【演劇ユニット「」(かぎかっこ)の第5回本公演】
この【演劇ユニット「 」(かぎかっこ)】に本格的に注目し始めたのは、2012年7月の「旗揚げ公演(第1回)」だ。この「公演」は、巻末《参考》にあるように、九州大学卒業後、社会人となっていた浜地泰造氏と、同大演劇部後輩の現役女子大生(2年)の酒井絵莉子嬢との「二人芝居」だった。
実はこの時、筆者は友人O氏を初めて「演劇」に誘ったが、このときの彼の感動した様子に筆者の方が驚いた記憶がある。当時の彼の言葉はーー、
『舞台演劇がどういうものか良くわかりませんが、この舞台が素晴らしいことは何となく感じます。それにしても、彼女が二十歳そこそこの女子大生とはとても思われませんね。凄いとしか言いようがありません』
そう言った彼は、その後何度も筆者と「九演」の舞台を観劇し、すっかり「学生演劇」のファンとなっている。
ともあれ、筆者がこの「旗揚げ公演」を観ようと思った動機は、ひとえにこの浜地・酒井両氏に注目していたからにほかならない。そのキッカケこそ「学園祭(大学祭)」での「テント小屋公演」であり、ことに両氏が1年生のときの活躍に注目したことが始まりと言えるだろう。この件については、本ブログの〝どこか〟で触れたと思われるので重複は避けたい。とにかく《ひときわ抜きん出た印象》を与えたのは確かだ。
そしてこの「旗揚げ公演」を皮切りに、筆者は第2回(2013年11月)、第3回(2015年3月)、第4回(2018年3月)と、この劇団の本公演を「紹介(演劇案内)」するとともに「鑑賞文」を残して来た。といっても、前回の「第4回公演」については、いまだに「未稿」となってはいるが。
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「漫画」の原作を戯曲化
今回の舞台作品は「漫画」の原作(中野でいち)を「戯曲」化したという。下記の「あらすじ」をご覧になるとおわかりのように、従来の【「」(かぎかっこ)】の中心テーマ的なものを遥かに超えたものということだろうか。
チラシとともに同封された「案内書状」には、次のようにあった。
『これまでの落ち着いた作風とは一変、温度のある会話はそのままに、ポップで刺激的な世界観……』
『〝真実の愛〟をテーマに、性欲と罪を描く「史上最もビビッドな問題作!』
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ここでの「性欲」云々には、フロイト的な「リビドー」の仄かな灯りがちらつくとともに、「とある男の性欲と過去の罪」と来れば、筆者的には「ドストエフスキー」の「運命的生涯テーマ」という思考回路のスイッチが、たちまち〝ON〟となる。それだけに、この「演劇作品に対する筆者独自の向き合い方」もいっそうの広がりと深まりを求められるというもの。
舞台を堪能したあとの「自らの鑑賞文」に、今から若干の緊張と新鮮な刺激のようなものを感じている。筆者にとって、「舞台を観劇する自分」と「鑑賞文をまとめる自分」との闘いでもある。
演劇ユニット「」(かぎかっこ)第5回本公演
戯曲 「hなhとA子の呪い」
・作 演出 : 浜地泰造
・原作 : 中野でいち「HなHとA子の呪い(リュウコミックス)」
・日時 2019年4月13日 13:00 / 18:00
4月14日 13:00
☝「会場案内地図」と「会場までの交通アクセス」が出て来ます。
・チケット 前売り 1800円 / 当日 2000円
お問合せ:playunitkagikakko@yahoo.co.jp tel:090-1196-7569(酒井)
あらすじ
「性欲は真実の愛にとって障害となる」との信念を持つ針辻真(はりつじまこと)。
そんな彼の前に謎の幼女A子が現れ囁く
「針辻君にも性欲は存在するー」。
A子の言葉は呪いとなって、針辻は惑い乱れていく…
愛に捕らわれ縛られた男は「真実の愛」を手にする事ができるのか?
これは、とある男の「性欲」と「過去の罪」についての物語。
出演 浜地泰造 ぽち (非・売れ線系ビーナス) 藤田 恵佳(演劇ユニットそめごころ ) 酒井絵莉子 中山博晶(フリー) 丸尾行雅 石川優衣 ほか
◆【演劇ユニット「」かぎかっこ】の「ホーム/facebook」
参考:
この記事中に、第2・3回の公演について少し触れています。
この記事の最後に「演劇案内」として、2012年7月14・15日の「旗揚げ公演」の案内をしていました。 『F』・作:宮森さつき ・演出:浜地泰造 〔北九州で社会人の浜地泰造と、現役大学2年生の酒井絵莉子がまさかの二人芝居! 年齢も住所も遠距離なコンビがこの夏、ついにユニットを結成!〕