かわティブログ 「発達と教育」と「生徒指導概論」

  平成24年度後期のシラバスは10月3日にあります。

質問と回答:生徒指導概論A (木) 111222 いじめとは何か 後半

2011年12月23日 | Weblog
 質問が減ってきて,ちょっと寂しいです.でも、授業はあと3回です.がんばって!
それじゃ、良いお年を!


1. 心の中の傷を確認したり癒す方法にはどのようなものがありますか?
  答:他の人に関わってもらい,話をきいてもらうというのが一番効果的だと思います。信頼のできる人に,打ちあけるというのが基本になります.もちろん,カウンセラーでもいいと思います.また,話をきいてもらうのでなく,文章にして自分の気持ちをまとめるのもいいと思います。その他に,カウンセリングのいろいろな技術や方法が役に立ちます。例えば,認知行動療法のように,自分の認知を変えるように、努力することもいいでしょう。そのためには、本を読んだり、視野を広めるために旅をするのもいいと思います。結局、心の傷が、たいしたことがないものであり、世界には、もっといろいろな事象があるのだということ知るのことで心を癒すことになるのです。知識をひろげ、視野を広げることは、人間が生きてゆくために、生きて行きやすくなる効果があるのです。さらに、リラクゼーションやスポーツ、芸術などの身体を動かし、自分の能力を表現することも同じような意味を持っていると思います。



2. 先生が今夢中になっているものはなんですか?
  答:仕事に関係のないことという意味ですよね。それなら、最近、ノートパソコンの分解と修理に凝っています。おかげでノートパソコンは10台以上になり、人にあげています。ちょうど、陶芸に凝って作った茶碗やコップを人にあげて、いやがられているようなものかもしれません。パソコンが何台もあっても使いこなせませんからね。その他の時間は、どうしても心理学や大学の仕事に関係のすることが多いです。暖かくなれば、日曜大工がやりたいのですが・・・・

質問と回答:生徒指導概論B(水)1112121 発達障害の子どもたち 後半

2011年12月22日 | Weblog
 もうすぐ冬休み,この授業も来年は,あと3回です.ゴールまで,もう少しです.
それでは,良いお年を!

1. 教員にとって特別支援の知識は必要なものだと思います。そこで、特別支援教育の免許を取ることを教員免許を取るための必須条件にすればいいと思うのですが、先生はどう思いますか?
2. 先生は、普通学校の教員たちも特別支援の免許を持つ(特別支援について大学で学ぶ)ことが必要だと思いますか。
  答:いいですね.ぜひ,そうして欲しいと思います.でも,なかなかできないのは,そのためには,お金と人が必要だからです.実現するには,この学部でいえば特別支援の大学教員や附属学校での教員,そして子どもの数を3倍増にしても大変でしょうね.そのために,ものすごい予算がかかります.そう考えると,皆さんは,この学部にいて,いろいろ学ぶ頃ができますね.ぜひ有効に生かしてください.


3. 私が小学生~中学生の頃、車椅子の(知能にもなんらかの障害があったようです)男の子がいました。その子に7年以上いつもついて色々と手助けをしていた年配の男性がいたのですが、その方はどういった職業にあたるのでしょうか。その子の進学に伴って中学にも来ていたので、小学校の養護の先生とは違うのかと思うのですが……。
  答:詳しくはわかりませんが,父親などの保護者か,彼らに頼まれた人だと思います.もし,教員であれば,7年間ずっと同じ人ということにはなりません.


4. 筆者は学校選択においての判断基準として、子ども達が授業に参加できるかどうかを挙げているが、何に判断基準の重きを置きますか?
  答:それで,いいと思います.ただ,参加するということの意味にもよりますが,子どもが積極的に,喜んで参加できることが望ましいと思います.

5. (上記のように)聴覚理解に頼らざるを得ない子にどう対応すべきか。
  答:そのようなLDの場合,トムクルーズのように,聴覚を使用した教育することができればいいのですが,やはり人とお金がかかります.それは他の障害(ヘレンケラーのような)でも同じだと思います.


6. 児童虐待を行う親への支援としては具体的にどのようなものがあげられますか。
  答:直接に,親の支援をするのは,話をきいて相談相手になるということが一番だと思います.しかし,虐待は,その親の態度や親からの虐待が影響します.虐待をなくすためには,次の世代を目指して,子どもたちがストレスの少ない社会をつくることが必要だと思っています.


7. 多動性を持つ子どもにとってどんなクラスが居心地のよいクラスだと先生は思いますか。
  答:少人数で,危険の少ない環境が必要だと思います.多動性の子どもは,いつどんなことを始めるかわかりません.

8. 私はこの本から多くのことを学びました。先生が課題としてこの本を取りあげられた理由を教えてください。
  答:どの本も,みなさんが読んで役にたつと思って選びました.これをきっかけに自分で探して本を読むようになると嬉しいです.


9. 発達障害に関する本で、これだけは絶対に読んどけ!っていう本はありますか?先生のおすすめをお願いします。
  答:いろいろありますが,この本が一番いいと思って課題にしました.その他は,どれを読んでもそれなりに面白いですよ.


質問と回答:生徒指導概論A (木) 111215 発達障害の子どもたち 討論+いじめとは何か 前半

2011年12月15日 | Weblog
1. 私は家庭科を専攻しています。そこで質問なのですが、五教科以外の主要科目ではない授業の時間数を増やすことについてどう思いますか?また、どうしてそのように思いますか?
  答:難しいですね.私は,現在の日本のように,どの学校も同じというのでなく,学校によって時間の配分を替えてもいいようと思っています.もちろん5教科は受験に役に立つだけでなく毎日の生活に必要だと思いますが,家庭科や技術科そして音美体の芸術・体育系は受験や試験というよりも,人生を毎日生きて行くときの,大きな楽しみになると思っています.私は,日曜大工が大好きです.楽しい,人生を暮らすためには,五教科以外の科目の方が大切だと思っていますし,子どもの頃に,それらを経験させることが大切だと思っています.例えば,音楽が無い人生なんて,毎日がつまらないですよね.


2. 子どもになめられないためにはどういうことをすればいいですか。
2. いじめが起きた時や、子どもがいけないことをしていた時、「叱られてもどうでもいいや」と子どもたちが思わないために、日ごろきをつけることはありますか?
  答:なめられるのは,真剣さが伝わっていないからだと思います.ですから,教師や親は,その場面で真剣に,やっているという部分を子どもに見せることが必要だと思います.


3. 私は地元が浜名湖周辺なのですが、そこで育ったみかんが大好きです。年末年始は1日に5個くらい食べます。一人暮らしをしているのですが、この時期になると実家から送ってもらいます。先生は、みかんに対するこだわりはありますか?
  答:いいですねえ,うなぎパイ(今では浜名湖はウナギよりもウナギパイ?)じゃくて.みかん,大好きです.私も,みかんだけでなく柑橘類はなんでも好きです.特にポンカンが好きかな.私の家にも毎年,愛媛からみかんが送られてきますが,こだわりはありません.でも,長野にいるとどうしても,りんごを食べることの多くなってしまいます.


4. 先生はいじめを予防できるクラス作りはできると思いますか。
  答:まあ,多少はできると思います.特に,小学校低学年くらいまでに,しっかりといじめはいけないことを教える必要があると思っています.


5. "弱い者いじめ"という言葉はありますが、"強い者いじめ"は聞いたことがありません。そのようなことから考えると、いじめとは自分よりも弱い人に対して行うものなのでしょうか。また、強いものに対して行うものは何と言うのでしょうか。是非、意見を聞かせて頂きたいです。
  答:おもしろい質問ですが,そりゃ"強い者いじめ"なんて,いじめの定義からしてないと思いますよ.体力的に強い者が心理的に弱くていじめられるいうことはあるかもしれません.そう考えると,”強い者”という言葉の定義にもよりますね.でも,心理的に強いということがどのようなことかを定義するのも難しいですが・・・

質問と回答:生徒指導概論B(水)111214 いじめとは何か 討論と 発達障害の子どもたち 前半

2011年12月15日 | Weblog

まず,いじめとは何か 討論から

1. 19の質問についてどう思いますか?(19. 教師が,いじめかもしれないと気がついたときには,どうすればよいでしょうか)
  答:いじめが明らかであるかどうかによります.まず,子どもを特定せずに,クラス全体に問いかけると同時に,その対象となっている子どもに注意しながら(さらにいじめをうけないために)様子を見ます.その後は,よりひどくなるか,解消するかによって対応を変えて行くのがいいと思います.明らかな場合は,そのグループと話し合いをして,子どもの行為がいじめになっていること,いじめはしてはいけないことを話すのがいいと思います.


2. 長野県のいじめ対策としては何がおこなわれているか
  答:前回も,書きましたが,長野県は、私も関わっていたことがありますが、県の教育委員会がイジメの対策をいろいろとやっています。他の県よりも考えていると思います。ネットの長野県教育委員会のホームページで見ることが出来ます。調べてみてください。


3. 他の講義で、「しつけのためなら親は子どもに手を出しても仕方ないか」について討論したとき、多くの人が、子どもは言葉で分からない部分もあるから手を上げる必要がある、愛のムチとして必要だ、と言っていて驚きました。程度の差はあるでしょうが、しつけのときに手をあげるのは、成長に必要でしょうか。
  答:その学生さん達は,私の生徒指導の授業を受けたことがないのでしょうか.手をあげるという暴力行為は基本的に必要がないと思います.しかし,どうしてもそれが必要というのであれば,ルールとして,○○をしたら,3回のお尻ビンタだよ.などと決めておく必要があります.叱ったり,怒ったりする場合の一番いけない部分は,その場の感情で(特に,カッとなったりして)体力的に,あるいは立場的に上のものが弱いものを,叱ったり怒ったりすることです.これは,大人の世界でも同じだと思います.



ここから,発達障害の子どもたち 前半

4. 討論の際、もっと見回りに来て欲しいです。前回はいじめという真剣な内容だったのに・関係ない話題で大声で笑い、後半は落書きしているグループがいました。
  答:わかりました.目に余るときは,注意します.でも,注意したくないので,このブログを見た人は,気をつけてくださいね.

5. 発達障害の子どもがクラスに1人は絶対にいると言われていて、特別支援教育に関する免許講義や実習などを必修にしようと考えている方たちがいますが、先生はどう思いますか?
  答:いいと思います.それを考えて,この必修の生徒指導の中でも多くの時間をかけています.もちろん,他の講義を増やすなど,もっと多くの時間をかけてもいいとも思っていますが,そのためには,大学教員の負担が増えて行きます.その結果,お金もかかります.教育の世界(現場)では,良いと思うことでも,お金が無くてできないことがたくさんあります.

6. こんにちは。初雪も降り、いよいよ冬本番といったところでしょうか。ところで先生は今年のクリスマスはどのように過ごされるのですか。参考にしたいので差し支えなければ、お答えいただけると嬉しいです。
  答:えっ,そりゃ,ハワイイですよ.というのは冗談です.たぶん,家でワイフと二人です.教会にミサに行くかもしれません.それにしても,皆さんはクリスマスには何をするのでしょうか.ケーキを食べるのでしょうか?.そうそう,クリスマスというのは,正式には(キリスト教では)12月25日なのですが,日本ではイブの方がにぎやかですよね.日本ではクリスマスになるとクリスマスが終わる?


7. 自分が教師になりたいということに関して、「どんな教師になりたいのか」や、「なぜ私が教師という道を選択したのか」ということが、この時期になってわからなくなってきました。わたしは親にずっと小さいころから「あなたは教師になるのよ」と育てられてきていたため、ずっと他の職業について何も考えずにただひたすらに教育系のみを考えてきました。しかし、今になって他の職業についても魅力を感じてきてしまい、正直このままでは教師になりたいという気持ちがうせてしまうのでは、と不安になってきました。しかし、自分の学科の中で、教師以外を今から目指すとなれば就ける職業も限られてきます。この状況で今私はどうしたら良いのかわかりません。そして、教師以外の道についても親は納得してくれるかもわかりません。私に親を納得させるような理由がないと目指してはいけないでしょうか?また、自分がなぜ今の学科を選んだのかもわからなくなってしまっています。
  答:いいですね.じっくりと考えて悩んでください.でも,とりあえず教育学部で教員免許を取ることはすすめます.その後に,教師以外の職業に就くことを考えるといいと思います.そして,何年かして,やっぱり教師をやろうと思ったら,教師になる努力をしましょう.私は,フィンランドのように一度,他の職業に就いてから教師になるのは大賛成です.これまで,私の研究室を卒業した先輩の中にも,そう言う人がたくさんいますよ.大学を出て,ストレートで教師になるのが,あたりまえだという発想は,必要ありません.私も,一度,大学を出て他のことをやり,始めから心理学をやっていたのでないという経験が,その後に生きてきています.日本では,何でもストレートで,他の人よりも,点数の高いことや先に就職することを競争することが多いのですが,「あなたはあなた,人は人」ですよ.やりたいことをやってみましょう.そのやりたいことを見つけるのが難しいというかもしれませんが,きっかけは,何でもいいのです.


8. 川島先生は養護学校実習が二日しかないことをどう思いますか?個人的には介護実習を五日間行うより養護学校実習の期間がもっと長いほうがよっぽど良い気がしてならないのですが。
  答:確かに,その通りですが,養護学校では,そんなに多くの実習生と,実習期間を取ることはできません.実習生は役に立っているようで,結局,現場の教師にとって,また子どもにとっても,有益かどうかはわかりません.


9. 実習などで体験したことはこういったレポートなどにどの程度まで公表しても良いのでしょうか。前先生が,研究室の方(?)は絶対子どものことは言わないとおっしやっていたので気になりました。
  答:そうですね.レポートで書くのは,私だけが読むのでかまわないと思います.基本的に,プライバシーというのは,不特定多数の人が知ることができるようになるのが問題なのです.そう考えると,最近の,日本の状況は過度に心配しすぎるところがあります.ネットでも,特定の人に対してまで,匿名であろうとする傾向が強すぎる気がします.


10. 発達障害を持った人をカウンセリングする時に一番気をつけていることは何ですか。
  答:これは,高橋先生に訊いてみます.

高橋知音先生の回答
 その人なりの感じ方、考え方を理解しようとつとめることです。
そして、その人の個性を生かしながら、よりうまくやっていくためにどうしたらよいか、一緒に考えると言うことでしょうか。
これは発達障害のない人との関わりにおいても重要なことだと思います。



11. 発達障害児に対する理解が進む現代で、周りの環境や教師の対応などで、まだ足りないと思う点をあげるとすれば、先生ならどう考えますか。
  答:難しいですね.というより,教師をすべて同じように,一般化できないからです.教師はこうあるべきだというのは無理だと思っています.


12. 発達障害の子への実際の配慮や対処については、やはり現場でそういった子のクラスを受け持ち、経験を積む以外に身につけられないでしょうか?
  答:そうですね.ある意味では,そのような部分はあると思いますが,知識として,いろいろなケースを知ることは,勉強になることが多いと思います.

13. 発達障害が増加している原因のうち遺伝以外のものには例えば何がありますか?
  答:これは,まず,増加しているかどうかがはっきりしません.いえるのは,診断を受けた子どもが多いということです.遺伝以外のものでは,その子どもの家庭環境が多いでしょうね.この本で書かれている虐待なども多いと思います.しかし,それらも,原因の一つとしかいえません.子どもの発達に影響する要因は調べても多すぎて限定できないのが現実だと思います.


14. 特別支援教室というものは、どこの公立学校にも必ずあるものなのですか。
  答:小学校では,必ず,あるわけではありません.大きな学校にしかありません.中学校では,町の中の学校にはほとんどあります.

15. 長野県の特別支援教育は整備されてきたと言えるのだろうか。
  答:他の県と同じ程度にはできていると思います.

16. 養護学校から通常の学校に転校するというケースを先生は実際に聞いたことはありますか?
  答:時々,あると思います.特に,家族が引っ越した場合,近くに適当なところがない場合などをきっかけに,通級などになったケースを知っています.


17. 教師に一番必要なものは何だと思いますか。また、教師を目指す若者に足りないものは何だと思いますか。
  答:それは,教師によって異なると思うので,すべての教師がというわけにはいきませんが,私は,自己一致(純粋性)が大きな要因かなと思います.教師を目指す若者に足りないものも,みんなに共通するものというのは,答えられません。たぶん,一人一人,異なるのではないでしょうか.


18. 今日の授業は休めない、でも異常に眠たい、そんなときはどうしたらよいですか?
  答:そりゃ,授業に出て,寝る以外ないでしょうね・・・・

高橋先生の回答:生徒指導概論A (木) 111208 発達障害の子どもたち

2011年12月10日 | Weblog
高橋先生からの回答です。

Q1. :「量的概念をゲームで教える」とあったが普通の子に対してもやることだと思う。何か特別なことをするのか?
A: 障害として量的概念が入りにくい人にとっては、たとえば具体的に見えるものは理解できても、記号化、抽象化した時点で、急にわかりにくくなります。
 小学校低学年でも、多くのこどもは、少し練習すると実際の量を数字や記号に置き換えることが自然にできるようになります。算数障害のある人は、その「自然に」がうまくいかないと考えてください。教師や親からは、なぜ他の子は自然にできるようになるのに、この子はできるようにならないのか、そこが理解できない感じがします。だから、できるまで繰り返しやらせたり、まじめにやっていないのではないかと考えたりしてしまうのです。
 ゲームや具体物を操作する活動自体は普通の子どもでもやると思います。それをなかなか卒業できないので、その子が少しでもやりやすい形に工夫する、繰り返してもいやにならないように、少しずつ新しい材料を使うなど飽きさせない工夫をする、といった点が障害の無い子どもにやるのと違う部分と言えるでしょう。


Q2:これまで関わってきたLDの子、すべてに共通してこの指導法なら最も高い効果が期待できる対応策は何ですか?
A: 最も効果が期待できる対応策は、「個に応じた対応」です。もし、どこかで「絶対に効果が上がる○○メソッド」みたいなことを言っている人がいたら、かなり怪しいと考えてください。LDの特徴は「一人ひとり違う」ということです。

Q3:「なおる」とはどういうことですか?
A: 発達障害は「なおる」「なおらない」では語れない障害だと考えてください。「なおそう」と考えると、指導の仕方を工夫しようという意識が下がってしまいます。「なおそう」とするのではなく「わかろう」とすることが重要です。

Q4:アスペルガーとADHDはどのような違いがあるのでしょうか?
A: 2回目の授業でくわしく紹介したいと思います。

Q5:特別支援学校、学級の担任でありながら専門免許を持たない教員に対して、集中講義で済ませてしまうと言うシステムについてどう思いますか?
A:  免許が無くても、自主的に研修を受けたり研究会に参加したり、熱心に勉強されている方であれば、よい指導者になれると思います。最終的には、どの程度の専門的知識とスキルがあるかによって資格を出すべきだと思いますし、そういった資格を持った教員が特別支援を行うようなシステムにすべきだと思います。

Q6:発達障害児の不登校と一般児童の不登校の違いはなんですか?発達障害児の不登校にどのような支援が必要ですか?
A:  不登校は学校に行けないという現象を記述する言葉なので、その背景にはさまざまな背景、理由が考えられ、発達障害もその「さまざま」の中の一つと言えます。背景にある発達障害をまずは理解し、発達障害的な特徴があっても生活しやすい環境調整をすることが必要になるでしょう。

Q7:薬物療法ではどんな効果のある薬を使うのですか?
A:  薬物療法が用いられるのは主にADHDで、集中力を高め、自分の行動をコントロールしやすい状態を作ります。

Q8:発達障害児をいじめから守るために教師はどうすればよいか?
A:  まずは、教師がその子の特徴を理解すること。その子が生活しやすい、理解しやすい環境を整えるよう工夫している姿、うまくいかないときも待っている姿を見せることが重要です。また、実際に本人がいやがる行為をする場面があったら、それはいけないということを毅然とした態度で伝えます。
 また、他の子どもに誤解を与えるような言動に関しては、なぜ、その子がそういう言い方、振る舞い方になってしまうのか、理由を説明することも必要です。それは、障害名を伝えるということではなく、個性の一つとして伝えます。高学年以降になれば障害をカミングアウト(開示)して、理解を求めるという可能性もあります。その際は、ご家族や本人とも十分話し合った上で行います。

質問と回答:生徒指導概論B (水) 111207 いじめとは何か 後半

2011年12月08日 | Weblog
1. 日本で「いじめ」のために自ら、いのちを絶つてしまうとされる子どもたちは年間どのくらいいるのでしょうか。またそれは増加・減少どちらの傾向にあるのでしょうか。
   答:いじめによる、自殺は、それほどおおくはありません。毎回、ニュースになるくらいの程度だと思います。 http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2009/04/13/1259190_4.pdf
 しかし、理由を別にした、自殺全体は、交通事故よりも多くなっています。


2. そういえば、本書の冒頭で80年代になっていじめが「発見」されたと書いてあって非常に 驚いたのですが、先生が子どものときは、「いじめ」.という行為はあっても、その「いじめ」 自体が深刻な問題であるとは本当に認識されていなかったのですか?いじめが起きた場合 の学校の教師の対応はどんなものだったのですか?
   答:1980年頃までは、今のような形でのいじめは、聞いたことがありませんでした。もし、あったとしても、教師の多くは、子どもたちの、仲が悪いとしか考えなかったと思います。また、いじめがあったとしても、それを仲裁する子どもが多くいた多様な気がします。教師への密告、告げ口は教師との信頼の中で、もっと多かったのではないかと思います。


3. クラス内でいじめの存在に気付いた時、情報を集めるためにクラス内でいじめに関するアンケート等を実施することは、いじめを助長しかねないと思うのですが、どうですか?
   答:確かに、今の教師のクラスへの信頼度から考えると、そう思います。しかし、それは、教師が、どのくらいクラスの子どもたちの人間関係に入ることができるかどうかの程度にもよると思います。そして、アンケートでなく、個別の面談をする方がいいのではないかと思います。


4. 先生は、クラス内でのいじめを早くに発見するための方法にはどんなものがあると思いますか。
   答:やはり、基本的に、教師が信頼関係をもった生徒をつくることです。そのためには、教師が子どもたちの中に入ってゆくしかないと思います。そのときに気をつけなくてはならないのは、友達でなく、信頼される大人と言うことです。


5. いつかいじめがなくなるときがくると思いますか。
6. いじめはなくせると思いますか?
   答:いやー、なくならないでしょうね。大人の世界でなくならない限り。


7. 先生ははぶきと所事物へのいじめのどちらの方が受けたら嫌だと感じますか。
   答:それは、どちらともいえません。それは、自尊心を傷つけられかたの程度だと思います。


8. 長野県のシティズンシップ教育の事例をご存知でしたらお教えください。
   答:すみません。よく知りませんが、青少年健全育成という形でやっていると思います。


9. スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーはどちらも必要だと言えるのでしょうか。
   答:どちらがということはいえません。学校を中心とした場合は、カウンセラーですが、家庭を中心とした場合は、スクールソーシャルワーカーとなります。また、スクールカウンセラーは、心理学を基本とした仕事ですが、スクールソーシャルワーカーは、福祉関係の知識を持った専門職です。


10. 先生が今まで出会って好きだった先生や印象に残る先生はどんな先生でしたか。
   答:中学、高校、大学、大学院とそれぞれいます。どの先生とは言いませんが、どの先生も、厳しいけど優しい っというのが、共通している気がします。仲が良くなったというだけでなく、けじめのある先生方でした。


11. 最近友達と焼酎を飲むようになったのですが、おすすめの銘柄はありますか?
   答:焼酎は銘柄が多いので、わかりません。でも、芋焼酎系が好きです。

12. もうすっかりお鍋の季節になりましたが、川島先生は何鍋が好きですか?
   答:ちょうど、今日、研究室で鶏のつくね鍋をやりましたが、ポン酢でゆずコショウを入れて食べたら、おいしかったです。私は、ポン酢で食べる鍋ならなんでも好きです。


質問と回答:生徒指導概論A (木) 111201 友達地獄 討論 と 発達障害の子ども 前半

2011年12月01日 | Weblog
友だち地獄 討論から

1. 今回の討論の中で、目立ちたいか目立ちたくないかとい話し合いになり、私は目立ちたくないけれども目立せてもらえるのなら目立ちたいと思いました。川島先生はどちらのタイプですか?もしくは、どちらでもありせんか?
 答:私も、同じようなものです。目立つということでの面倒くささと自尊心が高まるということのジレンマ、目立たないことは、一人でゆっくりできるということと、ちょっとつまらないという気持ちのジレンマ、の2つのジレンマの間で揺れてしまう自分が居るような気がします。その中のどれかの欲求が強ければ自分がわかりやすいのでしょうが・・・




発達障害の子ども達 前半から

2. 教育実習では、基本的に、問題解決学習の考え方に則って授業を構想することが問われています。川島先生は、問題解決学習の考え方についてどのように思われますか?いつも曖昧な質問にご返答いただき、ありがとうございます。
 答:私は、授業科目や問題の形式によっては、問題解決学習がいいと思っています。しかし、学校場面でのすべてのことが、問題解決的に結論が出るとは考えていません。ですから、場合によるということになります。単純にいうと理系の問題や科学的な思考が必要な問題は問題解決学習でいいと思いますが、文系の問題は、答えが一つとは限りません。しかし、学校では、テストをして答えを出し、それによって評価することが多いために、どうしても一つの答えに収斂するような問題を出すことが多いような気がします。現実の社会では、一つの原因でなく、いくつもの要因が絡み合っていることが多いことを子どもにも教える必要があるのではないかと思っていますが・・・


3. 差別とかの問題で、呼び方がすぐに変わる世の中だって印象をもっています,そこで、不登校はいつか登校困難という言い方にかわるのではないかなと私は予想しているのですが、もどう思いますか?「登校したくてもできない」ってニユアンスです。私のイメージでは「不登校=登校しない」「登校拒否=登校したくないからしない」です。
 答:なるほど、登校困難児ですか、おもしろいですね。困難というと学校に行くのが難しいということですからね。


4. 私は発達障害の子どもに、自分が発達障害であることを自覚してもらいたいと考えています。それを実行するにはどうしたらいいと思いますか?
  答:確かに、そうですね。同じように考える考え方もあります。知的な遅れのない場合,例えばADHDやアスペルガーの場合,小学校の高学年から中学にかけて,親が子どもに障害の話をするように病院などから指導されることが多いようです。実際には「あなたは普通の子どもよりも○○をするのが苦手なようよ」「あなたが,すぐに動きたくなるのは脳の構造がそのようにできているからよ」などと,子どもにわかるように話をするように病院などから言われるようです.また、友だちにも、話すようにする親もいます。


5. お風呂は大体どのくらいの時間を使って入っていますか?
  答:私は,若い頃からカラスの行水です.というよりも,風呂場が暖かければ冬でもシャワーですませます.でも実際には,私の家の風呂はほとんど露天風呂のように外気が入ってくるので,寒くて風呂に入らないといられません.