碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

23日(日)のTBSレビューで、ドラマ「ブラックペアン」伊與田プロデューサーと・・・

2018年09月22日 | テレビ・ラジオ・メディア




「TBSレビュー」
2018年9月23日(日) 
あさ5時40分〜6時

ブラック・ペアン〜医療ドラマのあり方



この10年間、日曜劇場には何人もの名医が登場した。

だが「ブラック・ペアン」の主人公渡海征四郎は過去のどの医師とも違う。

渡海は成功率100%の天才外科医だが性悪で金に汚い。「オペ室の悪魔」と呼ばれる一方、繊細な面を併せ持つ。実に捉えどころのない人物だ。

このドラマのパターンは、鳴り物入りの最新医療機器が通用せず窮地となったその時、満を持して主人公が登場、見事に患者の命を救うというものだ。

そこに視聴者は大いなるカタルシスを感じる。 日曜日の夜に相応しいワンパターン、賛否はあるだろうが…。

番組ではブラック・ペアンを例に医療ドラマのあり方について、またドラマにおけるリアリズムの描き方について探っていく。


<出演>
キャスター:
秋沢淳子(TBSアナウンサー)

今回の出演者:
伊與田英徳(プロデューサー)
碓井広義さん(上智大教授)

番組webサイトより



週刊文春で、「チコちゃんに叱られる!」についてコメント

2018年09月22日 | メディアでのコメント・論評



「チコちゃんに叱られる!」に
文春記者も叱られた!?  
NHK人気番組の秘密

「ボーっと生きてんじゃねえよ!」

素朴な疑問に答えられない大人を、5歳の少女が罵倒する人気バラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合 金曜19時57分~)。人気の秘密を探るべく取材すると、意外な経歴を持つ人物に行き当たった。

特番を経て、4月からレギュラー放送が開始されたこの番組。8月末放送分では視聴率が14%を突破し、しかも本放送の視聴率を再放送が上回る状態が続くという異例の快進撃。7月のギャラクシー賞月間賞も受賞した。

2.5頭身の着ぐるみの少女、チコちゃん(声・木村祐一)が、MCの岡村隆史らに「『どっこいしょ』ってどういう意味?」「なんで牛乳を飲むとき腰に手をあてるの?」「『あす』と『あした』は何が違う?」等々、大人には今さら浮かびにくいシンプルな疑問を投げかけ、回答を迫る。答えられないとき、チコちゃんが頭から湯気を出しつつ放つのが冒頭の決めゼリフだ。

上智大の碓井広義教授(メディア文化論)が語る。

「大人は知っていて子供が知らないという通常の構図を逆転させ、子供が大人をタジタジにさせる。設問が絶妙で、たしかに……と視聴者も考え始めてしまう仕組みをうまく作っています」


NHKらしい丁寧なつくりと、NHKらしからぬ遊び心。その両立が成功の秘密か……などとボーっと考えている小誌記者の前に現れたのは、番組作りの陣頭指揮を執る小松純也プロデューサー(51)。実は氏は、制作会社の共同テレビに出向中のフジテレビ社員。『ダウンタウンのごっつええ感じ』『SMAP×SMAP』などフジ黄金期のバラエティに携わった辣腕で、雑学バラエティの名作『トリビアの泉』にも関わっていた。

「チコちゃんはどうやって生まれたの?」

小松氏に素朴な質問をぶつけてみたところ、頭から湯気を出すことなく、丁寧に答えてくれた。

〈4年ほど前、(共同テレビの)ディレクターの河井二郎が相談に来たんです。『アイスクリームの賞味期限はいつまでか?』といった素朴な疑問を解く企画でした。どういう形の番組にしたらいいですか?  と訊くので、女の子が質問して、答えられなかったら『ボーっと生きてんじゃねえよ!』と怒るのはどう?  と。その後、番組化が進まなかったのですが、NHKさんに受け入れてもらえたんです〉(小松氏 以下ヤマカッコ部分同じ)

当初から存在したチコちゃんの罵倒フレーズ。企画を仕上げる上でベースになったのは、『笑っていいとも!』で小松氏が担当した「君たちは漫然と生きていないか?」というコーナーだった。信号の3つの色は何?  といった至極簡単なクイズに100問全問正解すれば海外旅行が当たるのだが、なぜか回答者たちは途中でつまずいた。

〈漫然と生きていては、気づくものも気づかない。その状態を面白がる感覚があったんでしょうね。もう一つは『日本のよふけ』(フジ 1999年~2003年)というシリーズ。赤ちゃんが葉巻を咥(くわ)えている『赤さん』というキャラクターがいたんです。その2つの要素が結びついて『チコちゃん~』になった。人間の思いつきには広がりがない、ということですね(笑)〉

森田アナは「正直戸惑いました」

チコちゃんの首から下は着ぐるみで、顔だけCGになっている。出演者と木村祐一のやり取りを収録した後、CG担当者がセリフに沿って顔を作るという。

チコちゃんに劣らないインパクトを視聴者に残すのが、「すべての日本国民に問います」と迫る、ナレーションの森田美由紀アナウンサー。『NHKアーカイブス』などの落ち着いた語り口で知られる大ベテランだ。

〈僕らはとにかく森田さんの声の大ファンで、やっていただけるのでしょうかという感じだったんですけど……。ときには『こういうことを世間の人に言うのは失礼だと思います』ときっぱりおっしゃるので、番組的には良いストッパー(笑)。テレビマンの先輩として、森田さん基準で演出を考えているところはあります〉

森田アナもコメントを寄せてくれた。

「NHKスペシャル風のナレーションというご要望でしたが、いざ原稿を見ると、『今こそすべての日本国民に問います』を始め、上から目線の文言が多く、正直戸惑いました。

私の読み方が番組に合っているのか、視聴者や出演者のみなさんに失礼すぎるコメントではないか、今も迷い、冷や汗をかきながら楽しませて頂いています」

番組の肝は、なんといってもチコちゃんが投げかける「疑問」だ。シンプル過ぎて出演者たちが戸惑う絶妙な問題を、どのように考えているのだろうか。

〈スタッフが日常の中で感じたものをアイデアにし、答えまで調べた段階で、僕のところに持ってきます。疑問が真っ当でありさえすればやる、と言っているのでネタは際限なくありますが、大事なのはそれを視聴者のみなさんが楽しめる娯楽に仕立てること。そのために時間をかけ、あらゆる工夫をしています〉

「名疑問ベスト3」は?
 
いい疑問は浮かんだが、答えが出ないこともある。

〈たとえば『なぜ左投げ投手のことをサウスポーって言うの?』。調べたけどわかりませんでした。でも、わからなかった、ということをネタにして放送しました。この番組の趣旨は、隠されている事実を知るということもありますが、それより、日常的に疑問を抱かずにいたことを改めて調べてみると、いろんな面白いことが出てきますよ、というものですから〉

小松氏にとっての「名疑問ベスト3」は何だろうか。

〈スタッフに、これが一番いい疑問だ、と言い続けているのが『人と別れるときに手を振るのはなぜ?』。なぜだかわからないけど誰もがやっていることだとか、みんながわかっている前提で暮らしているけど、なぜそうなのか改めて問われると答えられない、という部分を突いているのが一番いい問題ですね〉

次に挙げたのが、今後放送予定だという疑問。「鏡はなぜ左右逆に映るのか?」

〈これ、すっごく難しいんですよ!  プラトンが最初に言い出して、わからないまま死んでいったんですけど。わかりやすいと思うでしょ?  物理的には簡単なんです、光の反射だけで説明すれば。ただ、人間の意識に踏み込んでいくと、これが……(以下略)〉

最後に、答えを聞くと愕然としてしまう「親と一緒に過ごせる残り時間は?」。

〈盆暮れに里帰りする場合だと、一年に24時間程度しか一緒にいないことになる。大ざっぱにいうと、親の余命が10年ならあと10日しかない、ということ。親が我が子と過ごせる残り時間も紹介しましたが、高校を卒業して親元を巣立ったら、一緒の時間の73%は終わっている。

目の前にあるものが大切に思えたり、心に刺さったりするような気づきも、たまには提供したい。視聴者のみなさんに『自分事』にしてもらう過程を、チコちゃんの不意打ちによって、短いストロークで突いていきたいと思っているんです〉

親と共にいられるはずの時間を怠惰に空費している小誌記者、このままではチコちゃんに叱られる! 

チコちゃんは、ボーっと生きている視聴者をも覚醒させているのだった――。

(週刊文春 2018年9月20日号)




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