碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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栗山千明主演「晩酌の流儀3」「孤独のグルメ」と並ぶ定番へ

2024年08月30日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「孤独のグルメ」と並ぶ定番へ

栗山千明主演

「晩酌の流儀3」

 

栗山千明が金曜深夜に帰ってきた。ドラマ25「晩酌の流儀3」(テレビ東京系)である。

シーズン1の放送は一昨年の夏。まだ続いていたコロナ禍の中、「家飲み」に注目したグルメドラマだった。

自分の家で、誰にも気兼ねすることなく、好きな酒を好きな料理と共に味わう。一見当たり前の行為に新たな価値を見出したのだ。

不動産会社勤務の伊澤美幸(栗山)は、一日の終わりにおいしい酒を飲むことが無上の喜びだ。食材を調達して料理を作り、晩酌に臨む。

今回もこの基本構造は変わらないが、いくつかのマイナーチェンジが行われた。

まず、引っ越しをしたことによる出会いがあった。商店街の魚屋(友近)や肉屋(ナイツの土屋伸之)だ。彼らとのからみが晩酌へのいい助走となっている。

しかも、これまで行きつけだったスーパーの店長や店員も出てくるのが嬉しい。知った顔がいる安心感はシリーズ物には必要だ。

そして、大きな変化は晩酌の酒にある。美幸はいつもひたすらビールを飲んできた。

しかし今回、1杯目はビールだが、2杯目にバリエーションが生まれたのだ。

ジンソーダ、緑茶ハイなどが登場し、先週はハイボールだった。料理とのマッチング具合も見る側にとって晩酌のヒントとなる。

食も酒も身近な存在だが、奥の深いテーマだ。「孤独のグルメ」と並ぶ定番を目指して欲しい。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2024.08.28)


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