ご存知の方もいらっしゃるだろう――。
現在、「宅地建物取引士試験」受験生の指導に追われている。それも、切羽詰まった状況となりつつある。試験は「10月21日(日)」。つまりは、あと「3週間」に迫っているというわけだ。
連日、生徒諸君に「学習連絡」をメール送信し、また「メールによる質問」に答える毎日。テレビを観る時間もなく、事実、「創房塾」の塾生各位には、こう宣言している。
『試験が終わるまでテレビは観ないし、禁酒を貫くことにしました』
それに加え後日、生徒「甲君」には、次にように語ったという。『断腸の思いで、ブログもしばらくは……』。また同じく「乙嬢」には、『書店に新刊書をのぞきに行くことなどしない。宅建受験関係以外の本に目を通すのは当分お預けに……』。さらに「丙君」には、『君に、僕の71年4か月2週間の命を捧げよう……』とか。
そして1週間前も、生徒「乙嬢」及び「丁君」には、『たった一冊の文庫本であれ、購入しない覚悟でいるから……』と固い信念で言い放ったのだった。
Bu~t! しか~し……である。この御仁は舌の根も乾かないうちに「TSUTAYA」に顔を出し、《1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365》なる書籍を購入したのだ。これはつい10日前のこと。だがその3日後には、《科学者はなぜ神を信じるのかーコペルニクスからホーキングまで》をたった30秒で手に入れ、「学習連絡」の原稿作成の合間に読み継ぎ、2日で読了している。
そして一昨日、飯塚までの出張指導(もちろん「宅建士受験指導」)の帰り道、立ち寄ったコンビニにおいて「初おでん」を惜しげもなく小腹に与えた。その直後、「消化器官」を刺激し終えた御仁は、案の定、次は「脳細胞」を満たす番であると自らに言い聞かせながら、《決定版/宇宙がまるごとわかる本》というカラー写真、図解及び表満載のA5判を眺めた後、90秒後に確信を持ってレジまで歩み寄っていた――。
……………ん? そこまで言って委員会?
――いいのである。何が何でも、それでいいのである。……御仁には、デカルト的《cogito, ergo sum》など遥か大宇宙の彼方に去り行こうとしているのである。ただただ、《……それでも御仁は何かの軌道を回っている》いや、正確に言うなら《回りたがっている……》という感覚に密かに満たされながら……………。
嗚呼! Bu~t! しか~し!
生徒諸君よ! 読者諸兄諸姉よ! 御仁を赦したまえ!
それにしても中小の宅建業者は厳しいです。もちろん私の会社もそうです。正直言って、先行き不安です。そのうえ、当社のお客様は本当によく勉強されています。以前、先生がおっしゃったことが、今になってよくわかるようになりました。創房塾の「宅建暗記語句」が懐かしく想い出されます。というよりも、未だに否応なく出て来ます。「土地売買、人の名を成す(177条)登記かな」「売買555(ゴゴゴー)財産移転」は毎日必ず呪文のように出て来ます。