4月も半ばになった。
朝の電車の中や、昼時の四谷の街で、新入社員らしい若い衆を見かける。
この春、社会人になった卒業生たちは、元気でやっているだろうか。
山口瞳さんの名著『新入社員諸君!』は、以前、角川文庫に入っていた。
今、私の手元にあるのは、その文庫版を再録した新装版で、96年に出たものだ。
この中に「新入社員に関する十二章」という文章がある。
書かれたのは昭和38年頃だから、今年の新入社員諸君にしてみれば、映画でしか見たことのない、気の遠くなるような、はるか昔かもしれない。
しかし、山口さん自身が文中でおっしゃっているように、「時代が変わっても、変わらぬ人生の知恵がある」と思う。
できれば、どこかでこの本を入手して、全文を読んで欲しいから、山口さんが十二章として挙げた項目だけを抜き出してみます。
1 社会を甘くみるな 勉強を怠るな
2 学者になるな 芸術家になるな
3 無意味に見える仕事も厭がるな
4 出入りの商人に威張るな
5 仕事の手順は自分で考えろ
6 重役は馬鹿ではないし敵でもない
7 金をつくるな 友をつくれ
8 新人殺しに気をつけよ
9 正しい文字を書き 正しい言葉をつかえ
10 グチを言うまい こぼすまい
11 思想を持て ビジョンを描け
12 節を屈するな 男の意地をまげげるな
入社して半月では、「なんのことやら」かもしれない(笑)。
でも、ちょっとだけ頭の隅に置いておくといいと思う。いつか、何かの形で心当たりがあるはずだから。