かわティブログ 「発達と教育」と「生徒指導概論」

  平成24年度後期のシラバスは10月3日にあります。

質問と回答:発達と教育A (水) 110126 発達が気になる子のサポート入門 討論

2011年01月26日 | Weblog
これで、今学期の質問はすべておしまい。みなさん、ご苦労様でした。私も半年間楽しませてもらいました。有り難うございました(今日は、昨日のサッカーでちょっと眠かった)。


1. 先生は世代によって障害に対する偏見はあると思いますか。
  答:もちろん、あると思います。それは、その時代の社会の価値観や政治的な背景が大きく影響します。また、現代では、マスコミの影響もかなりあると思います。発達障がいは、その典型的な例だと思います。一方、偏見だけでなく、例えば、ウツとはいえない人が自分がウツであると考えてしまうような反対の方向もあると思います。


2. 一年間ありがとうございました。突然ですが、①お金と時間と労力がかかる夢、②卒業後すぐに就職し安定した収入を得る、どちらを取りますか?(説明が下手ですいません)
  答:そうですね。大学院や専門学校などに行って、自分のやりたいことをやるためには、時間とお金がかかります。一方、就職をすれば安定した収入を得ることが出来ます。その場合、実際にはその仕事の内容だと思います。例えば、心理学で言えば、大学院にいって臨床心理士の資格を取っても児童相談所などの公立機関に勤めるのに有利だということはありません。公務員の試験に受かれば児童相談所などの期間に勤めながら勉強をすることが可能であり資格は問題にされません。一方で、研究者になりたいのであれば、お金も時間もかかりますが、現在では博士課程に行くしか道がありません。その他にも、自分が、社会に出てから、自分の力や能力を十分に発揮できる仕事に就くことが出来るのはどこであるかを考える必要もあると思います。


3. ほめて伸びる子と、叱られて伸びる子がいると思うのですが、ほめて伸びるからって褒めっぱなっしで叱らないというのはいけないと思うし、その逆もいけないと思うのですが、そのさじ加減はどのように調節すればいいのでしょうか。川島先生がお考えになる目安のようなものがあったら教えて下さい。
  答:そうですね。ほめる場合でもいろいろな条件があります。必要以上にほめられていると失敗した時に落ち込みが大きくなりますし、叱られていても、適度に認めれれたりほめられたりしていると、我慢強い子どもになります。また、嫌いな大人にほめられるのはほめられたことになりませんし、好きな大人に叱られると素直に反省します。なんでも、そうですが、ほめればいいというものでもないししかれば悪いと言うことでもありません。子どもは、ほめられることで次に同じ行動をする確率は高くなりますが、ほめられた同じ行動がたびたび現れるとは限りません(例:思いやり行動)。また、ほめるのではなく、見守ることで子どもにとっては十分な強化になることもあります。そう考えると、ほめる叱るの目安や、さじ加減のような量的なものでなく、そのしつけや教育を行う大人の人間的な態度が重要だと思っています。


4. いつも丁寧に質問に答えていただき、ありがとうございました。かわティプログを読むのがとても楽しみでした。恥ずかしいながら、私は人と打ち解けるまでにとても時間がかかります(会話の中で敬語が1年くらい抜けなかったり、表情が硬かったりなどなど。)先生は人と早く打ち解けられる方ですか?また、先生は人と早く打ち解けるためにしていることはありますか?
  答:まず、いつも笑顔でいること(相手が笑わなくてもこちらから笑いかけること)、次に余計なことは言わないこと、ことばは必要ありません。人間は近くにいて見ていてくれるだけで楽しいのです。

5. 先生は初対面の相手の何を一番に見ますか?それはなぜですか。
  答:それは、目ですね。その人が何を思っているかが推測がつきますよ。考えていることはわからなくても、ポジティブかネガティブか位は予想がつきますから・・・


ちょっと、感想も・・・
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先生が教師と生徒でなく、「友達として接してみる」「正直に」というお話をしてくださって本当にうれしかったです。私はどうしても先輩や友達など相手との関係を考え過ぎてしまいます。しかし友達という関係が一番密接で相手の気持ちに立って考えようとする気持ちが強いと思ったので、これからはその考えを忘れずに接していきたいなと思いました。私は今まで本を読むことができませんでした。映像で情報を得て頭の中でイメージをするということをしてきませんでした。今回先生の授業を前期と後期で受講して、本を読めるようになったので、これからいろいろな作品に触れていきたいと思っています。旅もたくさんします!ありがとうございました。

質問と回答:生徒指導概論A(木)110120 教育の職業的意義 討論

2011年01月20日 | Weblog

 生徒指導概論Aの受講生の皆さん、ご苦労様でした。
学期の始めはちょっと大変だったと思います。しかし、よく最後までがんばりましたね。最後まで受講していただき、ありがとうございました。この授業が、少しでも皆さんの役に立てれば、大学教員としての私の喜びです。



ここから質問。(ちょっと少ないなあ)
1. 川島先生は、いくつぐらいアルバイトをしたことがありますか
  答:いくつくらいだろう。忘れたしまったけれど、郵便局の仕分け、小型のダンプの運転、ホテルのバーテン、酒屋さん、塾の講師などでした。そんなに多くはありません。

2. 半年間ありがとうございました。生徒指導概論を通して、本を読む習慣がついてきたように感じます。特に、自尊心についての本からホメることがどれほど大切なのかを深く考えるきっかけとなりました。これは、子どもに関わらず、私たち学生同士においても言えることだと感じました。川島先生は講義をする時、学生のためにどのような気持ちでいましたか(取り組んでいましたか)。
  答:うーん。そうですね。この形式の授業を始めた頃は、自分の子ども達が大学生でした。その意味では、子ども達に読んで欲しい、体験して欲しい内容をと考えました。その後、次第に改善(だと自分で思っている)部分を含めて、考えてきました。一時期は、講義を増やして討論を減らしたのですが、やはり、半期で6回くらいの討論をしないと(それも、同じグループで)効果がないと思うようになりました。しかし、半期だけですが、みなさんが、生徒指導のような授業に真剣に取り組んでもらえることをとても嬉しく思います。少しでも、皆さんの将来に役に立てば幸いです。


3. 半期の間ありがとうございました。日本では,大学の研究費を減らしたり,教育にかけるお金を年々減らしたりしている,という話をよく聞きます。私は,教育にお金をかけることは「未来への投資」だと思っているので「何で減らすんだ!」と思うのですが,先生はどう思われますか?最後に堅苦しい質問ですみません。
  答:確かにそうですね。それは教育や研究にかかるお金の90%が人件費なのです。すなわち、未来への投資は現在の人への投資ともなると思います。そう考えると、現在の日本は、道路や建物などのものではなく、福祉を含めた人への投資が必要な時期に来ていると思います。

4. 質問です。かわティプログの質問の項目を見ていると、受講生の割に質問が少ないように感じます。私はもっと質問があっても良いのではないかと思いますが、先生はどのようにお考えですか?
  答:うれしい質問ですね。わたしも、そう思います。だんだんと、質問の数が減ってきて寂しいと思っていました。これから、受講する人には是非たくさん質問して欲しいと思います。いえいえ、受講が終わった人でも、このブログから、質問していただいていいですよ。過去に、卒業生からの質問もありました。




★ここから先は、授業および討論の感想の抜粋です。全部は掲載できなくてすみません。でも、皆さんに喜んでもらえることが、私の励みにもなり喜びです。有り難うございました。

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1. 本講義の感想:本講義では毎回のレポート課題によって、様々な視点から教育や生徒指導について考えることがただ自分自身の糧となる要素を多く得ることが出来た。毎回のレポート課題は大変だったが、得られたもは大きかったので有意義であった。また、各週の講義でも生徒指導についての様々な知識に触れるこが出来、今後さらに深めていく必要があると感じた。大変な面も多々あったが良い時間が持てた授業となりました。ありがとうございました。

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2. 今回でレポートは最後になりますが、毎回の質問に丁寧に答えていただいてありがとうございました。自分の質問が載っていてきちんと答えていただいたことは大変うれしかったです。最初はレポートは大変だと思ったけれども、やはり、思っていることを自分の言葉で表していくことで自分の考えが明確になったし、新しい考えが生まれました。本を読むことの大切さに気付き、本を読む習慣をつけることもできました。先生には感謝しています。本当にありがとうございました。~

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3. 討論の感想
十年一昔と言いますが、世代が違うと同じものに対する見方が思った以上に違うものだと驚きました。特にネットとの付き合い方は、リアルとネットを分けて考えるのではなく、ネットがリアルの一部になっている。しかもそれに違和感を感じていない。分けていない以上、なるほどネットいじめや学校裏サイトが大問題になるはずだと。自分の考えが他者とどうズレており、その原因がどこにあるのかを考える良いきっかけとなりました。

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4. 討論の感想
本を読んだり、テレビを見たり、誰かの話を聞い孝りすると、それに対する意見や考えというのは必ず生まれてきます。それを、自分だけのものにするのではなく、共有することも大切です。討論では、そのようなことが学べました。また、他の入の意見を聞くことによって、自分だけでは考えられなかったことや見えなかったことを知れたり、新しい発
見もできたりするので、自分にとってはとても良い刺激でした。視点を変えたり、世界観を広げたりすることによって、自分の中の何かが育つような気がします。とてもためになる時間でしたので、これからも是非続けていって欲しいです。あと、討論のグループを決めても、毎回3;4人しかいなかったので、大体同じ人数になるように討論をするたびにグループを変えるなど、できたら調整してやってほしいと思いました。

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5. 【討論を通して】
私は、この討論の時間があってよかったと思う。毎回自分の感想を書いているが、それは自分の感じたものだけであり、他者と共有することはできない。しかし討論の時間が設けられていることにより、他者の感じたことを知ることができ、自分とは違う視点の意見を知ることができた。本の内容でわからない部分があると、メンバーの中で説明してくれ、その事柄について理解することができた。自分の意見に対して疑問があると、それを質問してくれ、自分の考えもまとめることが出来た。感想文は自分との会話だけだが、討論会は他者との会話もあり、自分の考えをより明確にしなければ相手に伝わりにくいということが分かった。初めはグループの人と話をしたことがなく、自分の意見を言うことに抵抗があったが、討論の回数を重ねるうちに、自分の意見を素直に言えるようになった気がする。最初は討論テーマに対して自分の意見を全員が言い終わったら次の討論テーマになっていたが、最後の方は討論テーマに対して自分の意見を全員が言い終わった後には「~~も考えられるよね」「~~はどういうこと?」などフリーディスカッションのような形になっていた。難しい本や討論テーマもあったが、この時間は有意義なものになっていた。今後もこの討論の時間を続けてほしいと思う。

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6. 【討論をしてきての感想。】
私だけ四年生という中で、専攻だけでなく歳や学年が異なった中で話をするのは楽しかった。他の人にはできない(やっていない)経験をできたことは、逆にとても良かったと思う。二年生はまだまだこれから大学生活が長いけれど、しっかりと意見を言えて、しっかり考えをもっていて、残りの大学生活も有意義に過ごせていけそうであり、すごいと思った。お互いに協力し合って意見を出し合った班員に改めてお礼を言いたいと思えるような討論になったと思う。

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7. 全部で5回(一度欠席したため)討論は、グループ全員が課題図書を一度読んで、感想を書いているので意見を出しやすい時間を共有できたと思う。自分の意見がお互いにはっきりしていたので忌同じトピックでもいろいろな視点からの意見を聞くことができたので良かった。また、教育学部に来てから、他専攻の人との交流がほとんどなくなってしまったので、このような機会を通して意見を言い合うことができて良かった。ここで聞いたグループの貴重な意見はきちんとノートに書き留めているので、今後の教職の授業に生かしていきたいと思った。.

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8. この授業を通して本を読むことの大切さと他人の意見をきちんと聞くということの大切さを学びました。自分は今まで本をほとんど読んだことがなく、まして専門的な新書にはとても抵抗がありました。ただ読んでみると、自分の知らない知識ばかりで読みたい読みたくないというより読まなければいけないような気になってきました。自分の知らない世界をこれだけ安価で手に入れることができる方法は他にないと思います。さらに本を読むことで今まで以上に批判的な考え方で物事をとらえられるようにもなりました。今まではあらゆる情報をうのみにしてしまって自分で考えることをやめてしまっていたのですが、違った視点からとらえられるという意味で自分の意見をもつ力が手に入れられたのではないかと思います。他人の意見を聞くということですが、これは討論をすることで主に身につけられた力だと思います。自分の意見だけがすべてではないことを知り、聞くことで自分の意見が変わったり思いが強くなったりすることの楽しさが実感できました。このような経験も大学生活でしか培えない能力だと思うので、これからも本などを通じて自分の学びにつなげていけたらいいと感じました。

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9. この講義で2回に1回の討論を行うことで、教師を目指す多くの学生の考えを共有できて意味のある学習になった。専攻の違う学生の意見を聞くと全然違った考え方をしていたりして、以前よりも広い視野で教育を見れるようになったと感じる。また、教育以外のことも討論で扱ってくれていたので本当に幅の広い学習になった。多くの著書から自分の考えを深めていって、他人にそれを伝えるこの講義は他の講義にはない良さがあって良かったと思う。ありがとうございました。

質問と回答:発達と教育A (水) 110119 発達が気になる子のサポート入門 後半

2011年01月19日 | Weblog
1. 先生は,励ます時、どういうふうに励ましますか。
  答:私は、あまり励ましたりするのが苦手で、励ましたりしない気がします。でも、共感を持って「たいへんだねえ」と言うことが多いです。まあ、あいさつ代わりにがんばって、くらいのことは言いますが・・・


2. 今まで教育に関係していることで大きな勘違いをしたことがありますか?また、具体的にどんなことですか?
  答:たくさん勘違いをしたり、間違って理解していた頃がありました。特に、発達障害について知識を得たのは、まだ20年もたっていません。それ以前は、微細脳損傷などの知的障害と同じだと理解していました。今、考えると恥ずかしい気持ちです。しかし、ほめ方しかり方のような知識は、学習理論として、割と若い頃から持っていたので、それを基本に対応していました。



3. 先生が子育てしている頃の保護者と現代の保護者で違いがありますか。
  答:うーん、現代の保護者について、あまり多くの人を知らないので、一般化できるほど分かりません。でも、言えることは、最近の保護者の方が知識が豊富なのではないかと思います。以前は、今のように多くの教育関係の本がありませんし、マスコミでも取り上げることが無かったと思います。


4. 「ふわっと言葉」をたくさん人にかけてあげると、それがめぐりめぐって自分に戻ってきて、それが勇気づけてくれる、と書いてありますが、これは本当だと思いますか。
  答:そうですね、ふわっと言葉で他の人を喜ばせるのは、自分も嬉しいことですよね。それに、情けは人のためならずと言いますからね。


5. 川島先生が考える、生徒との信頼の結び方は、何ですか。どのようにしたら生徒と信頼関係を結ぶことができますか。
  答:授業でも話しましたが、教師は、教師としての役割をとるのでなく、人間対人間、一人の人間として、教師と生徒がお互いに尊敬しあうことのできる人間関係を持つことができれば、それは信頼関係となると思います。


6. 最近,「発達障害の子どもに対する支援の仕方がわからないという先生が学校に多い」という言葉をよく耳にしますが…発達障害の子どもに対する支援を知らない人のために,マニュアルを作成することは必要だと思われますか?
  答:まあ、あってもいいですが、マニュアルよりも本を読んで欲しいですね。教師は、雑用が多くて、あまり本を読む時間が無いようですが、良くないことだと思います。教師になってからも、本だけは読んで欲しいです。



7. 生徒の障害について、しっかりと生徒に話をするのは、今後クラスをいい方向に持っていけるかもしれないという大きな意味のあることである反面、大きなリスクを伴う。病名を出して生徒に説明することについて川島先生はどうお考えになりますか?
  答:それは学年によると思います。しかし、小学校では病名をいわずに説明することが可能だと思います。子どもは、どのような状況でも、そのようなこともあるのだと理解します。人種的な偏見や男女差別も教えたり、作り出すことも、そんなに難しくはありません。逆に言えば、子どもはどのようなことも、それが一般的なのだと納得できるのです。障がいに対する偏見のようなリスクは、大人から教わったり、大人をモデルとして見ることでできあがるのです。子どもは、周りに偏見を持った大人がいなければ、そのまま受け入れることができるのです。

質問と回答:生徒指導概論A(木)110113 教育の職業的意義 後半

2011年01月14日 | Weblog
 生徒指導Aの皆さんは6冊読み終わりましたね。みなさんのレポートを見ていると次第にいろいろと考えるようになっているのが感じられます。

1. 先生は小中学校でのキャリア教育をどのような形で行っていけばいいと考えていらっしゃいますか?具体的な案があれば教えていただきたいです。
  答:私は、小学校・中学校でのキャリア教育は、「仕事とは他の人のため社会のために役に立つことをすること」だと教えたいと思います。ですから、世の中には、どんな職業があるかと言うことと同時に、それらの仕事が、どのように社会に役に立ち、他の人たちのために、役立ているのかを教えたいと思います。

2. 「職業的意義の低さ」という点について、川島先生が考えることを良ければ教えてください。
  答:「職業的意義の低さ」が生ずる、一番の問題は、職業が個人のものだと考えているとことだと思います。授業中でも話しましたが、仕事、職業は、個人の営みのように見えますが、社会があっての仕事です。ですから、仕事をすることは、一般的な意味でのボランティアに近いものがあります。お金を得るために仕事をするのではなく(昭和の時代はそれで良かった)いかに自分の力を社会のために生かすかを目標にすれば、職業的な意義は高くなると思います。

3. 先生はご自分がでた教育機関に職業的意義を感じていましたか。
  答:そうですね。大学では法学部だったので、その知識を生かして社会のためになるという方向でそれなりにありましたし、大学院は研究をすることで社会の役に立つと思いました。

4. 先生は暑い方がお好きですか?寒い方がお好きですか?
  答:若い頃は、暑い方が好きで、日光浴をしたりしましたが、今は、暑いよりは寒い方がいいです。でも、こんなに寒いのも苦手です。徒然草に「 家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪え難き事なり。」とあります。でも、今はクーラーがあるからなあ。どちらとも言えない。

5. 私は先目、新成人として成人式に出席しました。荒れる成人式、が毎年テレビで報道されますが、そんな成人に一言声をかけるならなんといいますか。
  答:それは、無理でしょう。荒れる成人の人たちは、中学、高校、その後と、社会から馬鹿にされていると感じているのですから。それを解消するような方向で言葉がけができるならいいのですが。

6. 川島先生が考える、「キャリア教育」に求めることは何ですか。何をもって.「キャリア教育」が成功したことになるとお考えですか。よろしくお願いします。
学校で職業教育が行われるとしたら、どのようなことに注意すべきでしょうか?
  答:下の項目でも、同じようなことを述べますが、私は、個人の職業意識の育成だけでなく、もっと社会との関係の中で職業を考えることを教えることを考慮する必要があるとと思っています。ですから、職業教育がうまくいったということは、その子どもが大人になって、その子どもの能力を十分に発揮して、社会のために役に立ち、その見返りとして、それなりの報酬を得ることができたときに成功したと言えると思います。


7. また、2月に卒業旅行でインドに行くことになったのですが、女2人旅なのです。気をっけなければいけないことは何でしょうか。
  答:外国旅行をしたときの気をつけるべきことは2つあります。一つは危ないところ(スラムや夜の繁華街)行かないこと。もう一つは、いい話、うまい話は無いということです。でも、面白いことは、きっとたくさんありますよ。気をつけて行ってらっしゃい。


8. キャリア教育の中身についてもう少しわかりやすく教えてください。
  答:すみません。長くなるので、ネットで探してみてください。文科省のホームページもあったと思います。しかし、そこでも、個人の職業意識にしか言及していません。私は、もっと社会との関係の中で職業を考えることを教えることがキャリア教育だと思っています。

9. 先生は職業的意義を教育の中に盛り込むという考え方については賛成反対どちらでしょうか?
10. この本の著者はキャリア教育に対して批判的ですが、先生はキャリア教育についてどう考えていますか?
  答:私は、部分的には賛成です。それは、子ども達がいろいろは職業の種類や、それがどのように社会に役に立っているかを知ることが出来るからです。しかし、個人の立身出世の手本にして動機づけるというような意図が見えるので反対です。あくまでも、子ども達には、「それぞれの子どもが、自分の力を十分に発揮して一生をどのように社会に貢献して生きて行くか」を教えることがキャリア教育だと思っています。この場合、自分の力を発揮するためには、自己認知(自分がどんな人間であるかを正しく知る)やセルフモニターリング(自己を客観的に見る)力が必要になります。ですから、キャリア教育は、単に職業に関する問題だけでなく、自分自身を知るという人間としての発達の過程を含んでいると思います。


11. 教育とあまり関係ないことで申し訳ないのですが、就活の際の、企業研究に関して良い方法があったら教えてください。
  答:私の、勝手な考えですが、その企業が、社会にどのくらい貢献しているかで決めるのがいいと思います。授業でも言いましたが、仕事というのはお金を稼ぐということの他に、それがどのくらい社会に役に立っているか決まると思いますので・・・


12. 「他分野への移動」では、転科や転部などが考えられます。非常に敷居が高いイメージがあるのですが、現在は緩和されつつあるのでしょうか。
  答:確かに、文科省などは、転科や転部をしやすいようにという方針を打ち出しています。しかし、例えば、この教育学部の例をとると、すでに定員を満たしている専攻や学科では、それを超えて転科や転部を認めると、通常の入学と異なった抜け道の入学のようになり認めにくいのだと思います。

13. 質問です。川島先生はなぜ大学教授という職業をお選びになったのですか?また子どものころの就きたかった職業を教えてください。
  答:大学の教員になったのは、子どもの発達を勉強して、父や母の後を継いで幼稚園教育に役立てたかったからです。しかし、研究をして行くうちに大学の教員になってしまいました。

14. 私の小さい頃の夢は、水族館で働くことでしたが、先生の小さい頃の夢はなんでしたか。
  答:小学生の時の、どんな職業につきたいかという作文では弁護士と書きました。その後、陶芸家になりたいなどとも考えたことがありました。

15. 生徒指導概論で6冊の本に出会うことができました。川島先生は、月にどれくらいの本を読みますか。
  答:私は、あまりたくさんの本を読む多読と言うよりも、じっくりと考えながら本を読むタイプです。また、何冊かと言われても、新書と洋書の専門書を同じ一冊とは言えません。

16. 人はなぜ働くと思いますか。
  答:2つの方向があると思います。一つはお金を得ることで生きてい行くあるいは楽しみを満たすという方向と、他の一つは、自分自身の能力を試したり、役に立ったという達成感を得るためだと思います。

質問と回答:生徒指導概論A(木)110106 友だち地獄 討論+教育の職業的意義 前半

2011年01月06日 | Weblog
0106 友だち地獄 討論

1. 新年最初の質問です。先生の今年の抱負や目標を教えてください。
  答:おっと、自分では、毎年今年の抱負を考えるけど、半分も実現できないことが多いです。今年の抱負は、いま、書いている本を仕上げることです。

2. 大学の教職員のなかで、いじめはありますか。理念・研究対象の対立から、発展して…ということがありそうな気がします。
  答:あまり無いと思いますが・・・理念・研究対象の対立からなら、まだいいのですが、お互いの仕事や態度から、うらやましがってお互いの足の引っ張り合いはやめて欲しいと思います。社会に出ると、対立よりも足の引っ張り合いの方が多いのですよ。政治家などは、その典型ですね。あいつの方がいい思いをしているとね・・・

3. 先生は箱根駅伝をご覧になりましたか?これに関連して好きなスポーツを教えてください。
  答:箱根駅伝は見ました。高校の時に陸上をやっていたので興味があって毎年見ています。好きなスポーツは自分でやるならスキーと水泳かな。見るのなら相撲が好きですが・・最近はほとんど見ません。。

4. 川島先生は、お金があればどんなことを叶えたいですか。
  答:なんだろう。お金と言っても、その金額によるなあ。国家予算くらいあれば、いろいろな国に援助をしたいし、個人的な欲求でなく社会を考えるといろいろあるな。数億くらいなら信州大学のために使ってもいいし、数千万なら老後に蓄えたいし、数百万なら旅行でもしてしまうかも・・

5. 川島先生は、「なれ合い型」と「管理型」のどちらに当てはまりますか?または、どちらにも当てはまらない「○○型」ですか?
  答:そうですね。前にも書いたけど、私は、いくつかのルールを決めて、それが守られている範囲なら自由にするという「管理付き自由型」かもしれませんね。



ここからは、「教育の職業的意味」 前半の感想から

6. 先生は教育の職業的意義は必要だと思いますか?
7. 小学校、中学校での教育の職業的意義とはどういったことだと思われますか?
8. 先生は、学校での早期から(中学校や高校くらいからの)「職業教育」は必要だと思われますか?
  答:もちろん必要だと思います。ただ、この本とは違う立場から、職業教育が必要だと思っています。それは小学校の段階から必要であり、働いて生きて行くことの大切さというものは、職業意識とは、自分のためでなく、何らかの形で社会に役に立つために生きることで達成されるという意識についての教育だと思っています。子どもが大きくなって生きて行くと言うことは、一人で自分のために生きるのではなく、社会と関わることで他の人々のために(自分や自分が利益であると考える家族のためだけでなく)生きることが人生なのだと言うことを教えると言うことです。
 理想主義のように思えますが、この意識がなければ社会というものが成り立たないと思います。八百屋さんは野菜を売って、車屋さんはクルマをつくり売って、教師は社会の他の人に代わって子どもを教育して社会のために貢献するのです。ですから、職業教育は、教育すべての基本だと思っています。


9. 私の家族は元旦に決まってお参りに行って初売りに行くのですが、先生は元旦に決まってする家族行事のようなものはありますか。
  答:特別にはありません。でも、正月には、子ども達の家族と食事をしたり、母や兄弟の家族と一緒に過ごしたりすることが毎年の恒例になっています。

10. 先生はどんな就職活動をしましたか。
  答:大学の教員になるためには、特別な就職活動というよりも、常にどこかの大学に応募がないかを気を配り、その大学に応募するためのという書類を作ることでした。もちろん、応募するためには、それなりの業績もなければならないので、論文を投稿したり、データを集めるための実験をしたりすることを行わなければなりませんでした。

11. 長野の冬は寒くて耐えられません。先生がやっている、おすすめの寒さ対策を教えてください。
  答:私がやっている、寒さ対策の一番は「布団乾燥機」です。朝、家を出る時に布団乾燥機をかけて出てきて、寝る前に、また少しだけかけると朝まで、ほかほかして寝ることが出来ます。布団乾燥機のない冬の生活は考えられません(笑い)

12. 川島先生は子どもたちにお年玉をいくらあげていますか?
  答:今は、職業人であり働いているのであげていませんが、高校生の時までは、あげていました。いくらかだったかなあ、しかし、私の子ども達は、中学、高校を通して、学校中で一番と言っていいほど小遣いが少なかったと記憶しています。しかし、必要なものは買ってあげていました。また、大学生の時は、毎週単位で昼食代や交通費は渡していたと思います。

13. 川島先生はお正月は何をしましたか?僕は毎日バイトでした。
  答:元旦は子どもたちの家族が来て過ごしました。2日は母のところで私の兄弟の家族(姪や甥の子どもも含めて)と食事をしました。3日は娘とつき合ってコストコとイケアに買い物に行きました。暮れから来ていた、わかなちゃんが、まだ正月も家にいるので毎日遊んで楽しかったですよ(再掲)。

14. 大学段階でこの「抵抗」の部分の取り扱いは少ないように感じます。私が感じていないだけで、実際は取り扱われている場面があるのでしょうか。 
  答:心理学では、批判的思考力(クリティカル・シンキング)という言葉があります。もちろん、本などを読む時に、そのまま受け入れるのでなく、批判的に読むことが必要です。その意味では、この授業も含めて大学段階でも扱っていると考えています。また、政治的な意味での「抵抗」教育の基本は、人間は上に立つと誰でもが「権威的」「権力的」「支配的」な部分を持ってしまうことを知ることだと思っています。それが人間に性ともいうべきもので、権力は人を横暴にすることを知り、それに抵抗することが、「抵抗」だと思っています。この本の中では、さらに、それによって「自分を守る」「権利を主張する」という意味を含んでいると思います。私は若い頃から、そうなりたくないと思って生きてきましたが、できているかどうかは分かりません。

15. 昨年一年の中での大失敗は何ですか?
  答:なんだろう。たくさん失敗しているけどあまり憶えていないなあ(失敗は早く忘れるようにして努力しています・・・)。そうだ、4日間ストーブをつけっぱなしで家をあけて地球温暖化に貢献したことかな(ちょっと、書くのも恥ずかしいんじゃない?・・)

16. 無知をさらすようで恥ずかしいのですが、学校の「講師」は非正規社員に含まれるのでしょうか?
  答:もちろん、臨時採用の教師は、非正規社員です。一応期限がありますが、いつやめさせられても文句は言えません。また、収入も、講師は、ほとんど昇給しませんし、ボーナスもほとんどありません。何年かすると、年収で百万単位で差が出てきます。その意味では、講師の給料は、もっと高くてもいいと思います。


17. 質問です。あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。先生は学生の就職活動がどんどん早い段階から行われていることについてどのようにお考えですか?私はあまりに早い就職活動は学生の負担がとても大きいのであまり賛成できません。
  答:そうですね。現在の就職試験の時期については、学生の立場と言うよりも、雇う方の都合と就職が上手く行かない学生のことなど、多面的に考えて出来ていると思います。しかし、実際は、教員採用試験に受かっても名簿に載るだけで、実際に採用が来ないなどというような調整も行われるのが現実です。

18. 川島先生に質問。大学生は遊べ.と良く聞きます.私は正義感が強すぎるせいか,授業を理由なくさぼったり居眠りをしている人を見ると切ない気持になります.大学とは,本来どんな場所であるかわからなくなってしまいました….
  答:確かにそうですね。でも「人は人、自分は自分、だけど仲良し」です。大学の目的は確かにそうですが、居眠りしている人も、さぼる人にもそれなりの理由があると思っています。

質問と回答:発達と教育A (水) 110105 完璧志向が・・討論 発達が気になる子のサポート入門の前半

2011年01月05日 | Weblog
明けましておめでとうございます。
私は、まだ休みぼけとお酒が残っているような感じで、いつもの生活のペースになりません。


「完璧志向が子どもをつぶす」  討論から

1. 討論中に出た疑問ですが,昭和時代や大正時代には体罰が今と比べて許されていたのに、今は否定的です。その理由について考えられることがあれば教えてください。
  答:いくつかの要因があると思います。①アメリカでの子どもに対するしつけの仕方の影響から、日本でも子どもの自発性を損なわないために強制的な態度をとらないという流れがあるということ、②1980年代の戸塚ヨットスクールの事件以来、子どもへの暴力は絶対にいけないというマスコミの論調とその流れによる世論、③少子化に伴って子どもを大切に育てたいという流れ、④父親不在の、母親が子どもとなれ合い、仲良くした方が有利であると考えることから甘やかしてしまう傾向などが考えられます。その一方では、1990年代から、親の身勝手とカッとなることからの虐待が始まりました。


2. 先生は、父親が積極的に子どもと遊んだり、子育てに参加したりすることについてどう思いますか?私は、今回の討論を通して「いい事かもしれない」と考えるようになりました。
  答:いいですね。子育ては、母親だけのものでなく、一緒に子育てをすることで、父親も成長することができます。特に、自分の子どもを見ていると、自分自身の理解(メタ認知)が進むような気がします。私は、子育てを通して成長した気がします。その意味で子どもたちに感謝しています。


3. どのような工夫をすれば討論は盛り上がると思いますか?
  答:それは、お互いに利益になるような方向で、みんなが興味のあることを話題にすることです。また、お互いに聞き役になることです。確かに、一人、二人の人が話し続けるのも聞いている分にはおもしろいのですが、盛り上がるときは、我先に自分のことを話したがる状況になります。


4. 読書レポートを2000字以上としている理由はブログを読んで知ったのですが、討論レポートは、なぜ“1200”字以上なのでしょうか。
  答:なるほど、あまり深く考えていませんでした。感想レポートが2000字なので、討論は字数はどうでもいいのですが、一応、原稿用紙3枚くらいということで決めたと覚えています。でも、もう、何年もそれでやってきて、感じとしてはそれでちょうどいいのではないかと思っています。




「発達が気になる子のサポート入門」の前半のレポートから

5. 課題の本を通して「発達障害」について勉強してきましたが、どれも同じとらえ方ではなく色んなとらえ方があるのだと感じました。ますます、「発達障害」への興味が強くなりました。
  答:そうですね。「発達障害」を理解するためには、体験と同時に、理論と平行してケースを読むことで広がると思います。いろいろなケースや理論を学ばないで、ただ子どもに出会ってもなかなか理解が進みません。


6. 先生は今まで発達障害を持つ子どもと関わったことがありますか。また、どのような印象を受けましたか。
  答:何年か前に、付属養護学校に関わっていたのと、いろいろな場面で発達障害の子どもに出会ってきました。印象としては、子どもは一人一人違うものだということ以外ありません。

7. 「有名人にも障害がいる」という例示はいいことだと思いますか。
  答:そうですね。いいと思います。偏見をなくす一つの方法として、偏見を持っている人の中にも尊敬できる人がいることを知ると言うことがあると思います。黒人への偏見も、ノーベル賞をとった黒人や大統領の黒人がいることで偏見が少なくなると思います。

8. 先生が、子どもや孫をほめるとき、しかるとき、はげますときに気をつけていることや心がけていることはありますか。
  答:そんなに、深く考えていないけど、ほめるときは感情だけでなく情報として「それは良いこと」であると知らせるようにすること。叱るときは、叱るだけではなく「それは悪いことだ」という情報として伝えるという気持ちで対応すること。励ますときは、今までもよくやっていると言うことを含めて励ますことかな。

9. 先生は、自分の両親が将来認知症などになる前に、あるいはなったときに脳の訓練などをして、その症状を予防したり、遅らせたり改善させりしようとしますか?また、そのようなことについて、どう思いますか?
  答:年齢とその個人の状況によると思います。しかし、認知症の人を見ていると、確かに、自分も認知症にならないようにしたいと思う気持ちも分かります。極端な言い方をすると、認知症になるくらいなら、ぽっくり逝きたいと思うくらいです。そう考えると、認知症にならないように脳の訓練をするというより、ぽっくり逝きたいと思うことから訓練をしているのではないでしょうか。自分から訓練する人は背景には子どもに迷惑をかけたくないという気持ちもあるのでしょうね。


10. あけましておめでとうごいます。本年もよろしくお願いします。先生はどのようなお正月をすごされましたか?
  答:元旦は子どもたちの家族が来て過ごしました。2日は母のところで私の兄弟の家族(姪や甥の子どもも含めて)と食事をしました。3日は娘とつき合ってコストコとイケアに買い物に行きました。暮れから来ていた、わかなちゃんが、まだ正月も家にいるので毎日遊んで楽しかったですよ。


11. 最近、私の周りに精神的に病んでいる友達が多いです。その人たちにどのように接したらいいかわかりません。先生なら、「躁欝」の人に接するとき、どのような事に気をつけますか。
  答:それはたいへんですね。この問題は、とても難しいです。というのは、その病んでいる人の状態によるからです。軽い場合と重い場合では、対応の仕方が異なります。重度の場合は、医者の判断と薬が必要です。軽度の場合は、ケースによりますが、話を聞いてあげるということが基本になります。しかし、あまり頼られると、あなた自身が負担になってしまいます。あなた自身が負担になることも避けなければなりません。しかし、私はできるだけ、そのようなことをあまり気にしないでつきあうことにしています。

12. 昨日成人式がありました。20歳になっているというのに精神的に大人になりきれていないなあと感じています。例えばどうでも良いことで母親に頼ったりけんかしたりしてしまうところです。母は私から見てとても強い人だと思うのですが、一人で抱えて解決するところがあるので、たまに心配になります。母のためにも本当に大人になりたいし、ならなくてはいけないと思っています。どうしたら精神的に強い大人になれますか?抽象的な質問でごめんなさい。
  答:うーん。母親との関係は、それでいんじゃないかな。でも、大人になることは必要ですよね。大人になるということは、より客観的で、広い視野をもつことだと思います。私は、親との関係で、成長したと感じたのは、やはり、親も一人の人間として悩んだり、苦しんだりしているのだと感じたときでした。例えば、あなたとつまらないことでケンカをすれば親の方も悔やんでいるのです。でも、そうやって親子は成長していくのでしょうね。