1. 先生は学校の存在意義は何だと思いますか?
答:授業でも、何度か話しましたが、学校は個人よりも社会の発展にとって意味のあるものだと思っています。その意味からは、最近のような個人の自由を重要視する立場からは、存在の意味が少なくなってしまっているのだと思います。
2. 研究室というのはどのように決めたらいいのでしょうか。
答:そうですね、まず、1)卒論でやりたい領域が指導できる先生かどうか、2)その教師と一緒にうまく卒論をやっていけるかどうか、3)同じ研究室に仲良くなれる学生がいるかどうか、ですね。
3. 最近お酒にはまっているんですが、何かおいしくて安いお酒しりませんか?
3.私はお酒が好きです。先生も好きなんですね!!ぜひおすすめのお酒や長野の居酒屋があったら教えてください。
答:安いといわれると難しいのですが、私は、ビールなどのアルコール分が10パーセント以下のものはお酒とは考えていません。ビールは、他のお酒を飲むときの水代わりには飲みます。あるいは、ホッピービアーのような形で、焼酎で薄めて飲むことはあります。そう考えると、ワインか日本酒かリキュールがお酒ということになります。
ワインは日本のものは、味の割に高いと思います。ワインなら、南米、特にチリのカベルネソービニオンをおすすめします(これは、心理の小松先生の受け売りです)。
日本酒は、食べ物によって異なると思います。天ぷらや唐揚げなどのアブラ分の多いものの時は辛口を、刺身などの淡泊なものは甘口のお酒がおいしいと思っています。ご飯があうおかずには甘口のお酒ということですね。最近は、「端麗辛口」のお酒ばかりになってしまいました(酒度がマイナスの酒は「甘口」、逆にプラス側は「辛口」)。甘口のお酒はあまり売っていませんが、安いお酒でも大関の甘口や白鶴の甘口と刺身は絶品だと思います。日本酒の中で高いから、おいしいはずだと考えて吟醸系のものを、ありがたがる人がいますが、吟醸系は食事でなく、酒だけで楽しむものです。吟醸をありがたがるのは、何でも自分で選べない日本人の典型的な嗜好でしょう。リキュール系は、以前書いたように僕は、シングルモルトのスコッチが好きです。スコッチは、ちょっと高くてもシングルモルトを買いましょう。ブレンド系のジョニクロやシーバスリーガルより、グレンリベットや少し安いグレンフィディックを、少しずつなめるように飲む方がお酒の味を楽しむことができます。でも、もともとスコッチは戦争でブランデーが飲めなくなったイギリス人のブランデーの代用品?かもしれません。確かにコニャックなどのブランデーにはかなわないかもしれません。よく、学生さんたちが飲むジュースのようなお酒は、水代わりというか、半分は酔うためのもので、お酒の味より果物などの味を楽しむためのもののような気がします。どうせ飲むなら、本物のお酒を飲みましょう。
4. 日本がアメリカに戦争に負けて焼け野原から50年が経ち、ここまで成長できたと聞いたときは本当に鳥肌が立つほど感動し、日本人の勤勉さや真面目さ、逆境からの成長には耳を疑いましたが、その時の「やればできんじゃん」みたいな根拠のない余裕が今の日本を作り出す原因になっているのでしょうか?
答:うーん、一言ではいえないとも思いますが、少なくとも経済的な繁栄に関しては「やればできんじゃん」という部分はあります。というより、ハングリー精神が旺盛だったのは確かだと思います。しかし、人間は勝てばいいというものではありません。常にバランスが大切になります。個人が生きている限り社会に迷惑をかけています。そして、社会は個人の活動なしには成立しません。その意味では「やればできんじゃん」という感覚は、いつも役に立つとはいえない部分があるかもしれません。
5.私は教育学部にきて教師に向いていないと感じることが多々あるのですが、この学部では教師になる勉強しかほとんどできないので今のこの勉強がいつか何らかの役に立つかもしれないと思いまだここにいますが、教師にならないと思う人間はこの学部に残らず他の方向に行った方がいいのでしょうか。
答:いえ、そうは思いません。広い意味での教養は、教育学部が一番身につけやすいと思います。そして、教育学部を出てから、もう一度本当に自分がやりたいと信じているものに挑戦することも可能だと思います。じっくりと、ゆっくりと考えてみましょう。私は、教師として、就職する前に、いろいろと回り道をすることはいいことだと思っていますよ。実際、最近の教員試験の傾向を見ても、一度、社会人を経験した人を優先しいています。これは、教師というものが、いろいろな人が居ていいし、模範解答だけができる人を求めていないということだと思います。私も、大学院にはいるまでに3年かかっています。その間に結婚もして、一年間ですが社会人もやりました。人生は、結局、実力ですよ。
6.私は、理科の解剖のことから、命のあり方を考えさせられました。某教授は今回解剖で用いた生物は、人間が食用の為に放ち、自然界のバランスを崩すので、ただ殺すなら、解剖として積極的に解剖に用いましょう、とおっしゃっていました。そもそも、自然界のバランスを壊しているのは紛れもない人間自身であり、環境保全や動物愛護などは、人間のエゴだと感じるようになって来ました。自然界を守るためそれを壊す張本人である人間を殺すということを考えは人間は絶対に考えないでしょう。先生は、環境保全とはどのような意味であると考えますか?そもそも命とは人間が思うように管理するものなのでしょうか?
答:最近は、だんだん難しい質問が多くなってきましたね。この問題は、私も同じように感じています。まず、ある一定以上の人間が生きてゆくためには、どうしても自然界のバランスを崩すことになるのはやもうえません。地球上で、環境のバランスを壊さないで生きてゆける人工はせいぜい数千万人の単位になるでしょう。その考えると環境保全はもともと無理!なのです。そして、人間以外の動物や植物を守ろうというのは、人間のあまりにも勝手で、おこがましいことなのかもしれません。しかし、そんなことはできるわけがありません。そう考えるようになってから、逆に開き直って、人間以外の生き物が人間が生きるために犠牲になっても、それが自然の摂理なのだとも考えるようになりました。例えば、ある種の動物が絶滅しないように・・などという運動は、これまでの地球の歴史を考えれば、これまでも数億種の生物が絶滅してきているわけですから、意味のないことかもしれません(ちょっと、過激?)。結局、環境、環境などといっても、人間が生きてゆくための、ちょっとした罪滅ぼしのために、いいわけとしていろいろやっているに過ぎないような気もします。地球の歴史46億年のうちで、人類は生まれてから、まだ500万年しかたっていません。恐竜は6000万年間栄えていたのです。そう考えても、たぶん人類は、あと100万年はもたないでしょうね。いや、あと10万年持つのだろうか。
7. この前、友達とセンスと努力についてずっとかたりました。私の中では、センスのある人、素質のある人って、すぐにできるようになるし、努力では、補えない部分が大きいと思うんですが、その人は、努力すれば絶対負けないといってました。どうだとおもいますか??
答:努力が大切だと考える人は、達成動機の高い人に多いようです。またセンスのいい、悪いは訓練で、すなわち努力することでも影響されます。そう考えると、努力帰属の人の方が、生きてゆくためのやる気が出てくるような気がします。
8. 私はドラえもんが好きです。将来、教師になった際に授業でドラえもんを見せての心の育成を図りたいと思うのですが、いかがでしょうか。
答:そうですね、小学校の低学年までなら可能でしょう。それ以降は、もう少し対人関係や問題解決も複雑な課題の方がいいかもしれません。
9. 先生にとって至福の時とはどんな時ですか。
答:うーむ。軽井沢で一人でいる時。特に好きな音楽を聴きながらデッキで川を眺めているときかな。でも、他のことを考えずに日曜大工をしている時も我を忘れているなあ。
10. 国際社会に必要とされるコミュニケーション能力とは何ですか?
答:必要なことをはっきりということ。私は、イタリアで、イタリア人とそれぞれの言葉でケンカしたことがあります。でも、お互いに何となく怒っていることは伝わっていました。やはり、文句を言うときは母国語で言った方が迫力がありますね。
11. 多発する「いじめ問題」ですが、本書にあったように、「学校で起こっていようと社会では起こっていようと、障害・恐喝・殺人などは「いじめ」ではなく「犯罪」だという考え方には非常に共感を覚えます。表記一つ、捉え方一つで、内容は同じそれらの行動に対するイメージはがらりと変わり、罪悪感も生じるでしょう。確実にいじめ(犯罪)は減少すると思います。ただ、本書58ページ~でこの論を唱えているのは、いじめ問題が最も深刻な国ノルウェーの方です。なぜ対策も考え方(捉え方)も進んでいるのに、いじめ問題がトップになるのでしょうか。この例の挙げ方だと、日本のやり方、いじめに対する対処法がいいということに捉えてしまいます。この例によって、著者は何を言いたいのでしょうか。この部分だけが謎です。
答:その部分を読み直してみました。日本では、いじめと犯罪が混同されているという指摘と、ノルウェーではいじめが多いために対策を考えているのではないかと受け取れると思います。その場合もいじめをルール違反としての犯罪ではなく、モラルの問題として考えているのではないでしょうか。
12. ゆとり教育の前の日本の教育の実態はよく分からないのですが、本当に詰め込み教育だったと思いますか。
答:いや、結局、学校は、なにも変わっていないような気がします。なにしろ、学校にいる人間は同じ人たちなのですから、法律が変わっても、そんな簡単に現場は変わりませんよ。大人の行動が変わるというのはよっぽどのことでないと変わりません。
13.川島先生は「早期選抜」についてどう考えますか?
答:的確に行われるのならば効果があるかもしれないが、実際には、多くの要因が影響するでしょうから・・ただ、そこでの文化的な背景があるので一概には言えないと思います。この本にも書いてあったように、ヨーロッパでは、育ちよりも生まれを重視し、それなりの立場で生きればいいと考えているからです。そのような場合は、早期選抜も意味が出てきます。
14.学校に割りと近くて料理が美味しいお店ってありますか?
答:ないなあ。昼ご飯なら「ことぶき食堂」サカナが食べられる。
15.長野県だと信州大学出身者は教員採用試験で有利と言われますが、信州大学出身で長野県以外の採用試験を受けると、やはり少し不利になるのですか。
答:基本的には、県内出身者が有利になることはないと言っていました。しかし、現実には「信濃の国」の歌詞が試験問題に出るような県ですから、そりゃ県内出身者が有利でしょう。
16.国家二種と三種の違いがよくわからないのですが、どういった違いがあるのですか?
答:たぶん、二種は大卒程度と三種は高卒程度で、受験可能な年齢が違うのだったと思います。試験問題もそれなりに異なります。給料も違います。
17.先生の考える「日本における現在の学校教育の問題点」とは何ですか。「政策」と「実態」に関連付けて教えてください。
18.なにか普段の生活の中で、ジンクスとして心がけていることはありますか??
答:13日の金曜日には、おとなしくしている。
19.川島先生は、今の日本教育のどこが一番の問題だと思いますか?
答:マスコミや大人の知識のなさ(浅はかさ、勉強不足)
20.川島先生は、何歳まで生きたいですか?
答:75歳以上。
21.今、精神分析や社会心理学について興味があるのですが、ありとあらゆる本があり、どれから読めばいいか迷ってしまいます。何か、初めての人でも分かりやすいオススメの本はありますか。(特に「合理化」や「認知的不協和理論」について興味があります。)
答:ない。いろいろな本や論文に当たる方がよいと思います。
22.どうしてもレポートが支離滅裂になってしまうのですが、どうすれば意見のまとまったレポートが書けるようになると思いますか?
答:パラグラフライティングを心がける。
23.僕は大学でラクロスをやっているんですが、チーム運営において一番大切なことってなんだと思いますか?
答:お互いに尊敬しあうこと。