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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「ペンディングトレイン」には決着をつけなくてはならない「課題」が結構ある

2023年06月22日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「ペンディングトレイン」

決着をつけなくてはならない

「課題」が結構ある

 

今期ドラマの多くがゴール間近となった。連ドラの最終回は作品全体の評価につながる勝負どころだ。

今週最終回を迎える「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」(TBS系)も例外ではない。

いや、それどころか「最も注目すべき最終回」と言っていいかもしれない。なぜなら、決着をつけなくてはならない「課題」が結構あるからだ。

2023年春、美容師の直哉(山田裕貴)や消防士の優斗(赤楚衛二)ら普通の人々が乗った電車が30年後の未来にタイムワープしてしまう。

深い森の中での集団サバイバルが続いていたが、先週、ようやく過去の世界に戻ることができた。

しかし、そこは3年先の26年5月だった。この年、小惑星による大災害が起きることを知る彼らを、周囲は好奇と疑いの目で見るばかり。生還の喜びも無力感と絶望感へと変わってしまう。

さあ、この状態での最終回だ。まずは世界を荒廃させる小惑星衝突問題。映画「アルマゲドン」のような展開は無理だとしても、地球規模のパニックをどう回避するのか。

また、これまで果敢に運命を切り開いてきた直哉と優斗だが、先週いきなり心が折れてしまった。

2人と紗枝(上白石萌歌)との関係も含め、見る側が納得のいく大団円は用意されているのか。

物語における「ペンディング(保留)事項」を一気に処理すると同時に、後味の良さも残してほしい。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2023.06.21)