選手の仕事（キャリアサポート）５

　リスペクト（事例紹介）コラムです。
　何かの参考にと、某黄色いチームのファンクラブ会報「日立台通信」を時々借りて読ませてもらってます。先日、読んでいた時にちょっと目に留める記事がありました。元選手の社長なのですが、クラブではなくスポンサー企業なのです。金額も安くはないでしょうし、簡単になれるものではないと思います。記事では、下平監督との対談形式でした。以下、抜粋して紹介。
　　　
【プロローグ】
　かつて同じポジションとして、しのぎを削りあってた者同士。時を経て、その二人が監督と社長という立場に変わって再会。

【藪崎社長のプロフィール】
・藪崎真哉氏（㈱ジールホールディングス　代表取締役）
'78年千葉県生まれの38歳。Ｊ１柏に入団後６年間在籍。現役引退後は営業職を経て26歳で起業。'08年にWEBリスクコンサルティング事業の㈱ジールコミュニケーションズ、'13年に体育会系の就活生を支援する㈱ジールアスリートエージェンシーを設立。'14年に２社を統括する㈱ジールホールディングスを設立。３社の代表を務め、'16年からＪ１柏のユニフォームスポンサー契約を締結。

【対談内容（抜粋）】
－当時のチームでの２人
Ａ：'97年から６年間（ニカノール監督と西野監督）、同じボランチでプレー。背番号25番。藪崎氏の後に下平氏が付ける。
－Ｊ１柏契約満了後引退について
Ａ：プロになるまでは努力した自負はあるが、プロの６年間は自己管理も練習中も自分自身に負けていた。６年間これだけ自分に負けたのにサッカーを続けてはダメで辞める決意。他の人のようにサッカーに懸けていなかった。あの時にサッカーを辞めた自分にとってはＯＫ。もし29歳までやって中途半端に辞めていたら今は無かったかもしれない。それはそう思える人生をその後送ってきたという事。サッカーはあきらめられても、人生はあきらめたくなかった。一度実家に戻り、今度は「社長になる」と言って上京。
　東京の飲食業に入社。その後営業職に挑戦し、独立を果たす。サッカーを辞めた後の社長になるまでの約１年半の間は、プロ選手になる努力よりも、プロ選手６年間よりも一番頑張った時期。独立後、３年後社員は25人になったが、市場の縮小と他にやってる事で社員の統率ができなくなって清算。半年後ジールホールディングスを設立。ジールを起業する時に、「最低でもレイソルのユニフォームスポンサーになれるぐらいの企業にする」という目標も設定。最初は３人でスタートしたが、現在の社員数は50人。
－セカンドキャリアについて
Ａ：セカンドキャリアは、ピークが終わった後のセカンドと捉えがちだが、生きていれば今がファーストキャリア。今どうしているかが大切。
－クラブへの期待
Ａ：スポンサーになりたかったのは、選手として全くチームの勝利に貢献できなかった自分を６年間在籍させてくれた感謝の気持ちが大きい。
　　　
　いい話ですね。選手を現役引退して、セカンドキャリアとして起業し、業績を上げて成長した後に、恩返しでユニフォームスポンサーになるという話。たぶん、Ｊクラブで他にそういうところはないのではないでしょうか。当ブログでもよく記事で紹介していましたが、若くして転職する選手のセカンドキャリアというのは実は大きな問題なのです。それまでの人生でサッカーしか経験がない若者が、一般社会に挑んでいくのは並大抵の努力では上手くいかないと思います。
　藪崎社長は、「いつか、ユニフォームスポンサーになる」という夢を掲げ、必死に会社を運営してきた訳ですが、これはＪリーガーだけでなく、形を変えて考えたら、すべての社会人にも普通に当てはまる生き様ではないでしょうか。
　体育会系の学生の就活支援というのもいいですね。まさにスポーツとの距離感が近く、アスリートの潜在的ニーズを受け止められる素晴らしいビジネスだと思います。黄色いチームは今でこそ、企業チームですが、アカデミー出身ばかりの選手構成になったように、いつか胸以外のユニフォームはすべて選手出身の企業がスポンサーになるという壮大な夢も見る事ができますね。こちらの会社の公式ＨＰに、あの城氏との対談ページがリンクされていました。黄色い広報誌と大体同じ内容でした。
㈱ジールホールディングス公式ＨＰ：http://www.zeal-holdings.co.jp/

　いつの間にか、背番号の下（背面下部）にもスポンサー枠ができています。以前は選手名があった位置ですが、今年からなんですかね。調べてみると、'15年12月のＪリーグの理事会で、'16年からユニフォームの背面下部にもスポンサーの広告を表示できる事が決まってます。Ｊリーグにユニフォーム規定がありますが、まだ更新されていなかったですね。
　あと、昔は選手が試合中に審判からシャツをズボンにインしなさいと注意されていた覚えがありますが、アウトするのを前提にする事をＪリーグが公認したというのもありますね。
Ｊリーグ公式ＨＰ該当ページ：http://www.jleague.jp/docs/aboutj/regulation/23.pdf

　当ブログでは'13年などにキャリアサポートセンターについて取り上げています。Ｊリーガーのセカンドキャリアは昔から大きな問題で、過去には奥大介氏のような事例もありましたね。
Ｊリーグキャリアサポートセンター公式ＨＰ：http://www.j-league.or.jp/csc/topic/
(社)Ｊリーグ選手協会公式ＨＰ：http://www.j-leaguers.net/
Ｊリーグキャリアサポート関連④：http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131227
     〃　　　　　　　　　　　　　　 ③：http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130618
     〃　　　　　　　　　　　　　　 ②：http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100611
     〃　　　　　　　　　　　　　　 ①：http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20050915
カリスマの存在」カテゴリ以外のＪ１柏関連：71 / 70 / 69 / 68 / 67 / 66 / 65 / 64 / 63 / 62 / 61 / 60 / 59 / 58 / 57 / 56 / 55 / 54 / 53 / 52 / 51 / 50 / 49 / 48 / 47 / 46 / 45 / 44 / 43 / 42 / 41 / 40 / 39 / 38 / 37 / 36 / 35 / 34 / 33 / 32 / 31 / 30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / ⑳ / ⑲ / ⑱ / ⑰ / ⑯ / ⑮ / ⑭ / ⑬ / ⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ①