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黄帝内経素問 陽明脈解篇 第三十 第一節

2013-09-30 09:32:24 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 陽明脈解篇 第三十

第一節

 黄帝問曰。足陽明之脈病、悪人與火。聞木音則然而驚。鐘鼓不爲動。聞木音而驚何也。願聞其故。

 岐伯對曰。陽明者胃脈也。胃者土也。故聞木音而驚者土悪木也。

 

語句の意味

足陽明之脈=足陽明胃経の脈

足陽明経脈=あしのようめいけいみゃく。

胃経の脈のこと。十二経脈の一つ。

もとは胃の足の陽明の脈(胃足陽明脈)という。

循行経路は、体内にあっては胃に属し、脾を絡う。

体表にあっては鼻部より側頭部、面部、頸部、胸腹部、下肢外側の前面を経て、第二趾端に止まる。

 

悪む=にくむ。アク。ワルい。アし。正しくない。よくない。見にくい。あらっぽい。おとっている。このましくない。いやしい。縁起がわるい。きたない。おだやかでない。ワル。わるもの。罪。病気。わざわい。けがれ。きず。くそ。不道徳の行ない。各種の悪い行ない。法律にそむいた行い。がんこなこと。オ。ニクむ→憎。いむ=忌。忌日。はじ=恥。そしり。イズクんぞ。アア、嘆ずる声。

 

=テキ。オソれる。恐れつつしむ「然」。ツツシむ。

 

驚=①ものごとにおどろき、心が動揺すること。心神が穏やかでなくなり、脈が結代したり、大きくなったり、一時止まったりする。これはもともと、心気が虚していたり、心胆がともに怯えやすかったり、あるいは肝虚・胃熱などにより、物ごとにおどろき易くなっている。五志の一つで、水に配当される。

②ものごとにおどろく。精神障害の一種で、特に驚愕、あるいは全身の痙攣をおこし、意識不明になる場合。痙攣を発する病の総称。脳性の痙攣をいう。

<素問至真要大論>「少陽の勝は熱胃に客として・・・善く驚き譫妄し・・・。」

<素問陽明脈解篇>「足の陽明の脈病めば、人と火とを悪み、木音を聞けば則ち然として驚く、鐘鼓には動を為さず。・・・陽明は胃の脈なり。胃は土なり。故に木音を聞きて驚くは土、木を悪むなり。」

<素問四時刺逆従論>「陽明・・・濇なれば則ち、積を病み、時に善く驚く。」

<素問奇病論>「腎風にして食すること能わず。能く驚し、驚已りて心気痿する者は死す。」

<素問評熱病論>「諸諸の水病は故に臥することを得ず。臥するときは則ち驚す。驚するときは則ち欬甚だしきなり。」

<素問大奇論>「肝の雍はは両胠満し臥するときは則ち驚し、小便するを得ず。」

<素問診要経終論>「春に秋の分を刺せば筋攣し、逆気環りて咳嗽を為す。病癒えず、人をして時に驚し、・・・。」

<素問挙痛論>「驚するときは則ち心倚る所無く、神帰る所なく、慮定まる所なし。故に気乱るるなり。」

<素問痺論>「肝脾は夜臥するときは則ち驚し・・・。」

 

鍼灸医学大系 語句の解

驚は「おどろく」と訓じられているが、本来は、いずれもハッと全身を緊張させることなのである。特に驚を「おどろく」という訳は適当ではない。

従って本文の「然而驚」は「然として驚(おどろ)く」と訓ずるよりは、「然として驚(キョウ)す」と訓む方が適切であり、その意味は「ギクッと緊張する」ことである。鍼灸医学大系・陽明脈解篇

 

鐘=ショウ。シュ。カネ。ツリガネ「鐘鼓」。時の鐘。

鐘鼓=かねとたいこと

 

漢方用語大辞典、明解漢和辞典、新明解国語辞典

 

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