『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

◆今年は「映画を読み解く」に力を/『シンドラーのリスト』:No.1

2015年01月01日 05時30分45秒 | ◆映画を読み解く

 

  読者K氏の願い

   昨年12月の初め、久しぶりに「映画大好き人間」の友人「K氏」に会いました。彼によれば、本「ブログ」の昨年の傾向は、【学生演劇の公演案内】と、それに応じた【演劇鑑賞】に重点がおかれたような “感じ” がしたとのこと。

   “感じ”……と控えたところが奥床しい。「K氏」は口にこそ出さなかったものの、要は「演劇」以外のジャンル、とりわけ【映画鑑賞】にも “眼を向けて”……というわけでしょう。もっとも、そのような “声” は、彼だけに限ったものではなかったのですが……。

   そのとき筆者は、K氏に対しておもむろに、以下のようなことを口にしたような気がします。記憶は定かではありませんが……。

        ★   ★   ★

    『知ってる? 僕んちの「冷蔵庫」は、“ブログの「願い事」が叶う何でもBOX” なんだ。もし、その「BOX」に「パッケージ」入りの「辛子明太子」が発見されたとしたら……その「パッケージ」に書いてある「願い事」は、きっと叶うと思うんだ……。試しに「鑑賞」希望の「映画」のタイトルを、「邦画・洋画(外国物)」それぞれ5つほど、「パッケージ」に書いておいてごらん。

   ……ああ、そうそう。 “聞いた話” だと、特に「願い事」がよく叶うのは、“「ふくや」の減塩系のものらしいんだ……』 

       ◎   ◎  ◎  ◎  ◎  ◎  ◎

 

   「K氏」は、とてもラッキーな男です。「元旦」早々、こうして “願い事が実現しようとしているのですから。

   ……ということで、今年2015年『感性創房』の “初ブログ” は、久しぶりに【映画に親しむ】シリーズです。振り返ってみれば、昨年はただの一度も【映画に関する記事】や【映画鑑賞】を書いていなかったのです。自分でも驚き、また深く反省した次第です。

       ☆

   ちなみに、博多の「辛子明太子」の “原点” いや “源点” とも言われる老舗「ふくや」の「パッケージ」には、以下の「映画タイトル」が記してあったとのこと。 ※( )内の「西暦」は「日本」での映画の「公開年」、氏名は「監督」名です。

 

 ●邦 画

1.『キューポラのある街』(1962年。浦山桐郎)

2.『幸せの黄色いハンカチ』(1977年。山田洋次)

3.『となりのトトロ』(1988年。宮崎駿)

4.『用心棒』(1961年。黒澤明)

5.『ゼロの焦点』(1961年。野村芳太郎)

 

 ●洋 画(海外物)

1.『カサブランカ』(1946年。マイケル・カーティス)

2.『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年。ロバート・ワイズ) 

3.『タイタニック』(1997年。ジェームズ・キャメロン) 

4.『シンドラーのリスト』(1993年。スティーヴン・スピルバーグ) 

5.『めまい』(1958年。アルフレッド・ヒッチコック) 

       ☆

   それにしても、筆者よりほんのちょっとYoungな「K氏」らしい選考と言えるでしょう。もっとも、「邦画・洋画」とも「1,2,3」の作品は、おそらく才色兼備の誉れ高き “影の選考委員長” の “指令” のような気がしますが……。 

   『キューポラのある街』は、「黄金青春コンビ」の吉永小百合、浜田光夫の二人。個人的な感想ですが、この映画でのヒロインは、高校生当時(16~17歳)の吉永さん(昭和20年生)の “実像” に近いような気がします。しかし、筆者の高校時代の「サユリスト」の友人によれば、絶対に違うとのことですが……。

   『幸せの黄色いハンカチ』は、ご存知のように高倉健&倍賞千恵子。共演は、武田鉄矢、桃井かおり。『となりのトトロ』は、日本のみならず、海外でも未だに人気が衰えていないようです。この作品は、筆者の「ジブリ作品」の「ベストワン」です。

   『用心棒』は、「椿三十郎」と並んで、三船敏郎本来の魅力を最高度に発揮した作品かもしれません。

       ☆

   『ゼロの焦点』は、2009年に広末涼子・主演、中谷美紀、木村多江等の「リメイク版」がありますが、個人的には、久我美子・主演、高千穂ひづる、有馬稲子の「1961年版」の方が遥かに優れていると思います。

   この作品のヒロインは「禎子」――。いきなり、結婚したばかりの夫の謎の失踪に苦悩の日々が始まるのです……その夫に漂う女の影……禎子の困惑と不安、嫉妬と恐れ、哀しみと悲嘆……。これだけのことを、愛念と情感を込めて演じ切るというのは、それ相応の感性や演技力が求められます。

   この作品にかぎらず、「松本清張」作品の「人物」は、いずれも複雑に屈折した精神の持ち主が多いようです。それに加え、不可思議な行動を見せる人物も数多く出て来ます。

       ☆

   ともあれ、以上の「作品」群――。やはり、なかなかのchoiceですね。『カサブランカ』……。イングリッド・バーグマンとハンフリー・ボガ―トのラブロマンス。バーグマンは、この映画のときが一番 “美しく” また “をんなっぽい” ような気がします。ボガ―トは、ハリウッド映画史上「ベスト1」の人気を誇る男優です。

   『サウンド・オブ・ミュージック』は、ヒロイン、ジュリー・アンドリュースの「ドレミの歌」が有名であり、『タイタニック』は、若い女性に人気が高いようですね。

   『シンドラーのリスト』は、「ユダヤ人」に対するナチス・ドイツの残虐行為の「実話」であり “ドキュメンタリー・タッチ” の作品です。ヒッチコック監督の『めまい』も良いですね。個人的には、「北北西に進路を取れ」や「裏窓」「マーニー」「ロープ」「鳥」「ダイヤルMを廻せ」などが好きです。

   日本においても、「ヒッチコック劇場」や「ヒッチコック・アワー」といったタイトルで、いくつかシリーズ化されていたように思います。

   ……それにしても、何とも渋い……。さすが我が友「K氏」、そして我が「影の選考委員長」殿。

   『カサブランカ』は、筆者も「鑑賞予定」にリストアップしている作品です。今年中には、と思っておりますが……。この作品は、何と言っても、筆者が選ぶ「洋画ベスト10」の第3位であり、『シンドラーのリスト』は第5位となっています。

        ★    ★   ★

 

   ◆今年の鑑賞第一作は、『シンドラーのリスト』◆

   ……ということで、今回採り上げる映画は、『シンドラーのリスト』(Shindler’s Lists)に決定いたしました。筆者と「K氏」との男の約束ということで、「影の選考委員長」殿にはご理解を賜り……。

   「実話」に基づくこの映画は、第二次大戦中のナチス(ドイツ)によるユダヤ人の虐殺、すなわち「ホロコースト」が行われた時代に、「オスカー・シンドラー」という人物が、結果として1100人ものユダヤ人の命を救ったとされる史実を描いています。

   監督の「スティーヴン・アラン・スピルバーグ」(Steven Allan Spielberg 1946.12.8 ~)自身も、ユダヤ系のアメリカ人です。

        ☆

   この「映画」に就いては、「ストーリーの展開」を細かく云々するより、「映画本来」の特性を最高度に発揮した “映像” 解説を中心に進めてみたいと思います。

   次回より、『シンドラーのリスト』の「鑑賞」を進めて行くことになります。「物語のあらすじ」を “こと細かく” 分析することは控えるにしても、ある程度の「ネタばれ」は避けられません。その旨、あらかじめご了承ください。

   そこで「読者」のみなさんにお勧めする理想的な「鑑賞」方法は、ひとまず映画『シンドラーのリスト』のDVDをご覧いただき、 “この映画が物語る真の狙い” を考えていただくことでしょうか。

   「素晴らしい映画」には、“素晴らしい隠し味” がいくつも用意されています。それを探し当てる楽しみこそが、“映画を読み解く” ことの “最大にして最高” の目的ではないかと思います。

   では是非とも次回までに、一度は映画『シンドラーのリスト』をご覧ください。え? 本ブログの次回はいつかって、おっしゃるのですね。……ええ。その件ですが、それはよく判らない……というのが真相のようです……。

   ただ、ひとつ筆者に言えることは、「読者」の多くが、ゆっくりとこの映画のDVDを楽しむことができる “時間的余裕” を確保したい……ということでしょうか。はい。おあとがよろしいようで……。(続く)  *今回は、特別拡大版です*

          ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

 

  頌 春

    去年今年貫く棒の如きもの  高濱虚子

 

  “こぞことしつらぬくぼうのごときもの”―‐。

  時間的な連続とか、連続する時間における意識の流れが……そういう哲学的な解釈はひとまず措くことにし、素直に “貫く棒” の存在を受けとめることにしましょう。みなさんそれぞれの “棒の如きもの” とは何でしょうか。      

   また「新しい年」を迎えることとなりました。

   おめでとうございます。月並みな言葉ですが、これも素直に、また有り難く受け止めることにいたしましょう。

   読者各位にとって、家庭や地域社会、仕事や学業において、熱い想いで試みるものとはどのようなものでしょうか。私も残り少ない人生の中で、それを求めて日々努めて行きたいと思います。

   その “証” の一つとして、この『感性創房』のブログを綴っていく所存です。お気づきの点がありましたら、遠慮なく「コメント」をお寄せください。「コメント」は原則として “公開” となっておりますが、“非公開” をご希望の場合はその旨お知らせください

   今年もよろしくお願い申し上げます。

  平成27(2015)年 元朝  きわめて強い潮風の吹きゆくさまを全身に感じながら

    花雅美 秀理  

  

 

   PC‐mail  kagamishuri@gmail.com

  携帯mail  kansei-souboh@softbank.ne.jp

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (セラビー)
2015-01-12 00:09:14
shuriさんの新年の抱負と映画への傾倒に期待です。

私は昨日も舞台を見に行きました。これもそれもshuriさんの影響のおかげです。
なので演劇ブログ中心に映画ブログもちょくちょくと。
それからジャズも時折お願いしますねっ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
演劇&映画で (花雅美 秀理)
2015-01-12 00:28:19

 セラビ―さん、ことしもよろしく。またコメントありがとうございます。

 「演劇」を好きになっていただいたこと、この上もない喜びです。3月には数多くの大学で卒業公演があります。

 どこかの大学のものをご一緒しましょうね。もちろん、奥様も。

 「音楽」に深い理解と繊細な感性を発揮するセラビ―氏にして、はじめて可能な「演劇」への傾倒だと思います。

 「演劇」への関心がたかまることによって、「映画」や「音楽」への理解や感性がいっそう磨かれることでしょう。無論、逆もまた真なりです。

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