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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

山口瞳さんの「新入社員に関する十二章」

2010年04月14日 | 本・新聞・雑誌・活字

4月も半ばになった。

朝の電車の中や、昼時の四谷の街で、新入社員らしい若い衆を見かける。

この春、社会人になった卒業生たちは、元気でやっているだろうか。

山口瞳さんの名著『新入社員諸君!』は、以前、角川文庫に入っていた。

今、私の手元にあるのは、その文庫版を再録した新装版で、96年に出たものだ。

この中に「新入社員に関する十二章」という文章がある。

書かれたのは昭和38年頃だから、今年の新入社員諸君にしてみれば、映画でしか見たことのない、気の遠くなるような、はるか昔かもしれない。

しかし、山口さん自身が文中でおっしゃっているように、「時代が変わっても、変わらぬ人生の知恵がある」と思う。

できれば、どこかでこの本を入手して、全文を読んで欲しいから、山口さんが十二章として挙げた項目だけを抜き出してみます。


1 社会を甘くみるな 勉強を怠るな
2 学者になるな 芸術家になるな
3 無意味に見える仕事も厭がるな
4 出入りの商人に威張るな
5 仕事の手順は自分で考えろ
6 重役は馬鹿ではないし敵でもない
7 金をつくるな 友をつくれ
8 新人殺しに気をつけよ
9 正しい文字を書き 正しい言葉をつかえ
10 グチを言うまい こぼすまい
11 思想を持て ビジョンを描け
12 節を屈するな 男の意地をまげげるな


入社して半月では、「なんのことやら」かもしれない(笑)。

でも、ちょっとだけ頭の隅に置いておくといいと思う。いつか、何かの形で心当たりがあるはずだから。