生徒指導概論A (木)の受講生のみなさんも、これでレポートが終わりました。ご苦労様でした。みなさんは、半期で6冊の新書を読んで18回のレポート(2000字X12回、1200字X6回)合計400字詰の原稿用紙で78枚分のレポートを書いているわけです。これは、卒業論文並みですね。毎週、コツコツと書くとすごいですよね。「発達と教育」と併せて一年間受講した人は12冊の新書を読んで原稿用紙で156枚ですね。こりゃ、すごい!自慢してもいいですよ。やはり、信州大学教育学部の学生さんですね。えっ、終わってみればたいしたことなかったって声が聞こえますが・・・・謙遜しなくていいですよ(笑い)。そのうち、読み返してみるとおもしろいですよ。
1. 先生は筆者が言うように学校制度を変えるべきだと思いますか?
答:先週も同じことを書きましたが、制度を直しても変わらないと思います。授業中にも話しましたが、一言では答えられません。社会的な要因として子どもを比較して他の子どもに負けないようにと教育してくると、当然、子どもによってはいろいろな形で自尊心を高めようとします。他の場面で勝ることが出来ない場合、やっかみから暴力で勝っていることを示して自尊心を高めたり、何らかの形で他の子どもに対する優越感や高い地位にあることを示そうとするでしょう。現代の社会は、個人主義と言いながら競争社会です。特に子どもは、「ひとはひと、自分は自分」という訳にはいかないのです。ですから、いじめを防ぐには、1.いじめはいけないことだと10歳までに教えること、2. 「人は人、自分は自分、だけど仲良し」というように、比較によってその子どもの価値を決めるというを出来るだけ避けて、個々の子どもに対応する。3.子どもの準拠集団(仲良し集団)を一つだけにしないで、いじめられた場合でも、他のグループや親子関係、話をきいてくれる大人、などのいくつかの準拠集団に属するような環境にするのなどがあると思います。この本のように、学級制度がだめだから壊せばいいと言うわけにはいかないと思います。(再掲)
2. 日本の先生は非常に忙しいということは前々から聞いていました。今日の授業でも取り上げられましたね。フィンランドでは、教師の役割は「授業をすること」に集中しており、生徒指導などをする人と役割が分担されていると聞いたことがありますが、それは本当ですか?また、このような制度をどう思いますか?
答:私も、聞いたことがあります。フィンランドはわかりませんが、アメリカでは教師は、授業が基本で、生徒指導の部分はカウンセラーなどが中心に対応すると聞いています。、
3. 自分は自分、人は人ということを分かってもらうための良い方法はありますか。
答:これは子どもの価値観ですから、小さな時から同一視の対象である親が、そのような価値観で対応しないと内在化されません。「自分は自分、人は人、だけど仲良し」は、人生観です。そのような信念は、毎日の生活の中で何度も場面を変えて、経験し教えられないと身に付かないのです。そのためには、周りの大人が、そのような信念を持つことが基本となります。
4. 私はノリがとても苦手です。自分に合わないノリの人と関わるとひいてしまいます。川島先生は、ノリのお付き合いについてどのようなお考えをお持ちですか。
答:私も、酒を飲んだとき以外は、あまりうまくありません。自分の気分が乗らないのに、他の人のペースにあわせてノルのは、大変なことです。ですから、そんな時は、笑ってみているしかありません。
5. 私は生徒指導概論の授業をうけて今まで知らなかったことを多く知りました。これからも少しずつ本を読んでいきたいと思いました。先生は大学生に勧めたいおすすめの本はありますか。あったら読んでみたいのですが。
答:そうですね。これまで、過去のこの授業で扱ってきた本を見てみてください。といっても、大変なので、少しだけですが、あげておきます。発達と教育で使っているものも含まれています。
私塾のすすめ ちくま新書 斎藤孝 梅田望夫
「頭のよさ」は遺伝子で決まる!? (PHP新書) (新書) 石浦 章一
反「道徳」教育論 PHP新書 山口 意友
子どもの脳を守る―小児脳神経外科医の報告 集英社新書 山崎麻美
「脳科学」の壁 脳機能イメージングで何が分かったのか (講談社+α新書)榊原洋一
◎大人が知らない子どもの体の不思議 (ブルーバックス) 榊原 洋一
学校って何だろう―教育の社会学入門 苅谷 剛彦 ちくま文庫
LD(学習障害)とディスレクシア(読み書き障害)(講談社+α新書)上野 一彦
早期教育と脳 光文社 小西行郎
人間形成の日米比較―かくれたカリキュラム 中公新書 恒吉 僚子
子どもの脳の発達臨界期・敏感期 講談社α新書 榊原洋一
誇大自己症候群 岡田尊司 新書 筑摩新書
LD・ADHDは病気なのか? 金澤 治 講談社+α
日本を滅ぼす教育論議 岡本 薫 講談社現代新書
判断力はどうすれば身につくのか 横江公美 PHP新書
人はなぜ逃げおくれるのか―災害の心理学 広瀬 忠 新書 集英社
ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊 正高信男 中公新書
不登校を乗り越える 磯部潮 PHP新書
現代日本の問題集 日垣隆 講談社現代新書
親子ストレス―少子社会の「育ちと育て」を考える 平凡社新書 汐見 稔幸
子供が「個立」できる学校―日米チャータースクールの挑戦 角川oneテーマ21 天野 一哉
小・中学生の海外留学事情―親と子の自立をめざして 講談社プラスアルファ新書 浅井 宏純
赤ちゃんと脳科学 光文社新書 磯部 潮
6. いじめをなくすためには思いやりの心を育てることが大事だと思います。しかし、思いやりとは何かと言われると感覚的なもので上手く説明できるものではないように思います。先生は思いやりとはどんなもの(こと)だと思いますか。
答:私は、思いやり(愛他行動)の研究をしていました。思いやりのある行動と、社会的に良い行動(向社会的行動)とは異なります。思いやりのある行動が、そのまま良い行動や親切な行動にならないことがあります。また、思いやりは、子どもが生まれつきや性格として持っているものでなく、思いやりのある行動として教えなければ生まれません。特に、適切な大人もモデルとタイミング良く認められること(強化)が必要です。
7. 勉強ができてまじめな子がいじめの対象になりやすいということですが、逆に勉強ができない不真間目な子もバカにされたりしていじめの対象になることが考えられると思います。時と場合によって変わると私は思いますが、先生はどちら0)方がいじめの対象になる確率が高いと思いますか。(答えづらい質間ですみません。)
答:それは、勉強ができない不真間目な子の方がバカにされることが多いと思います。今の学校は、勉強の出来ることが一番の価値です。出来る子どもがいじめの対象になるのは、やっかみからです。
1. 先生は筆者が言うように学校制度を変えるべきだと思いますか?
答:先週も同じことを書きましたが、制度を直しても変わらないと思います。授業中にも話しましたが、一言では答えられません。社会的な要因として子どもを比較して他の子どもに負けないようにと教育してくると、当然、子どもによってはいろいろな形で自尊心を高めようとします。他の場面で勝ることが出来ない場合、やっかみから暴力で勝っていることを示して自尊心を高めたり、何らかの形で他の子どもに対する優越感や高い地位にあることを示そうとするでしょう。現代の社会は、個人主義と言いながら競争社会です。特に子どもは、「ひとはひと、自分は自分」という訳にはいかないのです。ですから、いじめを防ぐには、1.いじめはいけないことだと10歳までに教えること、2. 「人は人、自分は自分、だけど仲良し」というように、比較によってその子どもの価値を決めるというを出来るだけ避けて、個々の子どもに対応する。3.子どもの準拠集団(仲良し集団)を一つだけにしないで、いじめられた場合でも、他のグループや親子関係、話をきいてくれる大人、などのいくつかの準拠集団に属するような環境にするのなどがあると思います。この本のように、学級制度がだめだから壊せばいいと言うわけにはいかないと思います。(再掲)
2. 日本の先生は非常に忙しいということは前々から聞いていました。今日の授業でも取り上げられましたね。フィンランドでは、教師の役割は「授業をすること」に集中しており、生徒指導などをする人と役割が分担されていると聞いたことがありますが、それは本当ですか?また、このような制度をどう思いますか?
答:私も、聞いたことがあります。フィンランドはわかりませんが、アメリカでは教師は、授業が基本で、生徒指導の部分はカウンセラーなどが中心に対応すると聞いています。、
3. 自分は自分、人は人ということを分かってもらうための良い方法はありますか。
答:これは子どもの価値観ですから、小さな時から同一視の対象である親が、そのような価値観で対応しないと内在化されません。「自分は自分、人は人、だけど仲良し」は、人生観です。そのような信念は、毎日の生活の中で何度も場面を変えて、経験し教えられないと身に付かないのです。そのためには、周りの大人が、そのような信念を持つことが基本となります。
4. 私はノリがとても苦手です。自分に合わないノリの人と関わるとひいてしまいます。川島先生は、ノリのお付き合いについてどのようなお考えをお持ちですか。
答:私も、酒を飲んだとき以外は、あまりうまくありません。自分の気分が乗らないのに、他の人のペースにあわせてノルのは、大変なことです。ですから、そんな時は、笑ってみているしかありません。
5. 私は生徒指導概論の授業をうけて今まで知らなかったことを多く知りました。これからも少しずつ本を読んでいきたいと思いました。先生は大学生に勧めたいおすすめの本はありますか。あったら読んでみたいのですが。
答:そうですね。これまで、過去のこの授業で扱ってきた本を見てみてください。といっても、大変なので、少しだけですが、あげておきます。発達と教育で使っているものも含まれています。
私塾のすすめ ちくま新書 斎藤孝 梅田望夫
「頭のよさ」は遺伝子で決まる!? (PHP新書) (新書) 石浦 章一
反「道徳」教育論 PHP新書 山口 意友
子どもの脳を守る―小児脳神経外科医の報告 集英社新書 山崎麻美
「脳科学」の壁 脳機能イメージングで何が分かったのか (講談社+α新書)榊原洋一
◎大人が知らない子どもの体の不思議 (ブルーバックス) 榊原 洋一
学校って何だろう―教育の社会学入門 苅谷 剛彦 ちくま文庫
LD(学習障害)とディスレクシア(読み書き障害)(講談社+α新書)上野 一彦
早期教育と脳 光文社 小西行郎
人間形成の日米比較―かくれたカリキュラム 中公新書 恒吉 僚子
子どもの脳の発達臨界期・敏感期 講談社α新書 榊原洋一
誇大自己症候群 岡田尊司 新書 筑摩新書
LD・ADHDは病気なのか? 金澤 治 講談社+α
日本を滅ぼす教育論議 岡本 薫 講談社現代新書
判断力はどうすれば身につくのか 横江公美 PHP新書
人はなぜ逃げおくれるのか―災害の心理学 広瀬 忠 新書 集英社
ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊 正高信男 中公新書
不登校を乗り越える 磯部潮 PHP新書
現代日本の問題集 日垣隆 講談社現代新書
親子ストレス―少子社会の「育ちと育て」を考える 平凡社新書 汐見 稔幸
子供が「個立」できる学校―日米チャータースクールの挑戦 角川oneテーマ21 天野 一哉
小・中学生の海外留学事情―親と子の自立をめざして 講談社プラスアルファ新書 浅井 宏純
赤ちゃんと脳科学 光文社新書 磯部 潮
6. いじめをなくすためには思いやりの心を育てることが大事だと思います。しかし、思いやりとは何かと言われると感覚的なもので上手く説明できるものではないように思います。先生は思いやりとはどんなもの(こと)だと思いますか。
答:私は、思いやり(愛他行動)の研究をしていました。思いやりのある行動と、社会的に良い行動(向社会的行動)とは異なります。思いやりのある行動が、そのまま良い行動や親切な行動にならないことがあります。また、思いやりは、子どもが生まれつきや性格として持っているものでなく、思いやりのある行動として教えなければ生まれません。特に、適切な大人もモデルとタイミング良く認められること(強化)が必要です。
7. 勉強ができてまじめな子がいじめの対象になりやすいということですが、逆に勉強ができない不真間目な子もバカにされたりしていじめの対象になることが考えられると思います。時と場合によって変わると私は思いますが、先生はどちら0)方がいじめの対象になる確率が高いと思いますか。(答えづらい質間ですみません。)
答:それは、勉強ができない不真間目な子の方がバカにされることが多いと思います。今の学校は、勉強の出来ることが一番の価値です。出来る子どもがいじめの対象になるのは、やっかみからです。