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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

曲名だけでタイムスリップしてしまう

2010年01月25日 | 本・新聞・雑誌・活字

新潮新書の新刊、北村薫さんの『自分だけの一冊』と、富澤一誠さんの『あの素晴らしい曲をもう一度』を読む。

『自分だけの一冊』は、副題に「北村薫のアンソロジー教室」とあるように、自分だけの本を編む、つまり<マイ・アンソロジー>作りのススメだ。

確かに、読書の楽しみ方として、かなり有効かもしれない。

そして、『あの素晴らしい曲をもう一度』。

こちらは、フォークからJポップまで、“僕たちのメロディ”50年史である。

60年代の終わりから現在までの、音楽の流れが俯瞰できる。

あの頃、あんな人の、こんな曲があり、その時代背景と若者たち(当時の私たち)はどうだったのかという、実に懐かしく、嬉しい同時代史だ。

特に巻末の「名曲ガイド50」が泣ける。

ここに並んだ、66年のマイク真木「バラが咲いた」から、06年の秋川雅史「千の風になって」まで、50曲すべてを知っているだけでなく、どれも歌えてしまうことに驚く。

というか、曲名を眺めているだけで、いろんなことを、それこそ思い出さなくていいことまで、思い出してしまう。

私にとっては“悪魔のリスト”(笑)なのだ。

ちょっと書き出してみると・・・

「この広い野原いっぱい」森山良子 67年
「帰ってきたヨッパライ」ザ・フォーク・クルセダーズ 67年
「友よ」岡林信康 68年
「風」はしだのりひことシューベルツ 69年
「遠い世界に」五つの赤い風船 69年 
「しおさいの詩」小椋 佳 71年
「戦争を知らない子どもたち」ジローズ 71年
「あの素晴らしい愛をもう一度」加藤和彦と北山修 71年
「出発の歌」上條恒彦と六文銭 71年  
「結婚しようよ」よしだたくろう 72年
「学生街の喫茶店」ガロ 72年
「春夏秋冬」泉谷しげる 72年
「神田川」南こうせつとかぐや姫 73年
「心もよう」井上陽水 73年
「あなた」小坂明子 73年
「精霊流し」グレープ 74年
「岬めぐり」山本コウタローとウイークエンド 74年
「22才の別れ」風 75年
「我が良き友よ」かまやつひろし 75年
「いちご白書をもう一度」バンバン 75年
「あの日にかえりたい」荒井由実 75年
「なごり雪」イルカ 75年
「時代」中島みゆき 75年

・・・いかん、また泣けてくる(笑)。もう、これくらいにしておきますね。