・「差別的扱いの禁止」を自らの「憲章」で謳っている日本テレビ。
・東洋英和女学院大学4年生の笹崎里菜さん(22)が、アナウンサーの内定を取り消された経緯。
・昨年9月のセミナーの際、「自己紹介シート」を書かされたが、「すべてのアルバイト歴を記載せよ」との注意書きはなかった。
・その後、本試験の面接でも、「他にアルバイトをしていたか?」等の質問は一切なかった。
・ネット上の写真などを削除するよう求められたこと。
・今年3月の内定者顔合わせで、人事担当者に「母の知人の関係者が経営する銀座の小さなクラブでお手伝いを頼まれ、短期間、バイトをした」と説明。一旦は、「大丈夫。人事としても、あなたを守る」と回答。
・5日後、「上に上げたら問題になった。ホステスのバイトがばれたら、週刊誌に好きに書かれる。父親も仕事を失うかもしれない」と軽い脅しで、暗に辞退を勧められる。だが、「辞める気はない」と答えた笹崎さん。
・翌日、人事部長と面談。「元ホステスが女子アナをやっていると週刊誌に書かれてしまう。笹崎自身の問題だ。耐えられるのか。夏目三久の時はいろいろと書かれて、本人が傷つき、退社することになってしまった。笹崎は大丈夫か」
・これに対し、「耐えます。母も応援してくれています」と返答するも、部長は厳しい表情。
・4月2日、人事に呼び出され、「内定辞退という判断もある。取り消しよりは騒がれずに済む」と言われる。
・取り消しの理由として、「申告に虚偽の内容があった場合、該当する」との説明。
・5月2日、人事局長から書簡が届く。
「アナウンサーには極めて高度な清廉性が求められます。他方で、銀座のクラブでホステスとして就労していた貴殿の経歴は、アナウンサーに求められる清廉性に相応しくないものであり、仮にこの事実が公になれば、アナウンサーとしての業務付与や配置に著しい支障が生ずることは明らかです」
・笹崎さんは再度、人事局長に手紙を送ったが、5月28日付で「採用内定取消通知書」が送付されてきた。
・結局、裁判に発展したわけだが、これに関して特定社会保障労務士の杉山秀文氏は、日テレ側の主張に無理があることを指摘。
・記事は、「そもそもアナウンサーとは清廉な存在か」と続く。
・芸能評論家の比留間正明氏が「片腹痛い言い分です」と、過去の女性アナウンサーの不倫や略奪愛を語る。
・その後が、私のコメントになっています。
メディア論が専門の碓井広義・上智大学教授も、「日テレの主張は、ホステスが“清廉さを欠く”職業と明言するもの。“職業に貴賎があると考えている”と思われても仕方がない」
・編集部が日テレに見解を尋ねると、「民事裁判で係争中の事案であり、当社の主張は裁判を通じて明らかにします」との回答。
・記事の最後は、「仮に勝訴して、入社できたとしても、独善的な組織で色物扱いされる苦労は想像に難くない。退くも進むも、彼女には茨の道が続く」。
(週刊新潮 2014.11.20号)
・・・・うーん、「虚偽申告」というのも無理があるし、「清廉性」で攻めるのはもっと無理があります。
それにしても、「夏目三久騒動」は日テレにとって、かなりのトラウマなんですね(笑)。