思います.
14. 特別支援教室というものは、どこの公立学校にも必ずあるものなのですか。
答:小学校では,必ず,あるわけではありません.大きな学校にしかありません.中学校では,町の中の学校にはほとんどあります.
15. 長野県の特別支援教育は整備されてきたと言えるのだろうか。
答:他の県と同じ程度にはできていると思います.
16. 養護学校から通常の学校に転校するというケースを先生は実際に聞いたことはありますか?
答:時々,あると思います.特に,家族が引っ越した場合,近くに適当なところがない場合などをきっかけに,通級などになったケースを知っています.
17. 教師に一番必要なものは何だと思いますか。また、教師を目指す若者に足りないものは何だと思いますか。
答:それは,教師によって異なると思うので,すべての教師がというわけにはいきませんが,私は,自己一致(純粋性)が大きな要因かなと思います.教師を目指す若者に足りないものも,みんなに共通するものというのは,答えられません。たぶん,一人一人,異なるのではないでしょうか.
18. 今日の授業は休めない、でも異常に眠たい、そんなときはどうしたらよいですか?
答:そりゃ,授業に出て,寝る以外ないでしょうね・・・・